見出し画像

コロナワクチンの有効性って実際のところどうなの?【WHC project】

新型コロナウイルスワクチンと聞くと、3回目接種についても政府から検討されていると話題ですね~。
今回はそんな新型コロナウイルスワクチンをニューヨーク州のデータに基づいて「モデルナワクチン(BNT162b2)」、「ファイザーワクチン(mRNA-1273)」、「Ad26.COV2.S(ジョンソンエンドジョンソン社のワクチン)※以下「J&J社ワクチン」」の3つのワクチンの有効性について分析がされた論文の内容をご紹介します!

 今回の研究ではニューヨーク州の成人8,690,825人のデータを使用して、実験室で確認された新型コロナウイルスおよび新型コロナウイルスによる入院(すなわちコロナ患者と診断された)に対するワクチンの有効性について扱っており、結果は必ずしも正しいとは言い切れませんが、参考程度にはなると思われます。

1.罹患に関する有効性

2021年5月1日あたりの一週間は, デルタ株が変異株の中で1.8%を占めた週で, この時点でのモデルナワクチンの有効性の中央値はおよそ91.3%(範囲:84.1〜97.0)でありました。ファイザーワクチンについてはおよそ96.9%(範囲:93.7〜98.0)で, J&J社ワクチンはおよそ86.6%(範囲:77.8〜89.7)という結果が出ました。
その後, デルタ株の有病率85.3%になった7月10日あたりの週では, 全体的に有効性が低下し, 5月1日の週の全体の有効性の中央値が93.4%(範囲:77.8~98.0)であったのに対して, この週では全体の有効性が73.5%(範囲:13.8~90.0)となりました。
同様の比較方法で, デルタ株の有病率が99.6%となってしまった8月28日あたりの週では, 74.2%(範囲:63.4~86.8)と, 7月ごろのデータと重ねても, デルタ株が優勢となった際にワクチンの有効性が落ちたという結果が得られました。

2.入院に関する有効性


 入院に関しては3つとも総じて有効性を86%以上に保っており, 罹患のケースとは違い, 時間の経過による明らかな有効性の変化はみられませんでした。
 具体的には, モデルナワクチンは94.8~88.6%, ファイザーワクチンは97.1~93.7%と, 比較的高い有効性を示しましたが, 65歳以上のワクチン接種者に対しては5月から8月にかけて有効性は低下していました。J&J社ワクチンも80.0〜90.6%と他2つと比較すると劣ってしまいますが, 時間の経過による有効性の低下はあまり見られず, 65歳以上のワクチン接種者についても有効性の低下は見られませんでした。

3.まとめ


 今回扱った論文からもわかる通り, 新型コロナウイルスワクチンは変異株と呼ばれる新しいタイプの新型コロナウイルスに対しては有効性が落ちてしまうようです。オミクロン株と呼ばれる変異株も流行してきている今だからこそ, 2回目のワクチンを打ったからと慢心せずに, 予防に取り組みたいですね。

4.引用参考文献

Covid-19 Vaccine Effectiveness in New York State(2021):https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2116063?query=featured_home

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?