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文系学生のための論文の書き方③ えっ、論文って私でも書けるの? 編

 こんにちは、クジラ8です。

 最近、かなりさぼり気味になっていましたが、どうにかこの「論文編」も最後になりそうです。とはいえ、番外編もいくつか書きたいなと思っていますので、なにとぞお付き合いください。


 さて、論文の書き方についてですが、今回は「論文を書く上での」細かな注意点について書きます。前記事で、どのようにしたら「様式」は整うのかの話は済ませているので、これ以上は、「自力」になってくるとは思います。

 ただ、本当に「論文」というやつは厄介な代物です。はっきりいって、分からないことが多すぎるなかで、一から自分で書くのは不可能といえるでしょう。なので、ここでは執筆時のヒントになるようなこともいくつか添えていきたいとおもいます。では、早速みていきましょう。


①自分の思い込みでは書かない

 これが一番重要なのですが、論文というのは、「客観的な視点」で書かれている文のことを言います。

 つまり、インスタやツイッターで日々書いているような

「タピオカおいしー🤩」という言葉さえ、論文の中で書くには表現を変えなければなりません。

 例えば、上記の「タピオカおいしー🤩」という言葉を、無理やり論文の中に組み込むと、次のステップを踏む必要があります。

 (1)タピオカはおいしいという、私の「主観」がある。

 (2)しかし、タピオカがおいしいというのは、私だけではない。こう考える背景として、「私の友達や家族、知り合い」もそういっている。つまり、その他大勢の人間も「タピオカがおいしい」という見解を持っているといえる。

 (3)上記を受けて、タピオカが「おいしい」というのは、単に「私だけ」の経験なのではなく、客観的な経験でもあるといえる。「客観的な経験」とは、周囲の意見もそうだが、文章として残っていればなお証拠として強みがある。調べてみると、「タピオカのおいしさ」について幸運なことに、いくつかの「先行研究」が見つかる。

 (4)ただし、「タピオカのおいしさ」について、Aという人間は「タピオカの食感」について重きを置いているのに対し、Bという人間は「タピオカの成分」そのものや、「個人間の味覚の差」について力説している。

 (5)私は、この時点で、三つの選択を取ることができる。AとBどちらの意見を正しいと思うかという選択と、Cという人間を見つけるという選択である。(この時点で、AとBどちらかの意見に立つならば、客観的主張はそこでだいたい終わる。あとは、AかBを自分の主張に基づいて、論理でフルボッコする作業となる)

 (6)AとBどちらの支持にも立てないとき、私はまたまた幸運にもCという人間を見つけた。Cは、タピオカのおいしさについて、「文化的な差異」について語っている。つまり、その文化におけるタピオカの需要や、ブームが「おいしさ」そのものの形成に役立っているというのだ。(この意見にもあわないなら、次にDやEという風に、「これだ!」という意見が現れるまで、本を読み続けたりする)


 (1)から(6)までを見た通り、「客観性」というのが非常に重要になってきます。ただ、難しく考えなくてもいいのです。ここでいう客観性とは、「私」以外の誰かが言っている「ことば」です。私の友達だろうが、SNSのフォロワーだろうが、他者は他者です。とはいえ、他者のなかでも「話している」ことばと、「書かれている」ことばでは、「書かれている」ことばの方が論文では使いやすいのは事実です。

「話している」ことばをどうしても使いたい人は、「インタビュー調査」をしてみましょう。


②論文の文字数の目安って……?

 よく聞かれることに、「論文の文字数」の目安があります。ぶっちゃけると、そんなものありません。ただし、多くの場合、最低の文字数くらいはあります。だいたい「2万字」がそうだとされています。

 ただし、論文によっては「1万2000字以上」からが、およそ最低限論文の体を保つものとして一般的かもしれません。このあたりは、専攻によって違うので、何ともいえません。一部の大学では、明確な規定があると聞いたので、その規定に従ってください。

 とはいえ、何よりも「書かれている」内容が重要なのは間違いないでしょう。なので、自分が発見した成果が2万字に届かないからといって、ダメというわけではない。のびのび書いたり、あとは文字数が足りず困ったら、「言い方を変える」というテクニックも必要になってくるでしょう。「しかし」を「だがしかし」に変えると、2文字プラスになったりとかね。まあ、あまり褒められたやり方ではないので、みなさんはあまり真似しないで、のびのび書いてください。


③良い先行研究が見つからない&結論が微妙だ

 ①では、「タピオカおいしー🤩」という主観的な意見を、客観的な意見に変えるにはどうしたらよいかを話しましたが、正直言って、「タピオカ」についての先行研究が見つかるとは思いません。(少なくとも、哲学を専攻している人間にとって、タピオカの先行研究があるという話を聞いたことはない。タピオカで哲学できるなら、哲学業界もまだまだ捨てたもんじゃないとは思う)

 先行研究が無い研究は、「できません」。学部生には不可能に近いといった方がいいかもしれません。難易度が高すぎるので、避けた方がよいでしょう。やるなではなく、やれない。

 卒業論文の教官たちの「裏テーマ」を暴露すると、「いかに先行研究に基づいた研究ができているか」ということを、基準に置いているので、はっきりいって「先行研究の無いテーマ」を研究されたら、教授は「あちゃー」という気分になっています。

 なぜ、先行研究に基づいた研究に重きを置いているのか。一つは、「剽窃」に代表される「研究不正」の問題があります。人文科学系だけでなく、理科学系の学者にもいえるのですが、「他人の研究をパクる」あるいは「先行研究を捏造する」人間がそこそこいます。二年ほどまえに、ある大学の院長が研究不正(捏造と盗用)で懲戒解雇されました。

 研究不正はそれほど重たい処分が為されます。卒論クラスでも正直言って、あまりにもひどい盗用が見つかれば、研究不正になります。そうなると、学士号取り消しなんてことになるかもしれません。なので、「先行研究をただしく扱えているか」は本当に重要な事項なのです。

 研究不正をしないよう、ガイドラインの書かれたサイトを挙げておきます。

 これらを見て(見るのは面倒だとおもいますが)、研究不正を犯さないように論文を書くようにしましょう。


④おわりに

 先行研究の大事さについて書いてきました。

 ①から③まで読んでいただくと、論文について少しは意識が変わるかもしれません。読んでいただいてありがとうございました。

 最後に、先行研究を調べるサイトや、「引用文献の書き方」のサイトをいくつか載せておきますので、参考にしてください。



 ではでは、失礼します。




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