日常と非日常というキーワード
最近某ステーキ屋が次々と店舗を畳んでいる。
色々な事情があるだろうが、結論は店舗の増やしすぎである事は間違いない。
ある程度高い客単価は、顧客の日常にはまらなかったのだ。
ここ数日で僕が感じでいるのは、「日常」と「非日常」のポジション取りだ。
マーケティングをする上で、自社の商品・サービスがどちらのポジションに位置するかを理解することは非常に大切である。
戦略が根本的に変わってくる。
先程挙げた某ステーキ屋は、顧客にとって非日常的なものだった。
目の前で肉を測り、ある程度のスピードで提供される。いわゆるアトラクションとしての消費のされ方になったわけである。
こんな声を聞かなかっただろうか。
「あそこに〇〇ができたんだって〜。一回行ってみようよ」
この言葉が全てを表しているだろう。
もはや某ステーキ屋は、「体験」として消費され、消費者の日常に食い込む余地はなかったのだ。
たまに行こっか。となるわけである。
これでは、地域によっては破綻することは目に見えている。
これはほんの一例だが、特に2C商品・サービスは、いかに消費者の「日常」となることができるかが勝負となってくる。
失敗事例を1つ見たので、成功事例も紹介しよう。
成功事例はニュースキュレーションアプリ「NewsPicks」だ。
「NewsPicks」は立ち上げ時、どのようにして、ユーザーの朝の情報収集の選択肢に入るか、選ばれるか考えたと梅田氏は語っている。
既にYahooニュース等、様々なアプリがある中、後発として立ち上げたメディアが選ばれる圧倒的動機付けが必要だったわけだ。
そこで梅田氏は「誰がニュースをピックし、コメントしているか」ということにこだわりひたすら権威者にアポイントをとっていったそうだ。しかも電話で。
そうして、「NewsPicks」は影響力の高いPickerが多くいる状態で、リリースすることとなり、この環境があれよあれよと拡大し、現在に至るわけだ。
「この人が選んだニュースをみたい」というニーズに応え、ユーザーの日常に入り込めた成功事例だ。
スタートラインを高めたことが成功要因の1つだろう。
この辺りはこちらの記事で梅田氏が語っていますので、是非ご覧いただきたい。かなり面白い
https://industry-co-creation.com/management/3979
「日常」か「非日常」か
じゃあ某ステーキ屋は背伸びせず、少しの拡大に留めておけば成功したのかと言われれば、もちろんそうではないだろう。
組織体制や会社運営など色々と要因は複雑に絡み合っている。
それでも自社の強みである「非日常」をいかした戦略をとるべきだったと僕は考える。
現在あなたの作ろうとしている商品・サービスは「日常」を狙うのか、「非日常」を提供するのか。
戦略は大きく変わります。今一度見つめ直してみてはいかがだろうか。
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