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074立体ホロスコープと3300万星のプラネタリウム✳太陽/ブラックホールプラネタ……✳再ソシアルバー

 ここは仮想世界にある球体ビル六階、屋内自然公園。ここにはプラネタリウムドームがある――はずだった……。


「プラネタリウムがない」


「「「えーーー」」」




 それらの反応を見計らったかのように『ガイダンス』が皆に心の中で共有する。


《プラネタリウムは先程アップデートされた為、球体コアスペースでの3Dホログラム上映になります》


 3Dホログラムは、球体ホログラムによりどこでも投影可能で、特別な装置は必要ない。


 六階は階高四メートルであり、球体コアスペースは内直径六六メートルあるので、スケールは明らかに大きくなる。


「じゃあ移動しましょう」



 転移クリスタルで球体コアスペースに移動。


 無重力状態になったので、私たちはそのまま中心部で浮かんでいることにした。


 すると、どこか心に深く沁み入るような、魂に響くような不思議な音楽が澄みわたった。


(嗚呼、これは星々の音色かしら)


 自然とそう感じている。

 


 そして私たち各々の目の前に、3Dホログラムが出現した。


 それは誕生ホロスコープ/アストロチャートと呼ばれ、基本は自身が誕生した瞬間の太陽と太陽系惑星の配置(時空間座標)が顕わされている。


 人によっては、と言っても私たちは全員であるが、小惑星、太陽以外の恒星、そして銀河系中心にあるブラックホールの位置も認識可能であった。


 天動説な地球中心のホロスコープ

 地動説な太陽中心のホロスコープ

 ブラックホールな銀河中心のホロスコープ


 これらが目の前で同時に顕現されている。



 誕生ホロスコープが紐解かれることによって、適性やライフデザインのヒントに繋がりやすくなるのだ。


 人生が最適化されやすくなるとも言え、好ましいのはオートシステム――自動的に、メタ時空間――イーオン――永遠的。


 集団、組織、並列感覚共有体のホロスコープも存在する。私たちのクランやギルドは設立日時はそれぞれの『シェアルゴリズム』が生まれた時間で、物理的な特定の場所はない。


 集団のホロスコープはグランドデザインやシェアゴールに繋がりやすくなる。いつものように私たちは最適化シェアルゴリズムが『Sync/共有/同期』されている。




 すべてのホロスコープは消え、最大約3300万もの、まるで無数な満天の星空が至るところに広がり、銘々が明滅を始めた。


 奥行きがありとても美しい。


「きれい……」


 皆、瞳の奥もキラキラと輝いてる。


 心の奥深くもキラキラと瞬き始めていた。



 地球中心のプラネタリウムから、水星から観た星空、続いて金星からの星空が観えた。


 次に火星、木星、土星からの星空、続いて、天王星、海王星、冥王星からの星空。


 次は太陽中心のプラネタリウムが広がった。


「きれいきれいきれーーい」


 最後にブラックホール中心のプラネタリウムが広がったのだ。





『『『  』』』







♪  ♪  ♪  ♪  ♪  ♪  ♪



 あくる日、現実世界の私たちはソシアルバーに来ていた。


「こーんばんはー」


 カウンター内にお一人。


 L字型カウンター席にお四人。


 今日の日替わり店長は三人で、手書きの文字が描かれたTシャツだ。スマホが昔でいうアナログとされ、立体動画Tシャツや形やデザインが変化する衣服がある中、手書きは超アナログで粋なのかもしれない。


「起きてくれてありがとう」とはやはり粋なのだ。


『存在豊』に限りなく近い。



 本日はポジティブになりたい人、久々に褒められたい人にお薦めらしい。


 アンサーTシャツとして、とある耳が聴こえないヒロインアニメのクライマックスのように


「生きるのを手伝ってほしい」Tシャツでも作ろうかしら。アンサーならそんなセリフも書けてしまいそう。



 着席後、私たちにまず始めに質問ラッシュ。結構、広めのオープンクエストチョンもあり、「んーー」と頭をひねることも。でも私も似たようなことする時もある。


 質問攻めは、褒めるにはまずは相手を知ることか大切だからなのか、好奇心なのか、初見で不安なのか、はたまた……それは後ほどわかることになった。


 しばらくすると


「不思議な空間ですね」


 思わずシェリーの口にから出た。



 本日のスタッフは三人。


 ひとりは質問してくれた方、もうひとりは気さくに話しかけてくれたりして気を配ってくれてる方、三人目はカウンター内で特にニコニコして、優しいスナックのママに観えてきた。


 お客さんの二人は、隅に芸能人みたいな明るい方と、話をしっかり受けて応えてくれる方。


 普段何してるのかと訪ねられた為――


 シェリーは――


「私たちは――各々の、集団(集合共生体)の『ポテンシャル』が発揮されるプラットフォームNets構築、運用と、『∞BANKs』というゴールを可能な限り実現させているわ」


 ソファは――


「私たちは『あの方/あの方々』とめぐり逢うように動いてるの。『グランドデザイン』も実現したいわ」


 私は――


「私たちは、最近はまた、反応しない練習をしている」


 補足が始まる。


「ポテンシャルはその人、集団の適性や潜在可能性、最適化された状態ね」


「∞BANKsは心/精神面と身体/物質面の豊かさと潤いが、自動的に循環するアルゴリズムやシステムNetsみたいなことね。


 もし生まれ変わっても生まれ変わらなくても、『メタ時空』(時空間を超えて)で永遠な豊かさとなるわ」



「グランドデザインは、コアシンボルとなる球体フリースペースと、球体ビルを中心としたコンパクトスマートシティみたいなものよ。気の合う者たちと、生活、活動して、遊んだりするの」

 


「これらを叶える上での基本原理/指針/バリューとなる価値観は、まずメインクオリア(感覚)――


♪  ♪  ♪


ここちよい あんしん しあわせ よろこび うれしい たのしい

うるおい ゆたか よゆう ゆとり わらい あそび


♪  ♪  ♪ そして漢字――


安寧 快適 快眠 充足 活力

共生 円満 大団縁 一体感 共有感 感無量

感銘 信頼 真摯 恩寵 祝福 余録 超豪運


♪  ♪  ♪ 


ここまででも充分。


♪  ♪  ♪ 後は細かく――


健康長寿 不練周天 塞翁が馬

ヒュッゲ めぐり逢い わらしべ長者

創意工夫 臨機応変 最適代替案 全体最適解

蒸留 アップデート


♪  ♪  ♪ カタカナ――


インサイト ニューオーシャーン

ミニマル シンギュラリティ クォンタムリープ

コーピング マインドフルネス ポテンシャル ハイライト


♪  ♪  ♪ めぐり逢わせ――


超言語 共通コード 共有回路

球体ホログラム シンクロニシティ


♪  ♪  ♪ 全体に適用――


自動化 最適化 快適化 持続化 共有化 永遠化


Sync(同期共有)Links/Connects/Nets(繋がり縁)

Presence(存在永遠豊)


♪  ♪  ♪ 


 これらは言葉だと面倒なので、球体ホログラムによりほぼ一瞬で共有された。


 自然と『Sync/共有/同期』される方もいた。



「反応しない練習は、初めのうちはある不快な刺激や出来事が起こったときに、反応せずにメタ認知(客観視)になることよ」


「刺激と反応の間、つまりは入力と出力の間に何らかのスペースができることとも言える」


「慣れてくるとメタ認知なメタ思考感情となり、さっき言ったポテンシャルクオリアとなるわ。そして共有されていく」


「ヴィバッサナー瞑想やマインドフルネスもそうよ」


 すると隅にいた方が偶然にも


「私、山奥に籠もってヴィバッサナー瞑想するの」


「あーー千葉の南にあるサンガよね」


 あまり街で聴くことのないヴィバッサナーの話題で盛り上がる。どうやら最近のテーマらしい。



 続いて、新しいお客さん登場。


 席に着き、開口一番


「まず褒めて」


 まるで、初めにビールを頼むかのように。


 その後も聴いたことないような面白い話と発想が続く。運もいいようだ。


 やりたくないことはやらないようにしてきたらしい。


 それは先程の指針バリューで言うと、ミニマルやハイライトに当たる。


 ミニマルの最小限の努力と最大限の豊かさに近い。


 ハイライトは、選りすぐりや本当にいいもの大切なことにフォーカシングされる。



 そんなこんなで夜も更けて来て、新しいお客さんが来店。


 最初にたくさん質問をしてくれたスタッフさんは、別のお客さんに先生みたい、私たちに学者、研究者みたいと言われていた。


 今度の新しいお客さんには


「いつから褒められたいとおもいましたか」


 問診していた。


 そうか、初めの質問ラッシュは問診でおり、お医者さん(みたい)と理解できたのだった。後半、あんしんする優しい雰囲気が醸し出されてた。


 となりのお客さんも、相変わらず、やさしいリアクションを続けていた。あんしん。天使。



 自然とお客さんが他のお客さんを上手く褒め出す、ある種の参加型となり、やりづらいとのことで、スタッフさんも褒められる側へ。主客同一。境目が曖昧、分け隔てがなくなります。


 さらに夜も更け、スタッフさんが――


「どんなに悪い人も、誰もが魂は純粋なんじゃないか」


「人数が多ければいいってことでもなく、いい話ができた」


 諸々、素敵なフレーズが共有されていた。


 私たちは、しあわせクオリアを味わいながら、こういうメンバーと何か一緒にできたらしあわせなんだろうなーと感じていたのでした。


(トークやダイアログであり、セッションであり、深みと拡がりのある、良質なコミュニケーションがシェアできる環境も、やはり私たちにとって快く、大切なのだ)とも感じたのでした。


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