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㊗️春休み旅行


1月末に春休み祝いで行った秋田・青森旅行で泊まった宿が館内全面撮影禁止・スマホ圏外で、こまめにツイートできなかったので1つの文章として書き留めることにする。今回の旅行でnoteを書かないならいつ書くんだという感じ。


まず、この旅行を予約したのは12月29日だった。ANAキュンだったのだろうか、大館能代〜羽田便のパッケージツアーが1.5万円引のクーポンが出ていた。普段ならマイルで飛ぶ方が安いという理由でスルーするのだが、大館能代空港は片道5000円/往復1万円のキャッシュバックキャンペーンをやっている。往復飛行機+1泊朝付34,900円⇒クーポン利用後19,900円⇒キャッシュバック後9,900円ということになる。大館は訪れたことがなかったし、以前から行きたかった温泉があったので、クーポンを知った15分後には予約と支払いを完了させていた。




そして1ヶ月後の1月29日、期末レポートをはじめとするやることを一通り片付けた状態で迎えた春休み。しかし、ANAから届いたのは「雪のため天候状況を調査しています。」とのメッセージ。
私は「天候調査中」との相性はイマイチで、
下地島(宮古島):条件付運航→那覇経由に
対馬:欠航
鳥取:条件付運航→鳥取到着
富山:欠航
と4戦で1勝1分2敗という感じの戦績だった。
欠航になったら、次の便に振り替えたりJALで青森空港に飛んだりはせず今回の旅行は諦めようと考えていた(旅費が倍になるうえ行きたい場所も十分に行けなくなるため)。
そして当日8時に出た天候調査の結果は「条件付運航」だった。着陸できない場合は羽田に戻る。



東京はしっかり快晴なのになぁ〜と思いながら、割と席に余裕のある大館能代便に乗り込む。

左側の窓際座席に座っていたので、飛行機からは富士山、レインボーブリッジ、東京タワー、オーシャン東九フェリー、スカイツリー、関宿城、渡良瀬遊水地、会津盆地あたりがしっかりと見えた。

会津のあとはずーーーーっと雲の上を飛んでいた。降下体制に入り、雲を抜けると雪原と白い森が広がった場所の上を飛んでいた。少し晴れ間も見え、雪はほぼ舞っていない。風による揺れもほぼない。天に味方してもらい無事に大館能代空港に着陸した。これで条件付運航の勝率は五分に戻った。


ANAの羽田便が1日3往復飛んでいるのみの大館能代空港は、木が印象的な小さめの空港だった。予定より5分早着で、バスまで20分あったが帰りも時間が余るので空港の散策はパス。

大館能代空港からはリムジンバスで移動。大館方面のバスと能代方面の乗合タクシーがある。私はバスを利用したが、終点の大館まで乗ると割高なので途中の鷹巣で降り、そこからはJR。

ここで想定外の事態が。このあと使う予定の奥羽本線は除雪が追いつかず大館〜弘前〜青森で運転見合わせ。大館〜弘前はJRしか通っていないのだが代行運転はしないとのこと。しかも11時の運転再開予定が13時に変更になったとか。頼りにならない。信用できない。どっちみち大館まで出ないとタクシーも拾えないので、とりあえず大館に行ってお昼を食べてから考えよう。

この日のお昼は大館の名物駅弁を扱う花善の鶏めし出汁茶漬け。

シンプルな代わりに620円と良心的な価格設定。美味しい。鶏のひつまぶしという感じ。普段食べるのが遅い私も、あっという間に完食してしまった。


宿の送迎場所までの代わりの行き方を見つけたが、まだバスまで時間があるので大館駅前で時間を潰す。秋田犬の里という場所を訪問。秋田犬をもっと知ってほしいということで、無料で見ることができる。ありがとう大館市。お礼に大館銘菓のミニバナナと秋田犬ストラップを購入。

元祖忠犬ハチ公…?




JR運転再開してるかな〜と思い、大館駅に戻るとつがる4号運休のお知らせが。うーん、怪しい予感。多少遅れても間に合う旅程にしてあるが、奥羽本線は信頼できないので、並行している路線バスで県境まで行き、あとは40分くらい歩いてなんとかすることに。結局最後に信じられるのは自分の足。

5分遅れて来たガラガラのバスに乗り込み、終点まで。なーんもないかと思っていたが、降りたところに大館矢立ハイツという温浴施設を発見。調べてみると源泉掛け流しの日帰り温泉(400円)があったので、冷え切った足で歩くのを避けるためにも入浴。ナトリウムカルシウム塩化物泉で、晴れた空と積もった雪を見ながら入る露天風呂はなかなか良かった。


全身ぽかぽかの状態で峠越えの雪中行軍スタート。

歩き始めてすぐ県境。お久しぶりです、青森県。経験値が低い頃は、沖縄県と青森県は飯がまずいと思っていたが、それはたまたまハズレを引いただけで、ちゃんと調べて選ぶようになってからはどっちも美味しい料理にばかり出会えている。国道なので車通りが多いのだが、冬に県境を歩いて越える人はほぼいないので歩道など存在しない。仕方なく車道の端を歩く。途中で比較的新しそうな建物のある集落を見つけるも、道も人が住んでいる気配もない。なんだったんだあれ。

そんなことを言っているうちに津軽湯の沢駅に到着。冬季は全列車通過の駅。だが、私が今回泊まる宿の最寄駅はここであり、送迎もここの駅までしかやっていない。予定より早く着いたので駅待合室で時間を潰し、送迎車(日産の高そうな車)に乗って山道を進んでいく。

雪の中を走ること10分、本日のお宿に到着。

日本国内に50箇所くらいある、"最優先で行きたい場所リスト"のうちの1つであり、今回の旅のメインである。日帰り入浴もやっているので、車が何台か泊まっている。チェックイン時に食事の時間、入浴可能時間、明日の朝の送迎とバスの時間を教えてもらう(帰りは宿を9時前に出て岩渕公園前9:20のバスの選択肢しかないらしい)。
夕食は17時15分。少し早いけど、お昼少なめだったし、まぁいける。
ここの宿はどのスマホでも圏外という話は聞いていた。だが、それ以外の想定外が2つあった。
嬉しい方は、全国旅行支援の対象だったこと。ネットに記載がなかったのでここの宿はやってないものだと思っていた。2000円くらい安くなって、2000円の紙クーポンが付いた。
残念な方は館内全域撮影禁止。浴室はもちろん、部屋も、食堂も。そんな宿は初めてだ。どうやら警察が来る事態にまで発展した客同士の揉め事が何度もあり、苦渋の判断でこうなっているとのこと。仕方ない。

とりあえず、今なら温泉が空いているとのことだったので着いてすぐ入浴。湯量がハンパないと聞いていたので楽しみにして来たが、噂通りの温泉だった。500L/分(8.3L/秒)の湧出量の温泉で、2Lのペットボトルに置き換えても1分間に250本分(1秒間に4本以上)採れる。恐ろしい。
泉質はナトリウムカルシウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉らしい。人が浴槽に入るたびに浴槽の外に豪快にお湯が流れ出す。ちなみに飲泉も可能。


16時過ぎ、既に暇を持て余す。部屋にテレビがあることに気付いたので点けてみるも、地デジ化前のテレビで全く映らない飾りみたいなものだった。ここは外の世界とは完全に切り離された、温泉好きが温泉のことだけを考えて過ごすための場所なんだな〜と実感。


夕飯のメニューは
・きりたんぽ鍋
・銀鱈の西京漬
・平川サガリ
・大鰐モヤシ
・何かの魚の昆布締め
・ご飯
・味噌汁
・天ぷら
・ネギと大根に梅かけたやつ
・お漬物
民宿の夕飯って感じのお腹いっぱいメニュー。
ご当地のものがたくさんあって最高だった。

冬の旅行にあると嬉しい「雪」「鍋」「温泉」の三要素が全て揃っている。なんて贅沢なんだ。


聞いたところによると、他の宿泊者2組のうち片方は大館能代空港を利用してここに泊まるためだけに来てすぐ帰るとのこと。


部屋に戻るとストーブが消えていたのでエアコンをかけたが、外気がマイナス10℃くらいなので冷気がエアコンから出てくる。おかしい。仕方がないのでストーブをもう一度つける。


19:30、本日3度目の入浴。
ここまで、宿到着→入浴→だらだら→入浴→夕食→note執筆→入浴→note執筆という感じである。まだ20時。夜は長いぞ。
1人で寂しいが、電波がなくてはスペースも開けないのでサカナクションどばどば垂れ流してる。光はライターの光、揺れてる、揺れてる。


やることが本当にない。おやつを食べるか、資格の勉強をするか、卒論のテーマを考えるか、自己分析をするか。もしかすると、やることはたくさんあるのかもしれない。だが、大事なのはメリハリ。旅行は大事なお休みの時間なので。

21時、アルフォートを一欠けだけ食べ、最後にもう一度だけ入浴し、就寝。炭酸泉だからか、身体が温まる。おやすみ。




青森の朝は寒い。ストーブは一酸化炭素中毒防止のために切れてしまい、寒すぎて目が覚める。マイナス10℃くらいの外と同じくらいの寒さなのではと思うくらい寒い。仕方がないので暖房をつけ直し、寝る。部屋が寒すぎて流石にエアコンの風も暖かく感じる。

やることはないが6時半に起床。9時間くらいは布団に入っていた。朝一番に入浴。一泊で5回目の入浴なんて人生最初で最後ではないだろうか。

朝食は
・ご飯
・ホタテの味噌汁?
・納得オクラとろろたまご
・キッシュ
・鮭
・生ハムサラダ
・味付け海苔
・なめこの何か
・りんご煮
朝からお腹いっぱい。


9時に宿を出発。良い天気だ。マイナス12度なので路面は至るところで凍結。珍しく電車が遅れず動いていたのでバスを途中で降りて弘前へ。
10時15分くらいに弘前に着いて、確か黒石行10:30発があったよな〜と思い行ってみると「点検作業のため運休」とのこと。しかも10:50発だった。



岩木山が見えるうちに乗りたかったが、ここは弘前観光を午前にシフトさせよう。ということで駅前にいた100円バスに乗って市役所前まで。3年連続4度目の弘前城。都市の経由ならよくあるけど、史跡の訪問で3年連続はなかなかない。追手門から天守まで遠いな〜〜〜。しかも天守は冬季休業。まぁそこそこ綺麗な岩木山が見えたので🆗。



弘前城公園に満足したので津軽藩ねぷた村へ。前回弘前に来たとき寄った居酒屋で入村券をいただいたのだが、前回は寄る時間がなかったので今回訪問。立派なねぷたと丁寧な解説、太鼓叩き体験、プロの津軽三味線生演奏と満足度の高い観光施設だった。



弘前駅に戻り、今度こそ黒石へ。黒石は桃鉄に出てくるが、つゆ焼きそばの印象しかない。重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)があるのだが、まぁ重伝建は場所によってピンキリなのであんまり期待していない。

着いたらまずは昼ご飯。宿でもらった地域クーポンの使える店でお昼を済ませたかったので、黒石やきそば専門店 すずのやという店を訪問。化け焼きそばという、最初焼きそばで食べて自分の好きなタイミングでつゆ焼そばにできるというメニューがあったのでそれを注文。うどんのような麺。食べてみた感想は、ソース味の焼きうどんという感じかな。途中で熱々のつゆを足してつゆ焼そばに。700円という価格設定も妥当な感じ。

昼食を食べて、帰りの電車までまだ時間があったので重伝建を散策。黒石市中町は店の軒先に庇があり、雪でも歩きやすい。

思っていたよりもかなり雪深い町だった。超車社会なため路上駐車が多くて残念。街歩きしながら黒石駅に戻る。

黒石からバスも出ているので単振動回避は可能なのだが、弘南鉄道黒石線+大鰐線の1日間を買った方がお得なので黒石線で戻る。一面中雪原だが、時期が違えば田園風景だったんだろうなぁという景色。このあと乗った大鰐線はりんご畑が多い印象だった。

14時半くらいに弘前に戻ってきた。弘前も黒石も観光したが、まだ宿に向かうには早い。というわけで行きたい飲食店リストのピンを回収することに。弘前といえばアップルパイ。雪道を20分近く歩き、アップルパイを購入。そして中央弘前駅に向かう途中に大学芋も購入。以前は中央市場にあったが、閉場のため移転したらしい。100g180円で、おやつにはピッタリだった。

大鰐線で移動して、乗換時間に鰐の湯という温泉へ。町営の公衆浴場ではなく、スーパー銭湯のような町営温泉。普段なら公衆浴場でも良いのだが、大鰐温泉は源泉が70度以上あり、3つある公衆浴場はどれも43度前後のため40度くらいの温泉がある鰐の湯へ。備え付けのシャンプーやドライヤーもあり、良い温泉だった。

大鰐から奥羽本線に乗り、大幅な遅れはなく大館へ。この日の宿はルートイン大館。大浴場付いてるの忘れて温泉入ってきてしまった。あんまりお腹は空いていなかったのでスーパーへ。夕飯はサラダとアップルパイでいいかな〜と思いながら向かったが、1人用のきりたんぽ鍋や鶏めしが置いてありご当地のものを夕飯にしたいな〜と思う。店内を徘徊していると工藤パンのイギリストーストを発見。ジャリ増しではなかったが、黒石や弘前よりも安く売っていたので購入。更にバナナボートも発見。しかも色々な種類がある。ノーマルとチョコは有楽町でもみたことがあるが、いちごやフルーツも売られていた。しかも結構な量が。ご当地パンに大満足した私は、イギリストースト、バナナボート(チョコ)、アップルパイ、牛乳という甘党の朝食みたいな夕飯を用意してしまった。

どれも美味しく、今回の旅行は観光地だけでなくご当地グルメも全て食べたかったものを食べることができたので大満足。




最終日はどこも観光せず帰るのみ。ルートインはドーミーインほどではないがご当地朝食があり、ホテル毎のメニューが用意されている。だが、大館のルートインはあまりご当地色のない朝食で少し残念だった。(お米はあきたこまちが使用されていた)

帰りも大館能代空港を利用。非常にコンパクトな空港で、レストランとANA FESTAはあるが保安検査場通過後はショップもなく少し寂しい。この規模の空港は対馬空港くらいしか使ったことがないかもしれない。小さい空港なのでしっかり定時出発 定時到着。素晴らしい。


羽田からは木更津まで高速バス使うよりも東京まで電車で出る方が1000円以上安いので、帰り道は遠回りをしながら。糀谷の町中華で炒飯。スープ(ラーメンの汁)も美味しかった。


いやぁ、もう最高。冬の旅の最高傑作。
正直、列車の遅れや天気の変化を考えると過去の私にはハードルが高い旅だったと思うので、経験値を積んでから来てよかったなと思った。

来年の春休み祝い旅は、これを上回ることができるんだろうか。楽しみだ。ほな、また。

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