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予備校で見えない花火の音を聞く/そのまんまねこ

予備校で見えない花火の音を聞く/そのまんまねこ

覚えている限りで最後に親を泣かせたのは、大学受験で最後の1校まで合格が出なかったときの、居間での家族会議だった。やや閉鎖的な田舎で慢心していた僕の、最低で最悪な挫折だった。僕は寮付きの予備校に通うために、地元を遠く離れ、東京都の立川市まで父の車で自転車とともに輸送された。

予備校と寮を往復する生活は、1年間で結果を出さなければいけないというプレッシャーこそあれ、次の3月には否応なく終わるという点

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