相撲好きの友人

80代の地元の友人Sさんは、大の相撲好き。久しぶりに一緒にご飯を……と、約束の時間に迎えに行くと、「ちょっと待って」と気もそぞろ。大相撲の最後の取り組みを見てからでないと外出はできないらしい。「応援しているお相撲さん、今は特にはないのよ」、それでも必ずテレビをつけて見ないと落ち着かないと言う。
大学時代のサークル仲間にもひとり、相撲好きがいる。幕内に上がった同郷出身の推しの力士がいて今場所有望だとか、いろんな情報をLINEににあげてくる。面白いのは、毎回テレビに映り込む観客の中の謎の和服美人のこと。相撲好きならだれでも知っているのかもしれないが、テレビ画面をスマホで撮って、わざわざ赤丸で囲んで送ってくる。LINEメンバー10人のうち即反応して返すのは2、3人、私は「へーッ」とか「ホー」とか呟くしかない。同期の彼らはYouTubeやTiktokの話題を拾うのも実に早い。大谷翔平の妻情報もいち早くLINEに上げてきた。こういう話が大好きなマダムたちのLINEよりも、何週間も早かった。
名の知れた企業で定年まで勤め上げ今は妻と2人悠々自適の暮らしをしている人、自営でまだ働いている人、現状はさまざまだが、同期の友人たちはみんな趣味が多く、しっかり人生を楽しんでいる。サークルの名は「広告デザイン研究会」、60年近く前の仲間だ。

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