麦わら帽子の少女と出会った日 (夏ピリカ応募作品)本文1,182文字
力強い生命力を放つ青々と伸びた草原で、白いワンピースが汚れる事も気にせず、黄色い蝶を追い駆け回る少女の姿は、僕に眩しい程の未来を感じさせた。
目的もなく車を走らせてきた僕は、車を降りてその光景を眺めていた。
すると、少女が被っていた麦わら帽子が風に飛ばされ、空に舞い上がった。
少女は黒い髪を靡かせながら、空を見上げて走った。
やがて麦わら帽子は草の上に落ち、尚も風に弄ばれて僕の目の前に転がってきた。
僕はその麦わら帽子がまた飛ばされる前に捕まえた。
「よかったー。ありがと