コンプレッサーが持つマジックについて モノラルコンプ編

デジタル全勢の今、なぜアナログの実機を使う必要があるのか?考えたことは思いませんか?
プラグインのほうがCPUやDSPのパワーが許す限り挿せるし、格段に音質が向上していてブラインドテストしたら下手したらわからない差になっているものも少なくないですよね。

僕が考えるになんでもアナログだから、トランスが入っているから、真空管が入っているから良い、デジタルでノイズがないから良いとかいう考えはもう捨てるべきです。
メリットデメリットを考えてデジタルとアナログのいいとこ取りをしていけば良いのです。

今回テーマにするアナログのコンプレッサーについては音のピークを叩く、均すというコンプレッサー本来の役割とは違った視点のお話しです。
使うだけで魔法が掛かり、大きな感動を感じる、そんな機材をご紹介しようと思います。


アナログコンプを使うメリット

そもそも何のためにアナログコンプを使うのか?また、掛け録りのメリットについて解説していきたいと思います。

そもそもレベル管理はプラグインのほうが何倍もやりやすいです。当たり前ですが日によって左右がずれることもないし、0.1db単位で管理できる。ダイナミックEQなんかを使えば狙ったとこだけを叩けるし、組み合わせも無限です。

しかしながら私が主張したいことは「アナログコンプの一番の役割はピークを叩くことではない」という話です。
むしろピークを叩く過程で生じる歪みやキャラクターの変化を重要視しています。
つまりコンプをディストーションとトーンコントローラー(EQ的なキャラ付け)のバリエーションとして見ています。
ミックスをされる方にとっては当たり前ですが、EQによる位相の変化って過度なものだと気持ち悪く感じます。アナログEQでは多少無理は効くものの限度がありますよね。
すごく簡単に言うといいコンプを使えばいい感じに歪んで抜けてくるし、美味しい帯域が強調されて、いらない部分の帯域が減りますよという話なのです。
このnoteはマイク、HA、コンプの組み合わせで、狙ったトランジェント、周波数バランス、トーン、立体感、歪感を実現できる!(実現に近づけよう)という話です。
上記のためにコンプを掛け録りするのが最短ルートなのではないかという考えをを元に以下の話を進めます。

漢は黙ってコンプ掛け録りです。
ミックスの一番の勝負は録りです笑
ADコンバーターまででどこまで音を作り込めるかで最終ミックスのクオリティが大きく変わります。

メリットその1
狙った方向性の音が1発で決まる

上記でも説明した通り、1つのコンプって中にいい感じのディストーションといい感じのEQとトランジェントシェイパーの3つの組み合わせがプリセットして組んであるのを想像頂けるとわかりやすいかと思います。動作方式がFETなのかOptoなのかVCAなのかで大きく変化します。
要はコンプの使い分けについて考える時にこのトーン、ディストーション、トランジェントの3要素のついて適したものを考えれば最適なチョイスが導けるであろうと考えます。
ソースとなる楽器の音の3要素をどう変化させたいかによって考えればよいのです。

メリットその2
プレイヤーが演奏しやすいモニター環境に

レベルが安定し、音の方向性が明確になることで、より完成品に近いイメージで演奏を行うことができるようになります。
正直安物のコンプをモニターにかけるくらいならない方が良いと思いますが、ミックスで掛けることを想定しているなら最初から掛けているほうが最短ルートです。ただしかけすぎ注意なので常にインプットゲインについては気を使った方がいいのですが、、、

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