第4話 進学を決めたぼく、、、

進学を決めたぼくはとても悩んでいた。なんといっても「やりたいこと」なんてない。夢や目標があるわけではない。今もぼくの時代も若者の共通な悩みなのだろうか、、

そんなことを思いながら行きつけのガソリンスタンド「木村商店」にガソリンを給油しにしくととても可愛がってもらっているサカキバラさんが声をかけてきた。「おーーい、進路はどうすんだ?決まったのか?」「うーん、、それがなにも決まっていないんですけど整備士になろうかなとも思ってます。」「整備士?なんで整備士なりたいんだ?お前車とか好きだっけ?」「え、、、別にそこまでは、、」「それならやめとけ!あれは好きじゃなきゃ続かんぞ」

そんな問答があり自宅に帰ったぼく。とても当たり前なことを言われた気がした。「何で」なんてまったく考えてなかった。自分の「これから」を考える時、いつも勢いで突っ走ってきたが今回ばかりはブレーキが利いた。「確かに今、面白いとも思っていないことを仕事にするのは良くないな、、、」そんな進学活動が迷宮に入りそうなとき母親が「あなたは福祉の仕事なんか向いているんじゃない?」「福祉?なんじゃそりゃ」「本当は先生になった方が良いと思うよ。あなたは高校中退したことで同じ境遇の人の気持ちがわかるから」「先生だけは絶対にやだ。」「ふふふ、、そうね。でも福祉は向いているわよ。あなたは優しいから」「そんなことないけど、、、」「普通仕事は働いたら「ありがとう」と相手に言わないといけないけど福祉は相手から「ありがとう」をもらえる仕事だよ。いいと思うけどなー」「フーン、、なるほどね、、」そんな会話を母としたことでぼくの頭の隅に「福祉の仕事」が住み着いた。「福祉の仕事か、、何やるんだろう、、高齢者のお世話か?まったくわからん、、、」そんなことを思いながらぼくは確実に、着実に福祉の世界に近づいているのであった。

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