みんながレヴェルアップの件(オレ含む)

 TRPG一席一通りこなしたとしましょう、ボス的NPCをどうにかし、マスターがエンディングを粛々と進め、卓のみんなで「お疲れさま、でしたぁ!」で、後片付けして解散という所ですが、もう一つやることがありまして、主に経験値の計算して分配するという作業、今回はこの経験値というヤツの思うところを、ぐだぐだと見ていこうという所です。
 経験値計算分配ってヤツは、D&Dが赤やら青い箱だったときから行われていた、古も良いところの儀式でございまして。
 ところで、「経験値って何?」という御仁は、ドラクエやらFF(ファイナルファンタジー)とか言うゲーム機のRPGを嗜んでいただきますと、ある程度概念も解ると思います。こっから先はその概念が解ってからです。
 D&Dの頃、経験値をもらうとどうなったか?ご存じの通り、キャラクターがレベルアップします。一定の規則で能力が高くなると言うことですね。
 で、D&Dの頃、どうすれば経験値がもらえるかをもうちょっとツッコんで言うと、敵性NPCと戦って勝つとか、お宝を入手するとか、殺傷性の有無はともかくトラップを解除するとか、言うなれば、ダンジョンに潜って踏破して攻略しちまえば自然と手に入る、それが経験値というポイントでございました。
 そこで少々時代が進むと、単にダンジョンに潜って踏破して攻略というTRPGは、クラッシック手法になってきたのではないかと。
 現状は、街中だったり戦場だったり、はたまた宮廷劇もあれば時代背景も西洋中世から現代近未来と、TRPG活躍の場も、増えましたねー。
 ここで問題、そんな西洋中世なんちゃってファンタジー以外の世界で経験値をもらおうとするならどうすりゃ良いの?
 敵性NPCもそんなにワンダリングしていないし、露骨な宝箱もそんなに無いし、そもそもダンジョンなんてどこにある?という世界の方が多くないかい?
 (蛇足ですが、当文書筆者、梅田ダンジョンは自分ちの庭並みに攻略済)
 そう、経験値のネタがあまりにも少ない世界でどーすんのよ?
 そんなこんなで、世のTRPGゲームデザイナーは、全身全霊かけて考えたのでしょう、方法の一つとして、シナリオ上の問題解決そのものに経験値を設定、そのシナリオの問題部分をうまく解決すれば、経験値を差し上げましょうって、やり方をしたり過渡期のTRPGデザイナーもご苦労されたのではないかと。
 で、もう一つ、ニッポンのシステムのお話は?いわゆるフィアゲーの一部を見ると、
・ゲーム進行に協力したら1点
・シナリオを最期まで踏破したら1点
・会場の手配をした
・その他諸々
 そういったTRPGの間接的、いわばマナーや行儀の良さゲーム環境のちょっとした整備に経験値を設定しようとするそういったデザインを行っています。
 言ってしまえば、キャラクターにではなく、プレイヤーに経験値を付けようとする発想。
 でーすーがー、プレイヤーの経験値になったとはいえ、TRPGの経験をん百ん千経験を積んだプレイヤーですかぁ~、超進化したプレイヤーの超絶TRPG、一度見てみたくなった。
 この辺のことを追求すると、ろくな事にならに気がする。この辺でやめよう。
 議論にしかならないので本当にやめよう。ただこれってどうなの?と、脳内の片隅においておくべき概念だたぁ思いますよ。
 次にモヤる点があるとすれば、FEAR作成のSRSという作品群は、メタリックガーディアンという作品を例にこんな検証を。
 SRSシスTEMのおおよそ、キャラクターには1~3種類のクラスで構成されており、経験値の主な使い方は、そのクラスのレヴェルを上昇させるのに使います。レヴェルを上げるとどうなるか?まー、戦闘に使う判定値が上昇したり、特技というヤツを追加したりなど。
 
 レヴェルのことを言うなら、クラスはレヴェル上限は、20!
 で、理論上、持ってるクラスのレヴェルを上限まで上昇(レヴェルカンストというやつだ)まで持って行くのに一体いくらの経験値が必要になるのか?
 結果、単純計算で約2300点ほど、これでやっとクラス一つがレヴェル20カンストを迎えます。おめでとう!念願のレヴェル20で習得できる特技が君の手に!
 でもって中途半端は良くない、残るクラス2つのレヴェルもちゃんと20ずつにしよう。
 経験値がいくらいるかって?単純に2300点の3倍、ではありません。計算上10500点ほど必要かな?
 これを前提に問題です。これだけの経験値を手に入れるために、何回シナリオをこなさなきゃならないのでしょう?
 このSRSというシステムですが、1回のゲームで、プレイヤーだと最大9点、ゲームマスターだと最大13点、
 後は、単純な割り算のお話、
 プレイヤーが
 レヴェル20に到達するのに、254回、クラス2個目約700回、クラス3個目だと1,165回
 これをゲームマスターで計算すると、
 レヴェル20に到達するのに、176回、クラス2個目約484回、クラス3個目だと807回
 気が遠くなってきた。
 
 他のシステムでは、特にデザインしている人にはどこか解っていたような気がする。
 この頃では、単純なレヴェルを積んでいくシステムは少数派、経験値の使い道は、特技や能力値を上げる事やアイテムを入手するポイントといった具合。
 あぁ誰か、この面倒くさい検証をねぎらってください。
 お話を本筋に戻すと、TRPGってヤツは、社会人にとって重要なリソースを惜しみなく奪い持って行ってしまう。人(メンバー)、時間、シナリオ作成の脳みそ、まともな社会人にとって比較的負担が少ないのが、お金の面!
  酒、お馬、マイカーetcのお金がかかるホビーの中で、お金がかからない方の部類かなぁ、TRPGって?
 一番問題があるのは、時間というヤツで、あっという間になくなってしまうし、補充という事も利かない。
 プレイ時間に関する事を更に書くなら、人は、特に社会人は週に何回、月に何回ゲームが出来るのだろう?オンセで時間的制約はちょっとは緩和されるし、打ち合わせ場所時間なんかの連絡相談方法もメールもあればSNSもそれを操るスマホだってある、だけど日程なんかを合わせにくいのが社会人という存在。
 今回経験値という仕組みをいじってやろうと思いましたが、なんだか困惑しております。
 経験値に関してはもう少し書きたいこともあるので、後半に続く。 
 
経験するは我にあり

 古いヤツたぁお思いでしょうがしばらくのおつきあいを、早速こんな話から。
 そもそも経験って何?一般論は漠然としすぎているので、議論はもう少しまじめな人々のやりとりを見ていただくと言うことで。
 いい加減な定義チックなことを言えば、経験になったという体験は、今までやったこと無し見たこと無しのモチロン聴いたも臭ったも無し、今まで五感その他いろいろ自身に出会わなかったことに出くわしてしまったぁ!という状況が経験な訳でありまして。
 TRPG、特に日本のTRPGの状況を見ると、なんだかそのあたりのことが形骸化してないかい?大いにそんな気がするぞ!
 つまりシステムというかルールの記述にあるとおりの行動をこなせば、過去に何度も同じことをしていても、経験値になるってって事なんですよねぇ~。
 今回も前回もそのまた前のゲームでも、部活で無口な重戦士を繰り返しても、システムが同じなら、経験値は同じようにもらえます。
 日本のTRPGでもフィアゲーといわれる一連のアレ、一番顕著なんです。この一連のゲームシステムはキャラクターシートとは別に「レコードシート」という用紙を使うのですが、(レコードシートとは、1回のゲームごとに1枚使い、そのゲームでのHPMPアイテムゲーム中のメモに使いましょう、という具合の紙)
 で、そのレコードシートにの端っこには、経験値がどれほどもらえるかという欄がもうけられており、どうすれば経験値が手に入るかもちゃんと書いております。
 いやその分かり易い親切設計はさておき、定型化具合がもう・・・。
 ゲームに最期まで参加したとか、登場したシーンが何回かとか、会場手配をしたとか、同じシステムなら、シナリオ変えても漏れる条件は皆同じ。
 同じ様な項目ばかりではさすがに心苦しいのか?シナリオ無いのイベントをうまくこなせたか?という項目もありますが、別シナリオとの差違はこの程度。
 これが経験とは片腹痛い(片腹痛いとはこんな時に使うのがあってるよね?)
 あまり掘り下げても虚しくなるので、別の視点から。
 この、レコードシートで経験値を得るやり方のタテマエは、同一システムで別のシナリオをプレイしようとするとき、前回以前のレコードシートの経験値を使っておぉけい。うむ、なんだか妙なタテマエ。
 タテマエ通り活用した人を見たことが、滅多にない。
 卓の中で一人だけ経験値を難点も何十点も使って、能力値やら特技を追加でバカスカ取っちゃうと、バランスやなんやらぐっちゃになって、そんなところを考えると、使いにくいんですよ、レコードシートでもらった経験値って。
 このなんとも言えないタテマエに対し、もう一つ「何やってんのよ!」と、文句を言いたいところは、そんな使いにくい経験値が書かれた紙切れ、経験値を使ったらその後どうするの?という気分。残りの部分は丸ごとムダってか?
 知り合いが言ってたよ、やや心に残るタダの参加賞、っと。
 なんだか役に立たない無い経験値より、有益な使い方はないのか?
 世のもっと別のTRPGに(市販の製品か同人だったかは忘れた)TRPGが一席終わって経験値がいくらかなぁ?と計算する、部分に他のプレイヤーはどうだった?そういったことをレコードシートに書く時間に充てていたなぁ。
 そう、レコードシートもそれ専用の欄を設けておき、その欄が埋まれば、みんなからのアナタの感想が記入されるという案配。
 ズブブズのシロウトが、TRPG作成のプロのお仕事をどうこう言うのは良くないと思うのですが、思い出に残るTRPGの一席ってのはこんな感じで残っていくんじゃないのか?そう思うのです。
 この文章を目にされ御奇特な方々、どう思われるだろうか?

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