Reid's Guide to Legacy:Introduction to the Format


Reid Duke

2019/12/31


Table of Contents
Part Ⅰ:An Introduction to Legacy
Part Ⅱ:The Defining Cards of Legacy
Part Ⅲ:Choosing Your Deck
Part Ⅳ:Using Cantrips Properly
Part Ⅴ:Graveyard Decks

2017年1月、私は8つのパートから成るレガシーガイドをここChannelFireball.comで執筆した。
レガシーは私の好きな構築環境であるとともに、いつだって最も挑戦しがいのあるフォーマットの一つだ。

三年前のあの頃とは違う。
ここ数年で印刷されたカード達はエターナルフォーマットを大きく変えてしまった。
代表的なのは「灯争大戦」「エルドレイン王権」「モダンホライズン」、これらにはヴィンテージ、レガシー、モダンでの使用に耐えるカードが多数収録されていた。
そして、ここ数年でいくつかの禁止制定にも見舞われた。
師範の占い独楽/Sensei's Divining》、《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》、そして《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》(おっと、《レンと六番/Wrenn and Six》も短い間、環境を支配していたね)。

加えて、マリガンルールがロンドンマリガンへと変更になったことで、多くの戦術が劇的に強化された。
ゆっくりと変化していった2009-2017年のレガシーシーンと比べると、現在のレガシーシーンは、おおよそ別のフォーマットになってしまった。

これは「初心者」向けのガイドではあるが、レガシーは決して「初心者」向けのフォーマットではない。
願わくば、このガイドが初心者にとっての最初の一歩に、パイオニアやモダン経験者にとってはレガシーへ移行するための橋渡しになればと思っている。
ただし、このガイドは競技プレイを意識したものなので、長年レガシーに携わってきたベテランのプレイヤーにも得るものはあるだろう。

レガシーに初めて触れた読者向けに、私たちが「エターナルフォーマット」と呼ぶものが何かを説明しよう。
ずばりそれは、Magicの全歴史の中でプレイ可能な全てのセットが含まれているフォーマットを指している。
もちろん、強力すぎたり(あるいは問題があったり)するいくつかのカードは禁止されている。
禁止カードのリストはこちらから確認できるよ。


The Speed and Power Level of Legacy

新しいフォーマットに飛び込む時、まずは「このフォーマットでは何ができるのか」を正確に把握することが大切だ。
1試合はどのくらい長いのか?
あなたができる最も強い行動はなにか?
毎ターン為すべき事はなにか?
マリガンをするか決める時に見据えるべきことはなにか?

レガシーの大きな魅力の一つは、他のフォーマットで(思い入れがありつつも)リーガル落ちしたカードが最終的に行き着く場所ということだ。
ここではあなたのお気に入りのデッキが永遠に生きられる。
だから、どうしても特定のカードや特定の戦略に執着してしまいがちだ。
しかし、レガシーで遊んでいく上で、好きなカード-《陥没孔/Sinkhole》、《破滅的な行為/Pernicious Deed》、《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi,Hero of Dominaria》など-に拘り続けると、競技シーンでは遅れを取ってしまう場合もあるだろう。

実際に、レガシーのゲーム展開は、スタンダードや今までに経験してきたフォーマットとは異なるものだ。
試合は最初のターンで、ほぼ決定してしまう。
この階級のデッキは非常に効率的な構成になっていて、《意志の力/Force of will》、《目くらまし/Daze》、その他1マナスペルをぎっしりと詰め込んでいる。
3マナ以上のスペルを解決する場合、基本的にそれが勝利手段でない限りは愚策となってしまう。

今後数週間に渡って掘り下げていくコンセプトの一つが、レガシーにはアグロデッキがほとんど居ないってことだ。
3ターン目から攻撃を開始するようなデッキを構築したとして、それはイベントに持ち込むデッキとして賢明な選択ではない。
なぜって、周りのデッキはもっと速いからだ。
クリーチャーでの攻撃を主とした戦略ならば、感染やバーンのような高速コンボデッキ然としたものか、あるいは大量の妨害手段を用意してミッドレンジやコントロールのようにも振る舞えるデルバーやデスアンドタックスなどが候補となる。


Diversity in Legacy

レガシーの大前提は、驚く程膨大かつ広がり続けているカードプールを持つことだろう。
25年続くMagicで、15年遊んできたフォーマットにも関わらず、私はまだ見たことの無いカードと出くわす瞬間がある。

当然ながら、膨大なカードプールは膨大な数の戦略を生む。
レガシーの大会で優勝してもおかしくないデッキが50も100も存在しているんだ。
イベントのために何日も費やして練習したとしても、全く知らない類のデッキにしか当たらないことだってあり得る。

要は、何が起きても驚くなということ。
まずは、環境の速度に慣れ、対戦相手が持ち込むだろうアーキタイプを大雑把にでも理解する。
そして、馴染みの無いものと出合っても対処できるように、様々なマッチアップで自分のデッキを習熟すべきだ。


Complexity

複雑性と多様性は連動している。
遭遇する可能性があるカード、対戦相手、戦略、それらが幅広いほど全てを網羅するのは困難になっていく。
しかしその上でレガシーが独特なのは、一般的な構築フォーマットの中で最もやりがいのあるフォーマットということだ。

一つ、《渦まく知識/Brainstorm》などのライブラリー操作スペルがレガシーの鍵となる。
これらのスペルは互いのプレイヤーに多大な選択肢をもたらし、初手の良し悪しよりもゲーム展開に関わっていく。

加えて、《意志の力》、《目くらまし》などのフリースペルもこのフォーマットの重要な特徴に数えられる。
対戦相手のマナが立っていたとしても、それが全てではないという事だ。
常にこの世に存在するあらゆるフリースペルへの警戒を怠ってはいけない!何が起こるか分からないのがレガシーだからね。

また、レガシーのゲーム展開は複雑で容赦がない。
対戦相手は烈火の如きスピードであなたを倒そうとしてくるだろう。
不毛の大地/Wasteland》や《トーラックへの賛歌/Hymn to tourach》などであなたに圧力をかけてくることもあるだろう。
これらのカードはあなたにとって未経験の物かも知れない。
あらゆる事態を想定し、注意深く進む者が報われるフォーマットになっている。

でも悲嘆に暮れないでほしい!
これからの数週間で、レガシーの競技プレイヤーになるための基礎固めを一緒にしていこう。
私のアドバイスを基にしっかりとした練習を積んでいけば、すぐに何千ものレガシーファンと同じように、レガシーを楽しめるようになっているだろう。

Sneak and Show by Matt Brown

Creature (4)
4《グリセルブランド/Griselbrand
3《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul,the Aeons Torn

Sorcery (12)
4《思案/Ponder
4《定業/Preordain
4《実物提示教育/Show and Tell

Instant (12)
4《渦まく知識》
4《目くらまし》
4《意志の力》

Artifact (4)
4《水蓮の花びら/Lotus Petal

Enchantment (6)
2《全知/Omniscience
4《騙し討ち/Sneak Attack

Land (19)
3《古えの墳墓/Ancient Tomb
2《裏切り者の都/City of Traitors
2《溢れかえる岸辺/Flooded Strand
2《霧深い雨林/Misty Rainforest
2《汚染された三角州/Polluted Delta
2《沸騰する小湖/Scalding Tarn
3《冠雪の島/Snow-Covered Island
3《Volcanic Island
Cards 57

Sideboard (14)
2《秘儀の職工/Arcane Artisan
2《血染めの月/Blood Moon
1《残響する真実/Echoing Truth
2《狼狽の嵐/Flusterstorm
1《紅蓮破/Pyroblast
2《紅蓮地獄/Pyroclasm
1《赤霊破/Red Elemental Blast
1《水没/Submerge
2《外科的摘出/Surgical Extraction

このフォーマットで最も人気のあるデッキというわけではないが、スニークアンドショーはレガシーをやっていく上で対戦する必要のあるデッキの代表格と言える。
スニークアンドショーを使うプレイヤーは、たった一つのスペルを唱えるだけでゲームに勝ってしまう可能性がある。
しかもそれが1ターン目にさえ起こり得るんだ。

《実物提示教育》と《騙し討ち》を利用して、勝利手段となるクリーチャー(《グリセルブランド》や《引き裂かれし永劫、エムラクール》)をとんでもない低コストで場に出す。
戦略自体は単純だ。
そしてデッキの残りの部分はマナ加速、打ち消し、ドロー手段に充てている。
以上のように、このデッキはコンボの速度と確実性を危険な程高いレベルでまとめあげている。
このデッキの打ち消しは、対戦相手を減速させるためにも使えるし、自身のコンボを守るためにも使える。

どのようにしてこのデッキを倒そう?
容易ではない。
でも、これは今後数週間をかけて取り掛かろうとしている問題なんだ。

記事
https://www.channelfireball.com/all-strategy/home/reids-guide-to-legacy-part-1/

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