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【ビンバー蒸留所】100年ぶりにロンドンでシングルモルトを造る蒸留所

どうもヒデイシです。

今日はロンドンにあるウイスキー蒸留所『ビンバー/Bimber』に行きます。

ここは2016年5月26日にウイスキーを造るため、最初の樽にニューメイクを詰めたばかりのまだ新しい蒸留所。そして、その3年後の2019年9月にウイスキーをリリース。

そして2019年にウイスキーをリリースしたことにより、100年ぶりにロンドン産のシングルモルトウイスキーが販売されたことになりました。

かなり記録的なことですね。

そしてこの蒸留所、ウイスキー造りへのこだわりが半端ない。

まず使っている大麦は、イングランドの単一農家で作られたものを使用。スコットランドの精麦会社からモルトを買うことが当たり前となっている昨今、製造工程に入る前の段階からこだわりが垣間見えます。

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そしてモルティングの工程もまたとんでもない。なんと大麦を発芽させるために、フロアモルティングを行っているんだそう。

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今の時代、モルティングは機械で行うのが一般的。人の手によって行うフロアモルティングはかなりの手間と時間がかかります。

労力は掛かりますが、高い評価を受けているスプリングバンクやラフロイグ、ボウモアなどはこのフロアモルティングを今でも行なう…

そういった味わいをビンバー蒸留所も、求めているのが伝わってきます。

そしてマッシング(糖化)の工程も手作業で行なっているみたいです。

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アルコールを作るための発酵時間は7日間とまたこれもかなりの時間をかけている。とにかく丁寧にウイスキーを造っているんですね。

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スチルは直火式。これもまた珍しい。今の時代、効率のいいスチーム式で加熱するのが一般的。ホームページを見る限り、時代と逆走している感じがします。こういうの好きです。

では一体どんな蒸留所なんでしょうか?

早速行ってみましょう!

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今日はバスで行きます。ビクトリアステーションという駅の近くのバス停から、ホワイトステイエステートという場所で乗り換え、そこからは徒歩。

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遊歩道を超え、15分ほどで到着。

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外見は蒸留所に見えません。そしてかなり小規模。

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(BIMBERの看板が)

ビンバーの意味を調べてみると、英語ではBimberという単語は存在しない。間違っているかもしれまけんが、おそらくポルトガル語でムーンシャインという意味だと思います。ムーンシャインとは密造酒という意味。

では中に入りましょう。

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まず小さなカウンターが歓迎してくれます。そしてその奥にはアランビック型のポットスチルがみえている。

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(ウェルカムドリンクはオールドファッションド)

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そしてその奥にはなんと貯蔵庫があります。スチルと同じ部屋に貯蔵庫があるのは初めて見ました。

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(ポルトガル製のスチル)

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(樽がどどん)

樽はバーボン樽、シェリー樽、ポートワイン樽などに加え、ジャパニーズオーク(ミズナラ)樽も持っているんだそう。

そして面白いのが、エンジェルズシェアが10%もあるということ。

イギリスでは通常年間3〜4パーセント、樽の中のウイスキーが蒸散するのですが、この建物内はかなり暑く天使が飲んでしまう量が多いみたいです。天使も喉が渇いているんでしょう...

まあ、スチルのある蒸留部屋が暑くなるのは当たり前。そしてこのスチルは直火で加熱しているので、なおさら部屋が暑くなります。

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さて順番が逆になってしまいましたが、マッシュタン(糖化槽)はスチルの奥にある。

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ちょうど今、糖化し終わった所のようで、天井に吊るされたチューブを通して、中の麦ジュースをウォッシュバック(発酵桶)に移している最中でした。

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(チューブ)

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(発酵桶)

この発酵桶は、アメリカンホワイトオークで作られたものだそう。カラ松ではないみたい。


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(チューブからドバドバ)

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(時間が経ったもの)

この発酵桶の中で、アルコール度数が10%まで上がるそう。

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そして蒸留して70度ほどになる。この蒸留してできたばかりのニューメイクを、指にちょっこっとつけて飲ませてもらえました。

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ここではラベリングとボトリングを行っています。

次は試飲。

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右からニューメイク、ピーテッドニューメイク、バーボンタイプ、シェリータイプ、バーボンシングルカスク、シェリーシングルカスク。

どれも美味しかったけど、特にシェリー樽熟成のものが印象的だった。紅茶のような甘味とシェリー感。心地いいんだけど、しっかり個性もある。

シングルカスクのものに関しては、台湾ウイスキーっぽさがあり、部屋が暑いことが影響しているんだなと。

そしてシェリーカスクのものを買ってしまった。

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(2020蒸留所限定ボトル)

値段は結構したが、それに見合うだけのものはあると感じたので、、良いでしょう!荷物どうしよう...

では蒸留所を後にします。

案内してくれた人から、自分たちのウイスキーのことを愛している感じがかなり伝わってきて面白かったです。味に自信がなければ、あの雰囲気は出ないだろうなあと。

ではまた!

素敵なウイスキーライフをお過ごしください🥃