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イルミネーション撮影における雑検証

気が付けば随分気温が下がっており、各所でイルミネーションが展開されるようになってきました。

ある程度都心部で生活していて、カメラを趣味にしていると、どうしても大小関わらず、気になったイルミネーションは撮りに行こうとすることも多いかと思います。

イルミネーション撮影において厄介なのは、フリッカー(チラつき)であり、特に広範囲での撮影の場合、画の一部が明るいけど他が暗いとかいったような事象に悩まされることもあります。

例:奥の電飾は明るいのに手前(木の幹)のは消灯している

基本的なところは、少し調べれば大方の対処方法は出てくるのですが、実際のところはどうなのだろうと思い、帰宅時にさっとサンプルの取得をしてきました。

その前に、フリッカーが起きる理由と、どういった撮影設定なら安定するのかの予測を立てておきます。

イルミネーションや照明等の人工照明は、基本的には商用電源(AC100 or 200V、50Hz or 60Hz)で動作しています。
つまり、固定された周期で明るさが変動し続けており、その1周期の倍数のシャッタースピード(以下SS)を設定すれば、良いので1/50,1/25,1/10…といった感じで撮れば部分的に暗いといった事象を回避できるものであると思っていました。
ただし、1周期に2回電圧のピークを迎える(+100Vと-100V)ことを失念しており、実際のところはSS1/100または1/120の整数倍の設定で撮れれば良いようです。

何件か調べてみた時には、SS1/80とかでも良さそうな情報もあったのでその辺も含めて、以下の条件で8枚ほど連続撮影し、比較してみました。
※露出評価は計算上同一となる設定としております。

撮影エリア(東日本 50Hz)
① SS1/50 F1.8 ISO500
② SS1/80 F1.8 ISO800
③ SS1/100 F1.8 ISO1000
④ SS1/160 F1.8 ISO1600
⑤ SS1/200 F1.8 ISO2000

以上5件をまとめて1本にまとめたものが以下のものとなります。

予測の通り、1/100より速いSSでは全体の明るさ安定せず、フリッカーの影響をもろに受けている様に見られます。
また、1/100より長い場合は安定しているように見えますが、1/80だけは部分的な明るさに変動が見られます。これは、点滅周期となる1/100秒よりも1/4周期長く、SS1/100(フリッカー無)とSS1/400(フリッカー有)の写真を加算した様な画となるためであると考えられます。

撮影設定パターンの少なさや、1か所での検証である為、一概にはこれだという話にはならないかと思いますが

・SSは1/100(東日本)、1/120(西日本)より長く設定する
・全体の明るさを安定させたいのでであれば、その整数倍のSSを設定する

といった感じではないかなと思います。


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