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【質問箱回答】値付けは強気でいくべき?

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ご質問ありがとうございます!

値付けの問題…私もすごく悩んでいます…苦笑

よく時給換算で値付けする、という方法を聞きますが、個人的にはそれは最終手段だと考えています。

…ここからは本当に私個人の発想なので、正解かどうかは全くわかりません。というか、正解があるのかどうかすら分かりません。なので、ひとつの例として読んでいただければと思います。

その絵があることで何が起きるか?

これはあくまで私の価値観ですが、時給というシステムがあんまり好きではありません。だって、私が売っているものは「絵」です。自分の時間を売っているという認識はありません。

時給制は雇う側の人間が労働者に対して賃金を支払う際にはすごく分かりやすいシステムですが、私の場合特に雇われてるというわけでないです。

なら、描いた絵の価値はどう決めるか?

「絵を使うことで、お客さまはどれだけ得をするか?」というのが本質ではないかと考えています。

もし「絵があるだけで1000円のものが100個売れる見込みがある!」という場合、きっとその絵が10000円であればお客さんは「お得だ!」と思って買うのではないでしょうか?仮に20000円だったとしてもやっぱり「お得だ!」と思うはずです。

逆に、そんなに売れ行き左右するようなものなのに「1点1000円です」なんて言ったら、お客様は絶対に不安に思います。「え、そんな安いの…?なんで??」

あるときお客様に言われた一言が忘れられません。まだ値付けなんて全然よく分かってないとき、うっかり安い金額で提示してしまいました。すると、

「そんな安いものは使いたくない」

それまでは、安いことが良いこと、と完全に思い込んでいました。「安かろう悪かろう」という言葉もあるように、安い値付けは返って相手に不信感を与えてしまいます。相手が企業であればなおのこと。

そこから、絵の価値について考えるようになりました。その絵はさほど時間がかかるようなものではなかったのでうっかり安く見積もってしまったのですが、正直、お客様にとってこっちがどれくらいの時間をかけて作ったかなんてそんなに重要ではありません。

どんなに簡単な絵でもそれが良い効果を起こすなら高く見積もるべきだし、どんなに時間がかかって技術的に素晴らしい絵でも効果がさほどないなら、やはり高い値段は付けにくいです。

何のための絵か?大まかなカテゴライズ

依頼された絵がなんのために使われるものか、という視点が値付けの際に重要になってくるのではないでしょうか。

①PR…商品イメージ、LP漫画、ポスター、アイコンなど
②記録(記念)…グラレコ、似顔絵、風刺画など
③装飾…挿絵など
④娯楽…ストーリー漫画、カードゲームのイラストなど
⑤自己表現
⑥その他

ざっと思いつく限りですが、絵の使用用途はこんな感じにカテゴライズされます。

①②③は絵そのものが主役ではなく、他のコンテンツを引き立てるための補助です。そのため、絵の値段は「何を補助しているか」で大きく変動します。

④⑤は絵そのものが主役、あるいは絵で表現するメッセージが主役になります。そのものが主役になると、画力や技法などより卓越した技術面と知名度が値段に直結しているように感じます。メッセージ性の高いものに関してはSNSに強い印象です。お金に直結するかどうかはさておき、副次的な効果(例えば書籍化やyoutubeの動画再生数)に結びつきやすいです。

自分が依頼を受ける絵の種類は、どこにカテゴライズされるでしょうか?

値付けで強気に行くべきか否かの判断基準

ここからはもうほんっとうに私見ですので、賛否両論あると思います。読んでいて「なんか違うなー」と思われたら申し訳ありません、そっとページを閉じてください…

私が強気の値付けにするのは、以下の条件を満たすときです
・①②③のいずれかに該当すること
・絵の存在がメインコンテンツの売れ行き、及びイメージに大きく関わること
・その絵の賞味期限が長期間であること
・依頼主のモチベーションが極めて高いこと
・絵によって訴求する人数が多い(または不特定多数)であること

逆に、そこまで値付けにこだわらないときは以下の場合が多いです
・④⑤⑥のいずれかに該当する場合
・絵が人の目に触れるのが一時的である場合
・依頼主にとって、依頼先が自分である必要がない場合
・依頼主のプライベートの依頼である場合
・その他、値上げしたくないと自分が思う場合

このような判断基準で考えることが多いです。

普通、お店に並んでいる商品はたとえ誰が買っても、同じ商品であれば同じ価格です。これを絵に応用するなら、一つの絵を、どんな人が買っても同じ値付けになるはずです。なぜなら、「絵」に値段がつくからです。

けれど、私はもともとそういう売り方をしていない、いわば完全オーダーメイドを一貫しているので、そう言った値付けの方法には該当しないと考えています。
今までずっと「絵」に値段がつくという前提でお話ししてきましたが、実は私は「絵がもたらす効果」に値付けしている、という発想を採用しています。

①②③は、比較的「絵がもたらす効果」がすぐにお金に結びつきやすいと考えています。一方で、④⑤⑥は、お金に結びつくには少し時間や工程がかかる場合が多いように感じます。

この差が、「強気の値段で行くべきか否か」の差になります。

強気に出る勇気

勇気…まだまだ私も、決して勇気にあふれているとは言い難いのですが…苦笑

断られる理由が「値段が高い」だったときは、特に気にしない!!!!!!!!そういう時もあるさ!!!!!!!…と気持ちを切り替えられるようになれば比較的心に余裕が出てきました。

……普段よく通りかかる道に、お寿司屋さんがありまして。

カウンターにおじいちゃんの職人さんが一人、いつも包丁を研いでいます。小さなお店です。入り口には暖簾がかかっていて、外に出ているメニューには値段が書いてありません。

…高そう…

と思っていつも素通りしていました。
私が食べるのはグルグル回転するレーンに並ぶ一枚100円の、大型チェーン店のお寿司です。ニコニコな店員さんがたくさん働いています。

私は高いお寿司やさんには行かない…理由は簡単、値段が高いからです。でも、そのお寿司屋さんは私が小さい頃からずっとそこにありました。
もちろんお客さんの数は、大型チェーン店のところとは比較にならないほど少ないでしょう。売り上げも、チェーン店全体と比べたら少額でしょう。一見、儲かっていないようにも見えますが…

チラシで「一皿100円!」と宣伝してお客さんを呼ぶと、「安いこと」を決め手にお客さんはやってきます。すると、もし隣に「一皿99円!」という格安のお寿司屋さんができたら?お客さんは自然とそっちに流れます。

一方で、小さな高いお寿司屋さん。
お客さんが来る理由は、値段ではないはずです。おじいちゃんが握るお寿司が好きで、常連になっているお客さんが必ずいます。その常連さんが友達を連れてきて、その友達が常連になることもあるでしょう。

…自分はどちらでありたいか…そう考えた時、私は「おじいちゃんのお寿司屋さん」になりたいなと思いました。

「安いから」その理由で選ばれるよりも、内容で選ばれたい。
そう思うことで、勇気が出るようになりました。

まだまだ値付け研究中

…こんな偉そーに言ってしまって大変恐縮ですが、正直、私自身まだまだ初心者。研究中の身です。

もっと良い方法や考え方が見つかればそちらに移行することもあると思います。

自分の考えを必要以上に固めすぎず、引き続きいろいろな情報を集めつつ、より良い方法を模索していきたいです。

ご質問ありがとうございました!

頑張って書いてみました!もし良ければサポートよろしくお願いします!