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ダンス教室に行って3ヶ月で辞めた話
私はダンスを見ることが大好きだ。
小さい頃、地元の札幌では毎年6月によさこいソーラン祭りがあり、毎年沿道まで見に行って、決勝に残ったチームはテレビ中継されるので、家に帰って決勝の全チームの演舞を見るくらい。
私の推しは平岸天神というチームで、エネルギッシュな踊りで元気をもらっていた。
高校時代はダンス部があり、学校祭で踊っている彼らを見て、
いいなぁ格好いいなぁ、と遠目で見ながら心は踊っていた。
大学時代にもダンスサークルはあり、友達が出演するイベントの発表会を見に行って、友達が踊っている姿を見て感動した。
私もこんな風にいつか踊りたい…!!
音に乗って全身で楽しく表現できたらどんなに楽しいんだろう…!!!
と思っていた。
なかなかダンスをする機会には恵まれず社会人になった私だったが、
上京してお給料を貰えるようになり、月に自由に使えるお金が手に入った。
これはチャンスではないか。
今ダンス教室に行けるのではないか。
と思った私は早速ダンス教室を探した。
初心者大歓迎!楽しく踊りましょう!
という私にピッタリの言葉を見つけて申し込みした。
池袋にあるダンス教室に行き、まずはお試し体験。
私が選んだのは、密かにいつか踊ってみたいと思ったいた、HIPHOPダンス。
初心者コースで参加している人は皆、本当に初めての人たちみたいだった。
そして始まったダンスレッスン。
まず何をするのかというと、ダンスの基礎であるアイソレーションというもの。
独立や分離を意味して、ある部位だけを動かす。
例えば体は動かさずに頭だけを動かす、のようなもの。
なるほどなるほど。
頭ではわかっていても全く体がついてこない。
私はただ頭をぐるぐる回す体操になっている。
目の前の鏡に映る自分は先生と全く違う動きをしていた。
周りの参加者は皆それっぽくできていた。
あれ、私だけ?できてない?
次はちょっと音に合わせて踊ってみましょう、というもの。
振り付けを何パターンか覚えて、音に合わせて踊ってみる。
スローで先生がやったことについていくのに精一杯で覚えることができない。
ではゆっくりですが、音に合わせてやってみましょう!とはなったものの、全くついていけず。
では一旦休憩でーす!
という先生の言葉とともに膝から力が抜けた。
なんで私はできないんだ。
なんで周りの人はできてるんだ。
初心者って本当の初心者じゃないのか。
私がリズム取れないだけなのか。
悔しさと恥ずかしさばかりを感じて、全く楽しくない体験レッスンが終わった。
でも続けていたら上手くなるかもしれないし、と思い継続することを申し込みした。
だがしかし、次のレッスン。
あれ、ちょっとレベルが上がっている。
まわりのみんなが前より踊れている。
私の進むスピードがゆっくりなのか、はたまたみんなの理解のスピードが早いのか。
次のレッスンでも私が1番踊れていないことが明確にわかった。
そして私は次のレッスンはお休みした。
そして私は休みがちになる。
よし、次こそはと思い参加したレッスンでは、もう参加者同士のグループができていた。
私はそのグループに入ることができなかった。
より一層孤独に感じたレッスンは、予想通り全く踊れず、楽しくなかった。
私はレッスンで習ったことを家で練習したりしていなかったので、踊れない原因はもう明らかにわかっていた。
そして私はダンスをする時に、振り付けを間違えないようにしなきゃ、音に合わせないといけない、ということばかり考えてしまっていた。
そして私はここで悟った。
自分がダンスをするのは向いていない。
ダンスは見ているのが1番楽しいのだと。
そのレッスンの終わりに私は退会することにした。
もう少し続けるべきか、始めたならもう少しやってみて考えようとか色々脳内会議が行われたが、もう私は諦めることにした。
入会して3ヶ月。とても早い決断であったが、続けても上手くならないと感じた。
案の定、スタッフからはもう少し続けてみましょうよと言われたが、私の意思は固かった。
申請する理由は考えて、
「引っ越しをするからもう通えない」と書いた。
もちろん引っ越しはしないし、なんなら東京に引っ越してきたばかりだし、嘘を書いたのだが、私はダンス教室を諦めた。
逃げるは恥だが役に立つ。
うーん、私はただ逃げた。
特に何も役には立っていない。
しかしただ逃げた私でも、一回やってみたことで見切りをつけることができたのは役に立ったのかもしれない。
ダンスをしてみたいと思って始めたものだが、実際に踊ってみて、私は全く踊れないことがわかった。
踊れないというよりセンスがないと言ったほうがいいかもしれない。
これはやってみないとわからなかったことなので、挑戦したことは後悔していない。
そしてより一層ダンサーたちがいかに凄いかがわかった。
全身を使って表現する素晴らしさ、センスや才能があることを。
社会人一年目でダンス教室に通ってから3ヶ月もしないうちに辞めて、自分がダンスをすることは諦めたけれど、
私はダンスを見ることは大好きなので、これからもダンサーへの尊敬を持ちながら見続けていきたい。
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