第2話 高校を中退したぼく

「おいシダラ!この求人はどうだ、給料も高いぞ」そんな話を分厚いハローページを開きながらシダラに問いかけるぼく、、

ぼくは高校を中退しこれまで感じたことのない開放感を感じていた。これまでは決められた時間に起きて学校の準備をする。学校に行っていなかったが自宅にいるのは流石にバツが悪いので間に合う時間帯に家は出ていた。しかし学校には行かずにいつものコンビニでまずは漫画の立ち読み、そこら辺をだらだらと徘徊し気が済んだら学校に行くというちゃらんぽらんな生活をしていたが心のどこかには「学校に行かないとなー」という気持ちがあったのは間違いない。そんな罪悪感や漠然とした不安を抱えた高校生活は一年も経たずに終わりを迎えそんな気持ちを持つ必要がなくなった無敵だとも感じたのをよく覚えている。しかしこのまま働かずにニート、、というわけにはいかない、父親との約束は「必ず働くこと」その約束は果たさなくてはとぼくがまず行動したのは中学時代からの親友、シダラに会いにいくことであった。シダラは中学時代からの友達で高校は違うところに行き、すこし疎遠になっていたがなんとぼくが高校をやめたタイミングでシダラも高校をやめていたのだ。ぼくはとんでもない親近感をもちながらシダラと合流した。「まさかおまえも中退したなんてな」「全くだよ、、俺たち別に高校辞めるようなキャラでもないのにな、、」「でもシダラがいてくれて良かったよ、、一人で行動するのはなんか怖いからね」「全くだ、、、」そんな会話をしつつもシダラの家に入り、一息、ぼくはシダラに一言、「どこかで働こうと思ってる?」シダラは「当然働くよ!」ぼくのモチベーションより二周りは大きなテンションでハローページを持ってくるシダラ、、
同じく16 歳のぼくたちは何もわからないまま就職活動をはじめた、、、

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