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生き方って200種類あんねん

こんにちは、総合情報学部4年次のNOAHです。
僕は3年次の8月から4年次の5月まで、アメリカにある北アリゾナ大学(Northern Arizona University)に交換派遣留学しました。

留学といえば、言語や専門分野の学習が主な目的とされがちですが、それ以外の学びも数多くあります。10ヶ月の間、アメリカという自分が不利な環境に身を置き、多くの事象に苦戦する一方で、アメリカならではの多様性から生まれる考え方に出会うことができました。僕からは、人生の大きなテーマである、“キャリア/生き方”についてお話します。


ドバイから来た学生社長

僕が住んでいた寮(Campus Heights)は世界中からの留学生が多く住む国際寮で、異文化コミュニケーションが活発に行われます。毎日のように中庭でみんなと談笑し、一緒にサッカーのワールドカップを観戦し、自国の伝統料理を作り合います。(僕はラザニアを作れるようになりました :D

僕が作ったラザニア

そんなある日、中庭のベンチで友達と会話をしていると、パイロットのようなサングラスをかけ、全身にハイブランドを身につけた男の人が部屋から出てきて、僕の斜め前の席に座りました。少し古さを感じるキセルのようなタバコを吸うと、ブリティッシュアクセントで僕に一言。

“Are you alright?”

この瞬間、全身に鳥肌が立ち、言葉を失いました。マフィアのような雰囲気を感じ、身がすくんでしまったのです。

僕はワンテンポを置いて、

“Not too bad.”

で切り返すと、一瞬凍りついたような空気が戻り、みんなの頬が緩みました。

話を聞いていると、彼はドバイ出身の25歳であり、ドバイの大学に通いながらも様々な種類のタバコを販売するタバコ店を経営しているといいます。父は不動産会社を経営し、国内のみならず海外にも物件を所有しているのだとか。彼の話はとても面白く、ビジネスをするための知恵やヒントなども教えてもらいました。(笑)

彼と僕を比較すると、僕はなんて面白味のない人生を送っているのだろうと感じるのですが、ここはアメリカ、他国からの移民の数と留学生の数が世界で1番多い、多様性に満ちた国です。まだまだ多くの「日本では珍しい人」と出会いました。

・高校卒業後に一度就職してから大学に入学した人
・1年間休学をしてベビーシッターをしている人
・他大学に編入するために今の大学に通っている人
・韓国での兵役期間を満了した後に留学に来る人
(韓国では兵役制度や休学率の高さから20代後半での学士号取得が珍しくないとか)

アメリカには、様々なバックグラウンドを持った人が、様々な目的を持った人が集まります。年齢もバラバラです。もちろん、アメリカで育った人も様々です。それぞれが独自のストーリーを持っていて、彼らとの出会いは自分の人生を見直すきっかけとなりました。

右がドバイから来た学生社長、普通の服も持っている模様

人生は自己分析の連続かもしれない

僕がアメリカに留学した目的の1つに、アメリカの作法や流儀、ありとあらゆるアメリカ流を身につけるというものがあります。アメリカで働きたいという夢があるからです。そもそも、様々な人種と文化が交わった国にスタンダードが存在するのかと言われると、存在すると言い切れるものでもないですが、一般的なルールや基準は、世界の標準になったり他国の手本になったりします。

ビジネスや教育に目を向けると、面白いほどアメリカ流が目に見えるのですが、一人一人のキャリアを並べて見ると、面白いほど共通点が見当たりませんでした。多種多様なバックグラウンドを持つ人々との交流の輪を広げ、様々な価値観や生き方を知ることにより、「キャリアにおいてスタンダードは無い」ということに気づいたのです。

高校や大学を卒業後に新卒で企業に入社し定年退職するという一種のキャリアが日本に存在する傍ら、アメリカでは一人一人が自分と向き合い、自分がいるべき場所に身を置き、なりたい自分を目指していきます。逆にいうと、これがアメリカ流のキャリアなのかもしれませんね。

日本で生まれ日本で育った僕は、俗に言う敷かれたレールの上を20年間歩いてきました。そして、その時その時の比較対象は他人であり、少しでも人より上手くできれば良い、少しでも人より点数が高ければ良いというゲームに、生まれ持ったものと少しの頑張りで乗り越えてきました。

しかし、留学を通して、多くの人は夢や目標があり、理想の自分に近づくためには何をすべきかを考えていることを知りました。必要だと思う授業を受講し(アメリカでは専攻以外の授業も履修できます)、必要に応じて履修を辞退します。シリコンバレーエンジニアが数年単位での転職を繰り返すのも、そこで得られるものは全て得たと考えるからのようです。つまり、敷かれたレールを自分なりに変形させたり切り拓いたりしてユニークなレールを作り上げることで、キャリアを形成していくというのです。

「あの人すごいじゃん、私にはできない、、、」と思う人もいるかもしれませんが、他の人と比較する必要はないと思います。昨日の自分と今日の自分と明日の自分を比較しながら、少しずつ前に進んでいけば良いのかなと感じます。

過去の自分と比較し、成長していると感じるのであれば、それは素晴らしいことだと思いますし、変わっていないと感じるのであれば、自己分析をして足りないものを探しにいけばいいということですね。

人生は平等ではないからこそ、です。
自分のペースで自分の人生を生きることが大切なのかなと感じます。
ある動画を見つけたので、よかったら見てみてください。


ハリウッドの映画監督を目指す友達

人脈という財産

「人間は1人では生きていけない」と聞いたことがありますが、その通りだと思います。人類の歴史が教えてくれているからです。だからと言って、友達が多ければ多い方がいいかどうかは分かりません。しかし、友達という存在は自分の人生を豊かにしてくれます。

留学を通して、僕は世界中に友達ができました。同じ日本からの留学生とも仲良くなりました。一緒に勉強し、一緒に旅行に行き、一緒にたわいもない話で笑い合いました。僕の留学生活を華やかにしてくれた存在です。もちろん、マイナスな出来事もありましたが、彼らから学んだことは数えきれないほどあります。

留学期間も含め20年間で築き上げた人脈は、一時的な友達ではなく、一生の財産だと考えています。困った時に助け合うことができる、それほど頼れる存在はありません。今でも彼らとはSnapchatやInstagramで繋がっており、近況報告や分からないことを教え合ったりして頻繁に連絡を取っています。これからも人との出会いや繋がりを大切にして、キャリアを歩んでいこうと思います。

発熱して寝込んでいる時に友達が果物を届けてくれました。
帰国後に仲のいい日本人留学生たちと集まりました。
宮城、埼玉、神奈川、長野、大阪、長崎から大集合!

NOAH