SES自体は悪くない!悪い企業が多い業界なだけ!
ITを変える元銀行員の川原です!
エンジニアの方、これからエンジニアになろうとしている方で、「SES」と検索しようとして「SES やめとけ」や「SES ブラック」なんていうキーワードが出てきて、「批判的な記事に誘導され、SESでエンジニアになってはいけないんだ・・・」と思い込んでしまっている人いませんか?
結論から申し上げると、間違っています!!
多くある批判的な記事に対してのアンサーは、こちらのコラムで書きましたので、是非ご覧ください!(6000字のちょい長めコラムです)
「SES」というものを正しく理解してください
コラムにも少し書いてますが、SES(システムエンジニアリングサービス)とは何かというと、ソフトウェア開発・運用・保守等において、完成物の納品等を目的とせず、労働力への対価としてお金をいただくサービスのことを指します。その労働力への指揮系統はSES事業者が持つことを前提にしていて、契約形態は「業務委託契約」か「準委任契約」が殆どになります。
一方で、完成物の納品を目的として開発を受ける場合は、請負契約になります(最近では法改正があり、準委任契約に「成果完成型」という似たものができたようですが)。
批判記事の殆どが、「多重下請け」や「偽装請負」についての批判を、「SESはすべて」という大きい言い方をしています。
「偽装請負」にならないように、営業や現場リーダーによる労務管理、指揮統制をしっかり行い、法規(ルール)に乗っ取った、SES企業もちゃんとあります。
クライアント(エンド)や元請けと直接の取引だけど、契約形態が人月単価に乗っ取った契約であれば、「多重下請け」ではないけど、SES取引です!
つまり、批判されるべきでないSES企業はいっぱいあり、SESだからこそ得られるベネフィットもたくさんあります!
そのあたりをちゃんと理解して、皆さんキャリアを選択していただきたいと思っています。
「SES」を批判する人たちの特徴
ちなみに、批判的な記事を書く人たちの殆どが、SESで苦しい思いをして、その後Web企業に転職した人や、SESを批判することで自社に呼び込もうとする採用担当者です。
前者の方は、大変な思いをされたこととは思いますが、自分の視野を「業界すべて」と言ってしまうのは、さすがに言い過ぎですよね。
後者は悪意でしかないですね。小学校の道徳の授業で「さわやか3組」を見るところからやり直してほしいですね。
また、Web系企業からSES業界への批判記事は多くありますが、SES企業からWeb系企業への批判記事ってほとんどないですよね?この話をすると「だってWeb系企業は批判されるべきことがないから」という反対意見が良く出てきますが、違います。
そもそも、業界のエンジニア所属数が圧倒的に違います。SI/SESの業界が圧倒的に多いです。従って、SES側からWeb系企業を下げてエンジニアの印象を作り出す必要が無いのです。
じゃあWeb系企業の批判って何があるんですか?
いっぱいありますよ!でもこれもSES業界の話と一緒で、業界全体ではなく、「比較的そういう企業が多い」というだけなので、あるあるランキングで2つだけ挙げたいと思います!
1.エンジニアが自己啓発としての技術向上がしづらい
SESの業界においては、資格取得や経験が、単価という形で所属企業の売上につながるので、啓発のための書籍購入や、資格取得に支援金が出るだけでなく、報奨金を出してくれるような企業も最近多いです。
一方で、自社の開発となってくると経営陣や事業部側から降りてくる要求に対して「いつまでにどんなものができるのか」にしか興味ない会社が殆どなので、エンジニアの自己啓発など、Web系企業にとってはクソの足しにもならないわけです。
すべてとは言いませんが、上のロジックでもわかる通り、SI/SESの企業と比べれば圧倒的に自己啓発の支援は少ないです。
2.エンジニアとしての幅が狭くなる可能性が高い
SESという業態柄、転職というハードルを経ずに多様なプロジェクトを経験できるので、ちゃんとしたSI/SES企業に入社できれば、多様なプロジェクトを経験することが可能です。
一方、Web系企業だと、その企業内に閉じた開発になるので、長くいればいるほど、その会社のシステムには詳しくなりますが、その会社内のシステム構造やお作法を覚えていくだけで、井の中の蛙ちゃんになってしまうリスクは否めないでしょう。
エンジニアリングにおける、言語やツールの進歩は今や目まぐるしいものです。それを、数年前から作っているシステムに永遠と没頭し続けると、技術の進歩に置いて行かれてしまうリスクが高いわけですね・・・。
さいごに・・・
SES企業も、未だに旧態依然としたシステム開発、保守・運用の仕事を受けているところはたくさんありますし、そういう方々がいないと世の中が成り立たないのも事実なので、一概に否定するわけでもないです。また、Web系企業をすべて否定するわけでもないですが、それぞれ特徴があって成り立っているし、企業ごとにも大きく違うので、そこに「業界すべて」という括りで優劣をつけることは、あまり適切ではないよね、という提起です。
エンジニアの皆さま、これからなる皆さま、企業ごとに異なることはたくさんあるので、業界括りのネットでの批判に惑わされず、先入観を持たずに企業選定に臨んでもらえれば幸いです。
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