評価をされているのでは「あなた」ではなく「技術」


はじめに

本記事は「巨人の選手が全員阪神に行ったらファンは巨人を応援するのか阪神を応援するのか」という容れ物か中身か問題に対し、「私は中身のほう、阪神を応援する」というサイドの人間です。それを踏まえたうえでどうぞ。

立場が変われば振る舞いが変わる


人間は特殊な環境に置かれたら一瞬で傲慢になります。
金銭や立場など生活の根幹を揺るがす基盤が変われば性格も変わるものです。
有名な例として、ミルグラム実験(特にスタンフォード監獄実験)が挙げられるでしょうが、昨今ではインターネットでも同様の例が散見されており、
オリジナル作品のいいねが2桁いったら大喜びしていたようなアカウントが流行りのアニメやソシャゲの二次創作を描いた途端いいねが5桁ついて感覚が狂って壊れる、という現象にたびたび遭遇します。

「このいいねの数は作品が好きな人間が多いからであり、私本来の実力はいいね2桁なんだ」という気持ちがあればいいものの一度味を占めたら中々その気持ちに戻れないというのが人間であり、二次創作のブーストがかかっているいいね数が自分の実力だと勘違いするケースが後を絶ちません。
それもそのはず、自身を律しようと考えている中障壁となる最大の問題が「ファンネル」であると言えます。本来の言葉とはかけ離れたワードになっておりますが行き過ぎた信者、くらいの雰囲気で捉えていただければ。
何か呟けば同調をされ、何かオススメをしたら購入報告をされ、弱気な発言をしたら浅い擁護や慰めをし、何かを叩いたら一緒に同調して叩くファンネル。完全に自尊心爆上げ○○先生万歳マシンになるわけです。
絵を描いているだけの一般人なのに。
なんなら2021年2~4月のウマ娘が大流行りしてたときはLINE会話風スクショですら10万いいねとか付いてる恐ろしい世界でした。わけがわかりません。

何故かSNSでは絵師が世界一尊い職能であり現人神のような崇めまつりかたをする方がいらっしゃいまして、それも1人2人の世界ではないんですよね。

確かに絵を描けることは立派な職業でありますし(高校大学の知人でMVアーティストや商業漫画経験者がいます)それそのものは尊いことではありますが、流石にヨイショされすぎではないか?と考えざるを得ません。
そんなこと言ったら快適にアプリやソフトを使えるように運用保守するバックエンドエンジニアも超すごいしゲームと配信だけで飯食えてるプロゲーマーも超すごいですからね。後者は特に趣味を仕事にするので自己ベストが更新できなかったり対人戦の勝率が著しく悪くなるスランプに陥ると精神的にも本当にキツいだろうなあというのは年齢を重ねるごとに感じます。

それが分かりやすい「美麗な絵」の他に「いいね数」「フォロワー」という分かりやすい指針もあることから「すごい数字だしこの人すごいや!」に陥るわけです。数字は人を狂わせます。
ただいくらフォロワーが増えようと閲覧数が増えようと実際の潜在顧客にリーチされない限りそんな数字は無意味だ、と思います。私の職の場合は。

絵師や声優などの職業はクオリティが同格だった場合フォロワー数が多いほうに声がかけられるケースが多いです。私もキャスティングを行う際はSNSで不用意な発言をしていないかチェックをしたのちフォロワー数で判断を下した経験があります。

発言チェックをして問題ないな!ヨシ!と思って依頼を締結→納品待ちの間にその人がプチ炎上したときは頭を抱えましたが。



「作品」は「作品」、「作者」は「作者」、分けて考えるべき

トートロジーではございません。私からの指摘です。
昔からある言葉はそれを積極的に使うべきだという心情の下小泉進次郎構文とは呼びません。口頭だと進次郎構文と言ったほうが伝わりやすいので臨機応変に使い分けてはいます。

あいつの作品は好きだけどあいつは好きじゃねーわ!と言って離れる方は、その人と技術を切って離さず全てをその人の個性として受け止めています。
その考えも悪くないですが、性格に翳りが見えたり自分と相容れないタイプだと知ってからだとその方の創作物に対しても印象がずいぶんと変わるのでオススメはしません。それはそれ、これはこれの理論は大事です。

作者がどんな思考や思想を抱いていても、
あなたが当時感銘を受けたその気持ちは本物です。
自身の繊細な思いまで否定する必要はどこにもありません。

これを伝えられたので後はブラウザバックして好きなYoutuberの動画とか見ていただいていいです



やたら政治的に極端に傾いてたり異性にセクハラリプ送りまくってたり捨て垢のレスバトルにすら応じる方(そんなことすんなら作品のほうで昇華してくれ)なんかもいらっしゃるので、人格と作品を分けて考えないと痛手を負うことが多いです。目に余る行為を行う創作者は実は稀によくある、と言えます。ブロント語で一番便利な言葉。

かくいう私も似たような経験がございまして、絵師の中で特に「おばさん」を描ける方、かつ定期的に放流してくれるってかなり特殊かつ希少なんですよね。若い子の絵に少しシワを描いただけではおばさんになりません。年齢相応の酸いも甘いも嚙み分けた妖艶な雰囲気を纏わせたり、重力に負けてしまった体のたるみを描いたり、熟れた年齢からくる若い子とは違う体躯からだの曲線美を表現するなど全て抜本的に変えなければなりません。
そんな貴重な絵師を創作アカウントでフォローしていたとき2,3日に1ツイートくらいの頻度で洒落にならないくらいエグめの政治批判をするツイートをするという方がいらっしゃいまして、めちゃめちゃいい絵を描くかなり貴重な方だっただけにどうするか悩みましたが
「これ以上この人のツイートを見ていたらこの人の絵で抜けなくなる
と断腸の思いでリムーブをした経験が蘇ります。おかげさまでギリギリ軽傷。

自分の人生なので犯罪や不必要で過度な迷惑を他者にかけない限り基本的に何をしてもいいと思っているのですが、
「このアカウントでそれする必要あるか……?」
という使い方をする人は本当になんというか、もったいないですね。
「FANBOXの利用規約代わっていきなり非公開にされた!なんで?」
とか自身と関係ある内容ならまだ理解できるんですが。
いやまあ政治も生活に密接に関わってるんでどちらも同じなんですけれど。
具申すると作品にいらぬ悪印象が付く発言は避けたほうがよさそうです。


容れ物中身問題

開幕の話に戻しますと、その技術を完全に再現できるのであれば「あなた」である必要はどこにもないわけです。欲しいのは「技術」ですから。
「容れ物であるあなた」を欲しているのはせいぜい肉親や親友、飼っているペットくらいなものです。それは代替の効かない存在ですから。

となれば導き出せる結論はひとつ

「代替の効かないあなたの技術」を提供することを心がけましょう

別に創作をしていなくても構いません。
仕事でもサークルでも集団の中にいたら発揮される力があります。

仮に同じ能力の上司が2人いたとして態度が良くないほうか細やかな気遣いが出来るほうどちらにつきたいか、という話に近いです。

AIで何もかも代替されるかもしれない未来が迫っている今、
我々に求められる能力は
あいつの下にいてやってもいいかな」と思わせる力になると考えています。
結局人を動かすのは人、という状況はまだしばらく変わりそうにないので、不用意に敵を作らないほうがいいです。

誰でもいい、のではなく、「あなたでなければいけない理由」があれば
今後の活動に大きなプラスの影響があるのではないでしょうか。
その点を鑑みると、
「Vtuberの容れ物を手にして自身をコンテンツ化した絵師」や
「知名度を生かしてアパレルに進出した元AV女優」など、
自身の価値を高めるため、かつ唯一無二にするために
自分自身をブランド化する、というのは今後の人生において必須です。

私は「オレいろんなことやってるよ!!!すごいでしょ!?でしょ!?!?だからみんなじゃんじゃん依頼してね!!これも買ってね!!!!」
みたいなことや宣伝の類が非常に苦手なので諦めていますが。


この「自分自身をブランド化する」という例で最もわかりやすいものが、
就職や転職の際に見られる学歴や職歴、資格になってくるわけです。



この段落のしめかたが思い浮かばなさ過ぎて
唯一無二の自分に、なってみませんか。
というすっげー適当な言葉で終わろうと思っていましたが脳内で
ひとつウエノ男という単語が再生されたのでおしまいです。
当然のことですが本記事は上のクリニックのPR記事でも広告記事でもなんでもありません。
もしそうだとしたらぶち込み方下手すぎるだろ。

おわりに

ここで商売のうまい人は
「唯一無二の自分になるには!ブクマ推奨!下記参照!30秒で変わる!」
とか言いながら7,000円の情報商材を売りつけるの
でしょうが、
別にそういう理由で記事を書いているわけではないのでね。
物書きをするだけでお金がいただけるのであれば幸いかな、とは思いますが
書く気持ちや脳内のネタが尽きたときの尋常でない苦しみも知っておりますゆえあまり軽々しく使う言葉でもないのは分かっております。
私に執筆を依頼したい奇特な方がいらっしゃいましたらご連絡いただければと思います。文筆を本格化するつもりが今のところないためnote用のSNSアカウントもありませんしメルアドも一切載せておりませんが。
あの手この手で連絡を試みてください。

今日は早起きして午前中のうちに映画を見てゲームを遊んで午後からは暇を持て余していたのでこういうどっしり何かに取り組める時間があるのは幸せなことだなあ、と改めて実感した次第でございます。

木原改めひとつウエノ男唯一無二原がお送りいたしました。
それでは。

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