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型・その1 応用型(2)④(寒波来る・吹雪)

上五〔季語+や以外の切字or活用の終止形〕・下五〔名詞or動詞or形容詞など

二物衝撃:中七・下五は、上五の季語とは全く関わりのない内容。


寒波来かんぱきぬ退職届提出す

季語:寒波来る(晩冬)


吹雪なりドミノ倒しの青きぱい

季語:吹雪(晩冬)



     ・・・・・

一句目、動詞ふたつ。少しばかり韻を意識してみたのでセーフ?
二句目は、下五あれこれ迷ってのこの着地。


追記1
一句目、寒波来かんぱき、は、
連用形+完了の助動詞「ぬ」の終止形

「寒波が来た」の意味

であり、

未然形+打ち消しの助動詞「ず」の連体形「ぬ」
(この場合の詠み方は、寒波来かんぱこ

「寒波が来ない」の意味

では、ありません。

追記2
新版角川俳句大歳時記「冬」に以下の例文あり。

寒波きぬ信濃へつゞく山河澄み 飯田蛇笏
寒波来ぬ職員室の鍵の束 辻内京子

もし、上五の「寒波来ぬ」を、「打ち消しの、ぬ」とすると、季語そのものの打ち消しとなり、非常に不自然ということになります。



お時間がありましたら、詠んでみてください。

「切字」や「型」に拘らず、自由に詠んでくださっても、また、私の使った季語で詠んでくださっても全くかまいません😊

※決してお題(必ず詠む)ではありません。

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