自殺防止組合

夢日記

グロテスクな内容・表現を含んでいます
閲覧は自己責任でお願いします



乗り物に乗せられた

遊園地のアトラクションのような椅子とシートベルト

身動き取れず 何も分からないままナレーションの声を聞く

''お前は本当に死を望んでいるのか''

悪魔のような妖怪のような この世のものでは無いものにそう尋ねられた

そうだ こんな人生などすぐに捨ててしまいたい
消えてしまいたい 死んでしまいたい


暗闇から 真っ赤な血で覆われた世界に堕ちる


死後の世界と言うよりかは 疑似体験のような


乗り物が前に進む

ランダムで様々な自殺方法が振り分けられる

前の人は飛び降り 後ろの人は首吊り

僕は 電車に飛び込む自殺方法が当たった


大きな鈍い音と同時に電車に当たる

車輪に引きずられながら線路を走る

体が裂けて心と肉体が離れていく

死んでしまった

中身の無い肉体のその後を ただ上から見つめることしか出来ない

飛び散った破片のまま生ゴミと捨てられ 血は下水道を流され

さっきまで人であったのが嘘のような行く末を辿る

気が遠くなって またアトラクションのような世界に戻された

何も見えないまま魂のような感覚だけで暗い道を流れるように進む

''自ら死を選んだ君たちに 天界で休む暇などない すぐに転生し 命を全うせよ''

神の声が聞こえる

夢見てた 天国 での生活では無く また世界に降ろされるらしい

''だが すぐに人間になれる訳ではない バクテリアからだ''

訳も分からないまま この世界に飛ばされた

そこに広がっていたのは 見慣れた景色

見慣れた景色が何倍にも大きくなった世界だった

世界が大きくなったのではない 自分が小さくなってしまった

バクテリア に生まれ変わったのだろう

バクテリアの命はすぐに尽きた
周りを見渡しているうちに 死を迎えてしまった


気がつくと海の中にいた

次は 微生物 らしい

ただ意思はなく水の流れに身をまかせ続ける


遠くの方から 大きな塊がこちらへ向かってくる

魚だ

逃げようにも手段が無く そのまま食べられて あっさりこの命も尽きてしまった


小さな魚 小動物 鳥 少しづつ大きくなりながら 生まれては命をおとし続ける時間をすごした


また 神の声が響く

''そろそろ 人間になりたくなってきただろう
人間からすぐに次の人間に生まれ変わることは出来ない  様々な生物の命を経てから最後に人間になることが出来る
さあゴールは目の前だ 人間の前世は 必ず犬である その命を絶やすまで人間にはなれない''

そう言葉を残して 消えた


天国に行くためには自ら死を選ぶこと無く 長い転生をやりきるしかないのか

これまで積み上げてきたバクテリアからの命を ここで絶やすのは勿体ないような

ただ情に訴えられるのでは動かなかった自殺願望が少し揺れた


簡易的なエンドロールのような画面が流れていく

''怖い思いをさせてしまっただろう ただ いじめたかった訳では無い
我々は 自ら死を選ぶこと を止めたかっただけだ
これらは99%の愛と1%の事実で出来たもの

どうかもう一度考えてほしい ''

差出人不明の 本当の優しさ を受け取ったような気がした

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