おひとりさまの死

立川の女性センター登録グループ「ひとりの老後を考える会・リリアンネット」を立ち上げて8年。初めて、グループのひとりの訃報が届いた。8月半ばのこと、シャンソンを歌ったり、旅行に行ったり、いくつものグループに所属していた彼女、何人かの知人たちが、数日、連絡が取れないのを不審に思って、結果的には自宅のベッドでこと切れていたのがみつかったそうだ。虚血性心不全だと。80は超えていたと思うが、正確な年齢は誰も知らない。
4月にみんなで井の頭公園に遠足に行ったとき、待ち合わせの場所にお菓子を持って現れ、そのまま参加せずに別れたのが最後の姿となった。その後の定例会には参加していない。ずっと元気だっただけにびっくりした。
彼女は生涯独身を通し、定年まで会社員として勤め上げたひと。賃貸のUR住宅に住み、退職後の生活に金銭的な不安は全くなかった。身寄りはないときいている。ちょうど一ヶ月ほど前に、親しかった後輩を正式な後見人として遺言など、法的な処理を済ませたばかりだったというのだ。虫の知らせなのだろうか。後見人となった後輩が、何から何まできちんと始末し、彼女が残した財産は、全部その後見人が相続した…、下世話な話もとんだが、誰でも必ず死ぬ。ある意味見事な死に様ではないか。合掌。

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