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【メタバース】臨床心理士がVRchatで約300時間遊んで思ったのは、これは役に立つ!と可能性しか感じなかった。

どうも、謎のアラサー女です。最近はVRゴーグルをして、メタバースの1つであるVRchatというゲームにどっぷりゲームを楽しんでいます。ハマっています。
(今年3月頃、4ヶ月前ほどに書いた記事です。今更公開します)

私はただ楽しくて遊んでいるだけなのだけども、つい心理療法的に役に立つか考えるのは、職業病でしょうか。一度遊んでみたら伝わると思いますが、心理療法の特にエクスポージャーや行動療法の治療に可能性を感じる世界です。

まず、私がVRの世界観に感動したことを話します。その次に、どういうところが今後の可能性を秘めているのかお話しします。謎のアラサーのぼやきだと思って聞いてください。


自分の代わりになるアバターを身にまとい、指や頭を動かすと実際に動く。個人が作ったworldに遊びに行くのだが、そこで感じた脳がバグる感覚。没入感が凄い。リアルと変わらない。
ポテチをボタンを押しながら持ち上げ、口の付近で手を離す。そうすると、パリッと音がなる。食べ物を食べる感覚がまずリアルすぎる。本当に食べている気分を味わえる。人によっては満足感を得て、現実世界で食べなくなった人もいる。
同様に、ビールを注いで飲んでる感覚や、タバコを吸ってる気分なんかもある。
高いところから飛び降りる感覚は、本当に恐怖。寒そうな場所では、本当に寒いような気持ちになる。

そして何より、人との距離感が感動。声がどちらの方向からしてるのか、距離によっても声の大きさも変化するため、脳は周りにいるアバターをきちんと人として認識してフィードバックしてくる。距離が近い状態で声をかけられると、パーソナルスペース!って体が反応します。アバターは人だけじゃなく、ケモノと言われる動物のアバターなんかもあったりしますがそれも同様。
リアルの人の顔じゃなくても、身振り手振り、声をたよりに人の気分とか調子とか結構わかります。ああ、今日この人疲れてるんだなぁ、とかね。同じアバターを使っていたとしてもそれぞれの個性がとてもわかります。


ここからは感じた可能性についてお話しします。
患者さんにメリットになる、心理療法にも使えそうだと思いました。
カウンセリングでやってることは割と全般可能ではあるんじゃないかな。

エクスポージャーであれば、対人不安、人前で話すことが苦手な人。強迫性障害。恐怖症。場面緘黙などなど。不安階層表を作り、リアルじゃできないことも手軽に、場面を設定しやすいです。ちなみに仲良くなった人の中で、初対面の人と話すのが苦手だったけども、現実世界でも初対面の人と話しやすくなったという人もいた。ただ、VRの感覚が想像以上にリアルなのできちんと専門的な知識があった上できちんとアセスメントをしてやる必要は絶対だと思う。

場面緘黙においては、場面緘黙を受け入れて生活をしていく方向性と、エクスポージャーして治していく方向性とあるけども、VRの世界ではどちらも可能だと思った。話せなくても楽しくコミュニケーション取れてる人たちがいる。そして、自分の姿じゃなかったら話せるかもという人もいるはずです。
声のボリュームも個々の設定で変えれるし、声が小さくても設定一つで大きくすることも可能。安心して取り組むこともできるんじゃないかな。

そして、行動活性化にもつながる要素。
VRchatでは定期イベントを個々の趣味で開いているので、行動活性化するための習慣やきっかけ作りにもなる。

あとは、趣味の幅がより広がること。
これは個人差はあるけども、3Dモデルを作りたくなって3Dソフトを勉強し始めて、自分のアバター作ったり、自分でワールドも簡単に作れるのでワールド作り、センスの良いものを作るためには建築の知識も必要。
そうやってどんどん世界観が広がっていくかんじも良い。
いろんなタイプの人がいるので、いろんな分野の人との交流もできたりする(これはちょっびり勇気が必要だけども)。

ワールド創りは特に芸術面においても良さそう。
イベントも、自分の得意分野を活かして出来るから自己表現の場が単純に多くて良い。


VRでも心理療法として成り立つのか、有効な治療として現実の対面と行うものと同等なのか、科学的な根拠が欲しい。
カウンセリングもバーチャルな姿でもなりたつのか、対面カウンセリング、ビデオ通話カウンセリング、通話カウンセリングと治療効果は変わらないのか?

臨床で使っていきたいなぁ。

かなり興味深い世界なので、もう一つくらい記事にして語れればなぁと考えています。同業者の方で興味がある方はぜひ案内しますので白いくまに声をかけてくださいな。

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