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【生活”中”百科】皂荚zàojía

見るだけで痛々しいトゲトゲ、これはいったい……?

📷経緯


新しい職場となる大学。気晴らしに校内をぶらりと散歩していると、沿道に一瞬目を疑うような光景が……。手持ちのカメラで恐る恐るパシャリ。

写真を撮った後、百度のカメラ検索で調べてみると、これは〝皂荚〟というマメ科の植物であることが分かった。
一見すると、別の植物に寄生されたような感じを受けるが、そういうわけではなかったようだ。ほっと一安心。

マメ科といえば、沿道にはいくつかそれらしいものが落ちていた。

成人男性である自分の手より少し大きいくらいのサイズ

最初はバナナの皮が捨てられているのかと思い、敢えて目に触れないようにしていたが、〝皂荚〟のことを調べて得心した。手に取って振ってみると、カラカラという音が。乾燥した豆が入っているようだ。

皂荚(zàojía)

〝皂荚〟について百度百科で調べてみると、以下のような記述があった。

皂荚(学名:Gleditsia sinensis Lam.),又名皂荚树、皂角等,是豆科皂荚属落叶乔木或小乔木,高可达30米;枝灰色至深褐色;刺粗壮,圆柱形,常分枝,多呈圆锥状。

〈日〉
皂荚(学名:Gleditsia sinensis Lam.)またの名を"皂荚树""皂角"などという。マメ科サイカチ属の落葉高木あるいは落葉小高木であり、その高さは30メートルに及ぶ。枝の色は灰色から深みのある茶色まで様々である。太くて丈夫な円柱形の棘があり、枝分かれ(分枝)をしながら、多くが円錐状の形を成す。

※訳出にあたって参考にした文献はサイト下部に記載しています。

https://baike.baidu.com/item/%E7%9A%82%E8%8D%9A/769520?fr=aladdin


〝皂荚〟「サイカチ」という種類の植物であることが分かった。ただ私は植物について何らの知識も持ち合わせていないので、見聞を広めるために少し詳しく調べてみると、この植物が漢方薬(中薬)に使用されていることが分かった。
以下に、理解の一助となった〝皂荚〟に関する論文の前文(一部)を引用する。

皂荚为豆科植物皂荚(Gleditsia sinensis Lam.)的干燥成熟果实或不育果实,味辛、性温,归肺、大肠经,具有祛痰止咳、杀虫散结等功效,主要分布于河北、河南、山西、山东、陕西等地。“皂荚”一名首次记载于汉《神农本草经》:“皂荚,味辛温,生川谷”,由此,“皂荚”这个名称开始被广泛使用。

〈日〉
皂荚は、マメ科植物であるサイカチの乾燥させた果実部分または未成熟な果実部分である。辛味(中薬における五味の一つ。例:生姜など)があり、温性(中薬における食性の一つ。温熱性食物とも)の特徴を有する。また肺や大腸経(手の甲を流れる経路。各種のツボがある)に作用がある。痰を取り除いたり、咳を止める効能を持つほか、虫や菌を滅したり、体内の毒素を消し散らす効能も有する。主に、河北・河南・山西・山東・陕西省などの地域に分布している。
"皂荚"という名は早くは漢代《神農本草経》に“皂荚,味辛温,生川谷”という記載があり、ここからこの名が広く使われるようになった。

※訳出にあたって参考にした文献はサイト下部に記載しています。

张 婷,姜海慧,姜 祎,张化为,宋小妹,邓 翀(2021)皂荚研究进展
中国野生植物资源,第 40 卷第 9 期,46页

このように中薬として古くから重宝されている〝皂荚〟だが上記の論文によると、現在は美容化粧品としてもその価値を見出されており、様々な分野への実用化が日増しに進んでいるという。

皂荚(皂角)を使ったシャンプー

ひとこと

夥しい量の棘に目を引かれてしまったが、意外や意外、様々な効能があることが分かった。このように軽く調べてみただけでも様々な資料が出てきたので、今後も折に触れて加筆していきたい。

参考資料

訳出にあたり参考にさせていただきました。


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