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常にヒューマンファーストで成長していける会社でありたい — by makemepulse <vol.20>
WORKS GOOD! MAGAZINE 第20弾はリアルタイム3D、WebGL、とWebVRなどのコンテンツ制作を主軸とする makemepulse。カンヌライオンズをはじめとする有名な賞を数々受賞している彼らに、印象に残る作品を生み出すためにはどのようにしているのか詳しく話を聞いてみました。
Q、まず初めにmakemepulseについて教えてください。
makemepulse は2008年に設立したインタラクティブプロダクションで、文字通りインタラクティブコンテンツの制作を得意としています。主な拠点であるパリには25人、ロンドンには2人が所属しています。得意分野がプログラミングに直結しているため、27人のうち半分以上のメンバーがデベロッパーで、デザイナーは5人ほどになります。
Q、主な拠点はパリとのことですが、なぜロンドンに支店を開設したのですか?
フランス国外の仕事も積極的に受けていきたく3年前にロンドン支店を開きました。もちろんフランスでも国外の仕事の依頼はきていますが、ロンドンのほうがビジネス的に間口が広くハブとして機能しやすいということがあります。
Q、これからさらに支店を増やすなど会社を大きくしていく予定はありますか?
会社の成長のために事業拡大は重要なことだと思っていますが、重要であるからこそ慎重に進めていくべきだとも認識しています。もし急激に拡大させた場合、アウトプットが今までと同等のクオリティを保てるのか、会社として一人ひとりのメンバーをコントロールすることができるのかなど、多くの課題に直面するはずです。そのためにも会社のコアとなるグランドルールが必要だと思っています。
また、拡大させるためにはスキルの幅をもっと広げて、多種多様なクライアントのニーズに合うようにしていかないといけないということも感じています。
Snapchat
Q、 私たちと同じ規模なので聞きたいのですが、どのように25人のメンバーをまとめていますか?
25人を一斉に管理するのはほぼ不可能に近いので、私たちは1チーム5人制を採用しています。これはAmazonが提唱する「2枚のピザ法則(※1)」からインスパイアされています。今の人数ではこのやり方がしっくりきていますが、これから人数が増えこのやり方が通用しなくなったときには、また別の方法を模索すると思います。各メンバーのことを第一に考え、時代の流れや人の考え方の変化に沿って働き方もカスタマイズしていきたいです。
(※1)米Amazon CEOのジェフ・ベゾスが唱えたもの。ピザ2枚でお腹がいっぱいになれる人数でなければ、チームが大きすぎるという意味。
Q、あなたの会社の強み、または、他とは違うユニークなところを教えてください。
デザインファーストではなく、デベロップメントファーストなところですね。パリだけでも15以上のプロダクションがありますが、ほとんどがデザインをメインとしています。そういったこともあり、他と比べて私たちは新しいことをやりやすいと言えますね。
Q、どのような基準で仕事を受注していますか?
営業をかけて仕事をとってくるカルチャーはないので、お問い合わせをもらって受注、という流れがほとんどです。来た仕事をお断りしたことはあまりなく、累計でも10%未満だと思います。自分たちのスキルやカラーに合っているかどうかが判断材料になっています。
Q、あまり断らないとのことですが、案件の質とお金のバランスはどのようにとっていますか?
カンヌライオンズのように大きな賞を穫れるポテンシャルを秘めた案件はチームのモチベーションに繋がるので、予算と工数が見合わなくても受けたいものです。また、他社があまり興味を示さないもの、例えばデザインはイマイチでも技術面で挑戦的なもの、今まで誰もトライしたことのないようなものであれば、積極的に受けていきたいです。
Q、各案件を担当するメンバーはどのように決めていますか?
まずプロデューサーを選定します。プロデューサーによって得意分野がそれぞれ違うので、その案件に誰が一番向いているかを経営陣とプロデューサー全員で話し合い、判断します。プロデューサーが決まったら、次はそのプロデューサーがチームメンバーをアサインします。アサインされたメンバーは辞退することもできますが、同時期に大きめの案件が重なってしまうなどのスケジュール的理由以外で辞退を申し出ているメンバーは見たことがないです。
今着手している案件と今後着手していく案件とを全社で共有するミーティングを週に一度おこなっているので、そこで自ら手を上げることも可能です。
Q、一つのチームで複数案件を同時に進行することはありますか?
もちろん運用案件などはありますが、基本的には一つのみです。そもそも、案件ごとにチームは変わっていくので、ずっと同じチームでいくつもの案件を進めていくこと自体があまりありません。
Q、他社とコラボレーションすることもありますか?
インハウスで賄えない技術が必要なときに他社とコラボレーションすることは多くあります。もちろん大変なこともありますがその分新しい技術を学べるので、メンバーにとってもいい刺激になっていると思います。
また、コラボレーションすることによって自分たちの得意分野に集中することができますし、逆に、何が不得意かもよくわかるので、向上すべき点がはっきりします。自分たちに出来ないからと言って依頼を断るのはもったいないので、他社と助け合って良いものが作れるなら、コラボレーションは大いにありだと思っています。
なお、基本的に私たちの仕事はクライアントから直接依頼されるのではなく、エージェンシーを介しているものがほとんどです。ストラテジーや企画を考える機能が私たちにはないため、他社とのコラボレーションは必然として多くなっています。
Q、モチベーションを保つためにも良い案件を受注するとのことでしたが、それ以外にメンバーのモチベーションを保つ方法はありますか?
仕事だけでなく、サイドプロジェクトもできるよう環境を整えています。経営陣に提案をしてもらう必要はありますが、プロジェクトとして成り立ちそうなものにはきちんと予算も設けています。デベロッパーが多いこともありゲームの提案が多いですね。
モチベーションを高める意図もありますが、普段の仕事では触れることの少ない事業全体の流れや、プロセスを学ぶことができるので、積極的に取り組んでほしいと思っています。
Q、 会社として一番大切にしていることはなんですか?
今着手している仕事を誇りに思えるかどうかです。クライアントのために、というのはもちろんですが、会社のために、そして自分のために仕事ができるかも重要です。
そう思ってもらえるように、なるべく全ての案件を広報し、各案件がローンチされたときや賞をとったときには毎回お祝いするようにもしています。
Q、では最後に、「良い仕事」をするのに一番大切なものは何か教えて下さい。
メンバーですね。彼らがいなければ仕事は成り立たないですから!
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