初めてリプライをくれた芸人さん

高校生の時にくりぃむしちゅーのANN(オールナイトニッポン)をよく聞いていた。
youtubeもradikoない時代、聞き返すためにカセットテープに録音していた。
「2時になる時にひっくり返さないと全部録音できないから眠れない」
~昭和生まれしかわからないあるあるネタを添えて~

くりぃむしちゅーのラジオには「たとえてガッテン」というコーナーがあった。
毎週出されるお題に対してリスナーがくりぃむ上田のようなたとえツッコミを送ってくるというコーナーだ。
その中でも「どんどん広がっていくもの」に対するたとえツッコミとして
「まえけんのアナルか!」という定番ネタがあった。
登場は一回だけではなくたくさんのはがき職人たちがそのネタをコスった。
そのうち「あっても役に立たないもの」に対するたとえツッコミとして
「まえけんのチンコか!」という派生も生まれた。

そのうちそれが本人の耳に届きまえけんさんがゲストに来たりもした。
ラジオを通して聞くと芸人さんがより身近に感じる。
くりぃむしちゅーのANNリスナーの私にとってまえけんさんはテレビで見る他の芸人さんとは少し違う存在であった。
初めてTwitterで芸能人からリプライをもらったのもまえけんさんだった。2014年6月14日、まえけんさんのお誕生日だった。

今読み返すとそっけない内容ではあるが、その時の私はまえけんさんと直接話せた気になり、とても嬉しかったことを覚えている。同じくりぃむしちゅーのリスナーだった貴彦に報告もした。

今日本テレビでやっている「だが、情熱はある」というドラマに藤井隆さんがまえけんさん役で登場している(前田健ではなく谷勝太という名前だが)。まえけんさんはオードリーがキサラで下積みしていた頃に世話してくれた先輩らしい。その事はオードリーのANNでも以前若林さんが話していた。

そして6/18の放送で藤井隆さん演じる谷勝太が亡くなった。
もちろんわかっていたしドラマの中の時間が2016年に近づく事で覚悟はしていた。
でもドラマだし、もしかしたらウマ娘のサイレンススズカみたいに作品の中では死なない設定にするかも、などと考えていたが、やはり、だった。

「悲しい」それしか考えられなかった。

「人はいつか死ぬ、だから会えるうちに会いに行こう」
「死んでも誰かの記憶に残るよう後悔ない生き方をしよう」

そんなことを考えられないほど、自分はまえけんさんのことが好きだったんだなと思い知らされた。
まえけんさんが亡くなってもう7年。今さらこんな気持ちになるとは思わなかった。
胸にぽっかり穴が開いた。

そう、

「まえけんのアナル」のように

実生活を切り詰めない程度に応援よろしくお願いします