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艦女バトルライン

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ジャンププラス原作大賞に応募した作品です。
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『艦女バトルライン』第七話

『艦女バトルライン』第七話

ケハラの丘・精霊鉱採掘場
「んっ…」
ドレスを着た女性が目を覚ます。
(「人間軍ミノス方面軍元帥・ローレライ」と
 改めて説明書きを入れる)
「目を覚まされましたか」
目を覚ましたのは傾いた飛行戦艦の甲板。
飛行戦艦は灯りのない石の建造物に突き刺さり、
崩れかけた壁面から光がさしている。
少し離れた位置でサイレン中将が
マコトたち第一艦隊の面々を手当てしている。
第一艦隊の面々は皆意識が無いように

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『艦女バトルライン』第六話

『艦女バトルライン』第六話

艦橋だった物に仰向けで背中をあずけるムサシ。
その奥で艦橋の機器類と格闘するローレライ。
マコトとキョウジの後ろに座り込むナガト。
そして忍者刀を構えたリザードと、
それに相対して立つマコトとキョウジ。
三人の周囲を轟々と風が吹き抜ける。

「異邦人、ここは引け」
「は?」
唐突に言うリザードに不意を打たれるキョウジ。
「私の目的はその艦女二人だ。貴様らではない」
「へぇ…」
キョウジの表情が怒気

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『艦女バトルライン』第五話

『艦女バトルライン』第五話

ミノス諸島北部・上空
「カ〜ッカッカッカ!最高の気分だぜ!」
船首に立ち腕を組み高笑いするムサシ。
マコトたち四人は飛空戦艦に乗っている。
周囲には一般兵や少年兵の船員もいる。

キョウジはコマンドウォッチを起動させて、
中空の映像に向かってしゃべっている。
「マルロクマルマル、天気は快晴。
 俺たちは拿捕した飛行戦艦で
 ミノス北部戦線に向かっている。
 ここの拠点を落とせば、
 タウルス軍の本

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『艦女バトルライン』第四話

『艦女バトルライン』第四話

第二拠点・軍病院最上階の病室
うつろな目のムサシがベッドに横たわる。
「やれやれ、ウチの主戦力が病気療養か…」
花束を持って病室に入るキョウジ。
花瓶の花を手慣れた手つきで変える。
棚には子供達とムサシとナガトの写真。

扉絵・アニメ系イラストのように、
寮の大部屋で思い思いにくつろぐ
トルーパーズ。

「何?この忙しい時に探し物だって?」
第二拠点・参謀室。
司令官参謀のミツヒデ名誉少将のデスク

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『艦女バトルライン』第三話【週刊少年マガジン原作大賞連載部門応募作品】

『艦女バトルライン』第三話【週刊少年マガジン原作大賞連載部門応募作品】

星の明るい夜。荒れ果てた島の集落。
ムサシは獣人族に連れられ、集落の中を歩く。
人気は無く、かがり火がかかげられている。
生えているヤシの木は焼け焦げ、
茅葺きの住居はところどころ崩れている。
「あー、なんか悪いな。
 さっきの戦闘に巻き込んじまったか?」
頭の後ろで手を組み、悪びれもせず言うムサシ。
「建物に大きな被害はありませぬよ…
 火事も大事になりませんでしたしのぅ」
「おぉ、そうか?」

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『艦女バトルライン』第二話【週刊少年マガジン原作大賞連載部門応募作品】

『艦女バトルライン』第二話【週刊少年マガジン原作大賞連載部門応募作品】

人間軍拠点・予備作戦会議室
「こちらがお二人の手帳です。
 お召し物、よくお似合いになっていますよ」
軍服を着たマコトとキョウジが
浅黒い肌の少年兵から軍隊手帳を渡される。
二つの手帳には名誉少佐、と書かれている。
「えっと…トルーパーズ、でいいんだっけ?」
マコトが少年兵を指差して言う。
「はい、我々のことは
 軍需品の一種だと思っていただければ」

扉絵・カジノの一室、
兵棋の山の前で高笑いす

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『艦女バトルライン』第一話【週刊少年マガジン原作大賞連載部門応募作品】

『艦女バトルライン』第一話【週刊少年マガジン原作大賞連載部門応募作品】

雨が降りしきる山間道路。
二人の青年が側溝にはまった猫を助けていた。
二人は合羽を着ていて、
タレ目で長身のキョウジが懐中電灯を照らし、
童顔のマコトがやさしく足を取りはずす。
「よし!外れた!」
猫はぴょーんと車道の中央に飛び出す。
「おい、危ないぞ!」
つられて車道に出る二人。
猫はしれっと道路の向こう側に去っていった。
「ふぅ…」
ひと息ついて見上げると巨大なトラックが。
立ちすくむ二人。

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『艦女バトルライン』あらすじ【週刊少年マガジン原作大賞連載部門応募作品】

『艦女バトルライン』あらすじ【週刊少年マガジン原作大賞連載部門応募作品】

 人間と獣人が戦争をする世界。そこへ212X年の地球から人間軍の援軍として異世界転移した大学生改造兵士マコトとキョウジは艦女(かんじょ)と呼ばれる人間軍の少女とバディを組まされる。
 転移した世界の歴史を変えないために正体を隠すマコトとキョウジ。艦女として与えられた力を使って傍若無人にふるまうムサシとナガト。
 正体がバレて一騎当千の戦闘力で日常的に殴り合いの喧嘩をしながら地球の別の兵士や別の艦女

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