しりとり俳句㊲
冬の季語から春の季語への移り変わりの回です。
やはり、春の季語は明るいですね!
そして、恋愛話シリーズ・節分シリーズがあります。
しりとり俳句ならでは!
第37回は、1/29~2/5(771~793)全23句。
771. カタコトと手押し車や冬うらら
冬うらら(三冬)さ
772. ライバルと二人羽織や夜鷹蕎麦
夜鷹蕎麦(三冬)し
773. 売店の手袋ぬつと宝くじ
手袋(三冬)ち
774. 九時の集合までホットドリンクス
ホットドリンクス(三冬)さ
775. 燻りし悔しき思ひ砕氷船
砕氷船(晩冬)し
776. 煎餅を割らぬ人生寒の内
寒の内(晩冬)ち
777. 打ち明ける恋愛話春近し
春近し(晩冬)さ
778. 菓子折りを添へて三つゆび寒桜
寒桜(三冬)し
779. 暗きよりお色直しの白き足袋
足袋(三冬)ち
780. 旅の終はりに出す葉書さざんくわ
山茶花(初冬)さ
781. カタルシス効果の女神冴る月
冴る月(三冬)し
782. 次の日は単発バイト鬼やらひ
鬼やらひ(晩冬)ち
783. 来客も桝を持たされ鬼は外
鬼は外(晩冬)さ
784. 外面のよき人さらり福は内
福は内(晩冬)し
785. 宇宙までいつきに飛ばす大嚔
嚔(三冬)ち
786. さめざめと泣くも笑ふも冬終る
冬終る(晩冬)さ
787. 悪ふざけする年をんな高笑ひ
年女(晩冬)し
788. ライターの春めくペンを一行目
春めく(初春)ち
789. 梅見なり一眼レフのカメラ持ち
梅見(初春)さ
790. 持ち寄りのおかず大ざら長閑なり
長閑(三春)し
791. 鳴りひびく予鈴ゆるやか春はじめ
春はじめ(初春)ち
792. しめつぽい話は抜きに山笑ふ
山笑ふ(三春)さ
793. ウクレレをぼろろんろんと月朧
月朧(三春)し
・・・・・
ただいま、紫乃の朝俳句では、藤田湘子先生の書「20週俳句入門」での型の練習をコツコツとしています。
「型にはめる」という詠み方、自分としては嫌いじゃないのですが、やはり脳みそはカチカチ(笑)
なので、このしりとり俳句では、その反動なのか、前よりは柔軟に、そして、少しは弾けられるようになった気がしています。
硬く詠んだり、
柔らかく詠んだり、
お題に沿って詠んだり、
そんな、いくつかの方法を繰り返していくうちに、自分らしい俳句とはどんな俳句だろう、そして、これからはどう詠んでいきたいのだろう、を少しずつ掴んでいけたらいいなあと思います。
今週の紫乃セレクト。
さっちゃん
旅の終はりに出す葉書さざんくわ
下五に、なにげなく添えられたような、さざんくわ。
さっちゃんご自身、「語順は逆だ」とひとことありましたが
山茶花や旅の終はりに出す葉書
例えば、順当なおさまりのよい、この語順より、元句の方が、ぐぐっと山茶花が生き生きと見えてくると思うのです。
それと同時に、旅の終わりに出す葉書も、誰に出すのか、どんな内容なのか、どんな旅だったのか、などなど、想像が広がるようにも思いました。
ちりちゃん
ライターの春めくペンを一行目
大嚔の御句と迷いましたが(笑)こちらを。
下五の「一行目」という具体的な着地が非常に効いていると思いました。
春めくペン、で書かれる文章の最初の一行目、きっと明るい穏やかな春を思わせる、くだりなのだろうなあ、と。
そして、春めくペンで、春めくペンの、ではなく、春めくペンを。
この助詞の選び方も、うまいなあと思いました。
カタカナ、漢字、ひらがなの配分も美しく、春、が輝いています!
自選
ウクレレをぼろろんろんと月朧
結構跳んだ句を詠めてはいたのに、選んだのはこちら(笑)
久しぶりに、結構見た目と音がうまくいったなあと思います。
・・・・・
もし心に残る句がありましたら、ぜひ、コメント欄にひとこといただけると、しりとり俳句三名が、バク転して喜びます!
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