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韓国動画で学ぶウェブトゥーン制作~キャラクター設定編~ 【おまけ】LINEマンガの最近の傾向

こんにちは、フーモア代表の芝辻です。
LINEマンガの2021年間ランキングトップ20が公開されていましたね。

男女ともに1位はwebtoonが象徴的だったかなと思います。
女性向け1位は「女神降臨」
男性向け1位は「喧嘩独学」

ピッコマで売れているジャンルのwebtoonと異なっており、個人的には多様性が出て良い傾向だなと思っています。(そもそもピッコマとLINEマンガ自体のユーザー層が異なるとは思いますが。)

一方でLINEマンガがピッコマでの売れ筋ジャンルを増やしていたり、元々ある小説原作をwebtoon化していたりと、webtoonの作り方も似てきています。

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「全知的な読者の視点から」というLINEマンガの男性ランキングで人気の作品は、2018年からMunpiaで連載されていた以下の小説です。

小説は5200万ビューを超えており、小説連載開始の1年半後にリアライズ・ピクチャーズによる映画化も決定している人気作です。それをベースにwebtoon化しています。


さて、今週のフーモアコミックスタジオのnoteは前々回、前々々回の続きで、韓国から学ぶwebtoon制作です。引き続きアルバイトのLIMさんに翻訳・執筆してもらいました。

▼以前の記事はこちら


韓国動画で学ぶウェブトゥーン制作~キャラクター設定編~

webtoon制作において制作スタジオのような複数制作する場合は、キャラクター設定などの資料を最初に細かく作り、関わる人の情報を一定水準にすることで品質を安定させます。
その中の資料でキャラクター設定の資料は、キャラクターが立っている『全身カット』や、キャラクターの感情を描いた上半身中心の『状況シーン』などで構成されていたりします。
キャラクター設定でキャラクターの外見と内面の性格、そしてwebtoon制作において実際に使われる配色などを決めておく必要があります。

今回とりあげるジャンルのwebtoonを、韓国スタジオさんとフーモアで共同制作しており、キャラクターごとに三面図や表情などのパターンをデザインしています。

前回のnoteの企画書で作成したキャラクター紹介を見て、実際にキャラクターシートを作成していっています。

キャラクター設定の具体例として以下日本のピッコマでも読める「大師兄~鷹の後裔〜」の主人公や剣豪などゼロベースでのキャラクター設定を作るまでの手順を見ていきます。

以下原作のキャラクターの設定文章を読んでみましょう。(韓国語です笑)

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日本語訳をすると、

❝年齢は19歳~21歳の間。身長は178cm。全体的に平凡でバランスの取れた体格で肌色。酷くめんどくさがり屋で、目は少し瞼が降りている、眠そうな目をしている❞

と書いてあります。

これを読んで、実際にキャラクターシートを作る前に資料をたくさん探しておくことが重要です。
今回取り上げている「大師兄~鷹の後裔〜」という作品は武侠webtoonということもあり、Googleで『武侠映画ドラマ』と画像検索して調べるなどすると良さそうです。
※武侠とは・・・中国文学での大衆小説の一ジャンルで、武術に長け、義理を重んじる人々を主人公とした小説の総称。近代化する前の時代設定が多い。

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さらに『武侠衣装』で検索してみるとそれっぽいのが出てきます。

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こういう場合『伝統衣装』なので、この場合は資料として使ってもよいと思いますが、『武侠ウェブトゥーン』などで検索して出てきた服の資料、創作物の資料は作家さん固有のデザインであるため、それらを資料に使って作業すると著作権違反になりかねないので注意しながら、参考にすると良いかなと思います。

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キャラクターデザインに落としていく

色々な資料を探した上で、ここからキャラクターデザインをしていきます。
※注:ここから説明用にどのようにやっているかの流れだけなので、キャラクターの絵などのクオリティは適当です。

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ファイルの大きさは横2000ピクセル、縦はこれよりもう少し長くして4000ピクセル程度にします。
解像度は300dpi。ここでデザインしたキャラクターをどこかにアウトプットすることも無いと思うので、必ずしも300dpiにする必要はないですが、この動画では念のため常に300dpiを維持しています。

キャラクターデザインのレイヤー構成の例

以下のようにキャラクター関連レイヤーは、『スケッチ(下書き)』と『着色』、『明暗(光と影)』、『線画』『ハイライト』と『後修整』で構成されています。あくまで例なので、自分のやりやすい構成にするとよいかなと思います。

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早速下書きをしていきます。
※動画は説明用なので、絵は適当です。

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下書きが終わったら線画を書いて、色を付けます。線がまとまってない線画は色付けの際、色がはみ出たりするので、しっかりと線画を描くようにすると、着色が楽になります。

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キャラクターの顔の右にあるように、

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こういう感じで使った色を付けておくと、実際に原稿作業に取り掛かる際、それらを使って作業できるとのことです。

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ある程度ベース塗りが終わったら明暗(光と影)表現していきます。普通は紫系の色や青系の色を使うとのことです。この動画では紫系を使って影を入れ、光の差す方向も矢印で表現しています。
さらに一番明るいところを表現する作業・ハイライトを入れて立体感を出していきます。

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※適当な絵ですがハイライトを入れることで立体感が出てきます

そして最後に後修整(オーバーレイ)を入れて、仕上げます。

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フォルダやレイヤーに名前を入れていますが、こうして一つ一つ書いておくと後で分かりやすく、分業する際にも便利です。レイヤーの多い時も便利なのでちゃんと名前を付けておくとよいでしょう。
スケッチ段階では、何かを具体的に描こうとせず、設定画のテキストを具体化させようとすることが大事です。
このようにキャラクター設定はwebtoonの原稿制作に取り掛かる際の作成マニュアルのようなものになります。

またどこかでフーモア内で作ったドキュメントなどを公開できるタイミングがあれば、こちらで公開していきたいと思います。


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