弁護士さんの無料講


弁護士から学ぶ「遺言・相続・成年後見人制度」。おひとりさまのグループで、90分の講座を引き受けてくれた弁護士先生の話は、完璧だった。成年後見人の話、相続の基本、揉めない遺言書にするために…。今までも数回、司法書士とか、何とかファイナンシャルとかの専門家に来てもらって、この手の講座を開いたことがあるが、自薦他薦で話してくれたどの講師も、実は営業的な下心が見え見えだった。特に私のようなへそ曲がりはどうしても斜めから聞いてしまっていたし、内容も、フーンという感じだったのだが、同じことでも今回の話は一番わかりやすくて腑に落ちた。少々早口ではあったが、休みなく淡々と理路整然と、その上内容はびっしり、非の打ち所がない。さすがに弁護士さんは頭がいいと感心した。
立川市の社会福祉協議会で、弁護士による無料講座の案内をもらったのがきっかけだった。この弁護士さんが所属する三多摩法律事務所第三弁護士会が、高齢者のさまざまな相談事を担当していて、たまたま近くの法律事務所から来てくれたのが今日の弁護士さん。無料だから、どうせ新人さん、あるいは元弁護士的なお年寄りが来るのだろうと、正直、軽く考えていたのだが、とんでもない。バリバリの中堅どころ、きっと親身になって話を聞いてくれる弁護士さんなのだろう。
自分の事務所の宣伝ひとつしないから、最後に司会者が「私たちにとって、弁護士さんと話すこういう機会は滅多にないので、宣伝してください」と言ったくらいだ。彼ははにかみながら、立川相互病院の裏手のビルの中にあって、弁護士は何人くらいいて、相談事があったらどうすればいいかなどを少しだけ答えて、恥ずかしそうに部屋を出て行ったのだ。謝礼無しの、濃い時間だった。
来年にでも私たちのグループ主催で、市の講座として企画しようか、と話し合った。そうすれば謝礼も払えるものね。

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