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ドイツ指導者挑戦記 Folge2

みなさんこんにちは!
WFCスタッフのトシです。

はじめに

今回は第二回という事で、
なぜドイツを選んだのか
どの様な目標を立てたのか

について、紹介したいと思います!

前回の記事はこちらから↓

https://note.com/wfc0621/n/nfdc7aa396340

ドイツへの挑戦を決めた経緯

日本以上にサッカーが盛んな国は多くありますが、その中でも何故南米や、スペイン、イングランド等では無くドイツへの挑戦を選んだかと言うと、
1番の決め手は約10年前の選手時代の挑戦の記憶と、
その時に感じた気持ちです

当時、ドイツへトライアウトの為に渡航する前、
スペインで1シーズンプレーしていました。(当時18歳)
そして、サッカー関係の繋がりからドイツへの挑戦を決め、
ドイツへ渡航し、ミュンヘンを拠点に活動していました。
その際に、スペイン以上に恵まれたサッカーの環境、取り組みの姿勢には、
同じヨーロッパでもこんなに違うのかと衝撃を受けました。
そして、自分の性格やスタイルを考えた時にも、
よりオープンで攻撃的なスペインよりも、
堅実ながら、実用的なサッカーを展開するドイツに魅力を感じました
サッカー面以外でも、ドイツは文化的にも生活面でも自分にとっては馴染みやすい感覚がありました。
それらの理由から、海外で指導者としてチャレンジをする際は、
ドイツでチャレンジをしたいと思っていました。
その後のドイツは、ご存知の通り世界を制し、
世界最高峰のヨーロッパの舞台でも先頭を走る存在となっていきました。
そんなドイツの躍進の理由を知りたいというのも大きな理由の一つでした。
しかし、永遠に続く時代というのは無く、
そんなドイツもロシアW杯では、グループステージ敗退となりました。

自分としては、逆にそれは良い機会だと感じました。
というのも、この厳しい現実からドイツはどの様に再度トップを目指すのかという道のりを、このタイミングでチャレンジすれば
間近で学ぶ事が出来ると考えたからです。
これらの理由が、自分がドイツでのチャレンジを決めた最も大きな動機です。

ドイツでのプラン

いざ、ドイツでのチャレンジを決めたという事で、
次に行ったのは、ドイツ渡航後のプランニングです。
費用面等の事もあるのですが、そうした部分に関しては、
次回、どの様に資金繰りをしたのかという自分のケースを紹介したいと思います(海外に挑戦する際に最も大きな障害が、費用面という方は非常に多いと思います)

まず第一に考えたのは、
最終目標です。
やはりここが定まらない事には、短期・中期の目標を明確にしていくのは難しいですよね。
個人的には、最も大きな目標として、
Fußballlehrer (ドイツの最上位ライセンスでありUEFA Proとの互換性もある)の取得とドイツのプロリーグで指揮を取る事を設定しました。
現実的には、長谷部選手くらいのドイツでの実績が無いと、この目標を両方達成するのは難しいとは思いますが、自分の様な最底辺から出発したと言える人間でも、そうした舞台に辿り着ける、チャレンジ出来るという一つのモデルケースにもなれればと思い、この大きな目標を掲げています。
そして、多くのケースでは、ドイツに指導者として来られる方は、ケルン体育大学に入学し、学んでライセンスを取得していくというのが良くあるパターンなのですが、
自分自身は学歴も無いですし、人と同じルートでは到底間に合わないと考え、
最初からチームに飛び込み、叩き上げで成り上がろうと考えました。

そして中期目標として、5年でAライセンスの取得を掲げました。
年々上位ライセンスの講習を受講するための評価点を獲得するのも難しくなっているというドイツの指導者制度の中で、
4部以下のチームを率いる事が出来るA級ライセンスの取得は、
日本人にとって簡単な事ではありませんが、
ここでも大きく背伸びをしても届かないくらいの目標を設定しました。
そこからの逆算で短期目標を設定すると、
中々一つ一つがハードルの高いモノになりますが、
チャレンジといえば、理想と現実の間でもがいて、
可能性を掴み取っていくモノだと常々考えているので、
自分にとってはワクワク出来るチャレンジなのかなと思っています。

そして短期目標は、指導者として充分なドイツ語の習得と、B級ライセンスの取得です。
現在一年と3ヶ月程が経過していますが、残念ながら両方共イメージしていたラインには正直届いていません。
2年目にB級を取得し、バリバリにドイツ語を操って指導をするという状態をイメージしていましたが、現実はそんなに甘くはありません。
今年はコロナの影響もあり、また毎年多くの受講者が居る為、すでに今年の講習には空きがなく、申し込みも出来ません。
自分には語学の才能も全くと言って良いほど無いですし、もっと言えば、高校中退なのでまともな学力すら無いです。
そして、語学が不十分=指導をバリバリにドイツ語で行うというのは、夢のまた夢です。
ここに関しては最近も色々な方からのアドバイス等で沢山のヒントを貰っているので、ネガティブな感覚は無くなって来ましたが、つい最近までは、常に自分のドイツ語力、ドイツ語での指導力の無さに心が折れていました。

そして、現在では短期の目標を修正し、2020年にC級ライセンスの取得を目指しています。
そして2021年にB級ライセンスを取得出来ればと。
ですので現在の大きな目標は最初のライセンス取得と、ドイツ語での必要最低限な指導が出来るようになる事です。

どうしても伝えたい事

先日、Fußballlehrerのライセンスを持つ方からアドバイスを頂いたのですが、
日本人は非常に親切で真面目だが、
それはサッカーでは時に度が過ぎる場合もあると。
時には毅然とした態度で振る舞う必要があるし、言葉が分からないからといって竦んでいる必要も無い。
寧ろ、今お前はコーチとしてここにいるのだから、堂々と振る舞えと。
そこには日本人だからとか、ドイツ語が十分では無いとかは関係ないと。
修正すべき事があるのなら、伝えろ。
綺麗な文法でスラスラと的確に説明出来なくても問題ないと。
俺はドイツ人だが、練習や試合の中でシンクロでコーチングする時にはシンプルに単語で伝える。
この状況はこうで、こうだから、こうなるから、こうするべきだ。
そんな事をダラダラと言わなくても、
○○!遠い方の足!でも選手には充分伝わると。
そして、必要な時にはフリーズして説明すれば良いと。
心配ならカンペを作って伝えても全く問題無いと。
俺も、起こるであろうシチュエーションを想定してあらかじめ伝える事を準備していると。
言葉も大切かもしれないが、足りなくても充分に伝えられるし、言葉以外にも伝えられる方法は沢山ある
選手に対してフェアに、状況に応じて振る舞わなければならないと。
俺がビッグクラブ(マンC)を率いたとして、
ボールを集める必要があれば、ギュンドアンにもサネにもボールを拾って集めてくれと言う。
自分で広いピッチに散らばったボールを集めたら5分掛かるが、複数人でやれば20秒で終わる。
相手がロナウドやメッシでもそれは変わらない。
サッカーは一人でやるものではなく、チームスポーツだからだ。
そうした際には、配慮や遠慮などせず、コーチとして必要な振る舞いをしなさい。
選手が正しくない振る舞いをしている時は、注意をしなさい。
そうして当たり前の振る舞いをしていく事で、自然と互いの中にリスペクトが生まれる。
勿論、俺はコーチだ!言うことを聞け!
というスタンスを取れということではない。
これからどんどん良くなっていけるさ!

この話を練習帰りの車の中で30分くらいの間、
熱く本気で伝えてくれました。
自分ではこうした事は色々な所で目にした事がある内容であり、
日本語で聞いた事もある話でしたが、
ドイツに住み、もがきながら戦っている時に聞いたこの話は、
本当の意味で自分の中に強烈に明確なメッセージとして入ってきました。
勿論サッカーの知識や戦術も大事ですが、
その前に人としての立ち居振る舞いは、前提として指導者は持っていなければならないと再確認出来ました。
頭では分かっていたつもりでしたが、ドイツという国で、言葉に不自由がある中で、いつの間にか忘れてしまっていた根本的な部分でした。

おわりに

今回はドイツへのチャレンジを決めた経緯と、
その目標についてを紹介させて頂きました。
そして、そんな中でタイムリーに刺さった話しがあったので、是非皆さんにも紹介したいと思い、長くなりましたがここで紹介させて頂きました。
ドイツに来たからこそぶち当たった壁。
その壁のおかげで改めて感じる事が出来た指導者のあるべき姿。
こうした経験は日本では中々出来ないかもしれません。
指導者としてチャレンジしたい方は、是非ご連絡下さい!

次回は、どのような準備をしてドイツへのチャレンジに備えたのかを紹介したいと思います!

では、また次回お会いしましょう!
Tschüss!


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