#2 - Robert Ryman "Robert Ryman: 1961–1964" (David Zwirner)
ロバート・ライマンの展示があるから、と夫に連れて行かれチェルシーに行った。
数年前に、同じDavid Zwirnerギャラリーの違うロケーション(34 East 69th StreetNew York New York, 10021)で、"The Last Paintings"という、彼の晩年の作品にフォーカスした展示に行った。ロバート・ライマンの展示に行くのはそれ以来かもしれない。
今回の展示は彼のキャリア初期である1961年から1964年に作られた作品を展示していた。白いペイントに布地のエッヂが見えているような、よく知られている白めの作品とは違って、もっとプレイフルで好奇心を追求したような作品群だった。見たことない作品ばかりだった。
ペイントと支持体の絶妙な関係性・物質感とタッチ、一筆一筆の意図性、ペインターによるペインターのための絵画(とでも言いたくなるような作品)を作っているロバート・ライマンだが、この初期の作品には彼の卓越した技術を駆使して、「さて、どう君達を驚かせてみようか」とでも言うような創意工夫と遊び心を感じた。
サインがかわいかった。
この作品の、四角く線が引かれている部分はチャコールで描かれているが、線が妙に柔らかく、フリーハンドで描いたのではないかというような印象を受ける。地はリネンだが、茶色が濃い。四角の中の薄茶色に塗られた部分の方が現代の私が思っているリネンの色に近いと思った。
こ、これは、すごくいい。(私のスマホで撮っただけの写真では伝わらないかもしれません)地に塗っている白が、どういう形をしているのか、いまいちわからない。なかなか巧妙な作品ではないか。モリッとした筆の跡と、フラットな白、リネンのアースカラー、垣間見える緑色、全部がマッチしている。タイトルが"Chinese Painting"というのも気になる。
横からこの絵を見てみると、なんと角だけ白を塗ってない!角だけ優しく塗り残している。この角の塗り残しが出す茶色いラインがこの作品のバランスをとっているようだ。
よくみるとオフホワイトでサインが。一目では気が付かなかった。
上の作品は2つ目の展示室にあった作品。なんだかこれはほとんど白いけど、すごく落ち着く絵だった。これはずっと眺めていられる。
最後の部屋は、より実験的な雰囲気だった。
特に気になったのは下の作品。
1つ1つのピースが個別に壁に取り付けられている。
これもなんかかわいい作品だなと思った。
こんな作品もあった。
アルミニウムの板を、サンディングして所々マットにしているのは、ロバート・ライマンらしいタッチだと思った。
*写真は全て私が現地で撮ったもの。
(ちょっと暗くなってしまっている。)
そういえば、今回の展示にあった鉛筆で描かれたマス目は、どんな意図があるのだろう。その辺詳しくないので、知っている方がいたら是非コメントで教えてほしい。
余談だが、ロバート・ライマンの息子はコーディー・ライマン(Cordy Ryman)といって、現役のアーティストだが、ART CAKEという招待制のアーティスト・イン・レジデンスも運営し、才能あるアーティスト活動の場となっている。
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ニューヨークで学びアーティストとして活動するための資金とさせて頂きます。