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St angerって実はめちゃめちゃ良いアルバムだったんじゃないのか?

僕がメタリカの記事を書くのは実は初めてかも
決して嫌いな理由ではないのだが
長年聴き続けてもうギブアップといった感じになっちゃって
そもそもスラッシュ自体あまり触れなくなったものだから、意外にも一番聴いていないジャンルなのかもしれない

唯一僕が最近また聴きたくなってきたのが
「St.Anger」なんだ
そもそも、僕がこのアルバムを聴いたのは海外生活をしている時で
このアルバムがメタリカのアルバムとは知らなかった
なんとなくピンと来たから視聴してみたものの
やっぱりメタリカだと気がつくまでジャケをマジマジと見てからだったんだ

過去にそれこそ沢山ヘヴィーかつメタリカの特徴でもある怒りのアルバムリリースしてきたんだけど
もうジェームズも怒りを露わにすることも減ったのだろうなと感じていたんだ
長年トップに君臨し続け、孤独との闘いはあるものの何処かやっぱり所帯染みてしまう部分ってあるんだと思う
その点メガデスはずーーーっと怒り狂っていた
メタリカという存在自体に
何をやっても奴らには勝てない苛立ち
そもそもバンドをクビになった直後から
膨れ上がり過ぎた憎しみが生んだバンドこそメガデスだったんだ
新ギタリストカークに対して「下手くそ」呼ばわりしていたのもデイヴ
俺がいた頃のほうが断然テクニカルだったんだと未練タラタラだったデイヴは
これ見れみろとテクニカルなギタリストばかり相棒に選んでいたんだもん
年々楽曲も勢いも増し、歌唱力上がっているにも関わらず最悪二番煎じ扱いまでされてしまう始末
これじゃ冷める怒りも収まらんわなって

頂点まで上り詰めたメタリカは
ブラックアルバムでのセールスの高さは異常で
スピードを落としたのに関わらず売れたという素晴しい功績を見せた
それに気を良くしたのか、次作「load」はある意味メタリカ史上衝撃的な事件ともなった

まさかあのメタリカがオルタナに走るなんて…

この状況をデイヴはどう思ったんだろう

どれだけスピード上げて走っても追いつくどころか差をつけられっぱなしで、挙句の果てにオルタナにまで走って。ここいらで休憩を兼ねてピクニックでもしようぜと言っている様なものだ

話が少し脱線したが
じゃあこのアルバム「St anger」はまたLoadに似てかなり脱線したアルバムだと思う
今やネタにもなっている始末(ラーズのスネアの音が8割くらいだけど)
でも僕には本来メタリカが持つヴァイブというものをこのアルバムから感じる事が出来た
そもそもアルバム・タイトルにセイント・アンガーと記載されているように
このアルバムのコンセプトは怒りなんだ
長年持っていた怒りの炎が消えかかった時
メタリカ内で起こったベーシストの解雇

ジェイソン・ニューステッドの脱退だ

そもそもクリフの死から少しずつバンドがおかしくなり始めてしまった
そのイライラを全部ジェイソンに向けられ
メタリカを良くしていこう!盛り上げていこうとするジェイソンの直向きにな姿勢も虚しく
イジメの対象になってしまった

挙げ句に解雇という形になり
バンド内でのイザコザ、ジェイムズのアルコール依存症、ナップスター問題でファンがストライキを起こした事件も重なり
非常に重たい雰囲気を放っていたメタリカ
そんな精神状態でいいアルバムなんて書けんのかよとラーズはジェイムズに問いかけると怒りのままにスタジオ後にした時は
もうメタリカ終わりなんじゃない?と多くのファンは思っただろう
その裏ではジェイソンは落ち込むどころか
新バンドでの成功、オジー・オズボーンバンドからのスカウトと右肩上がりの状態
カークとラーズがライブに訪れると、さっさと楽屋を後にしガン無視されたメンバー
ちょっと未練タラタラ何じゃないかとジェイソンの気持ちを考えると複雑な心境なんだが
これがジェイソンとメタリカの温度差だった

王者メタリカが初めて見せた弱さ
もうボロッボロの状態でレコーディングを行っているシーンを僕は映画「Somekind of Monster」で垣間見る事が出来たんだが

その怒りの矛先がセラピストやボブ・ロックまで及んでいた時はちょっと子供すぎん?って少し呆れてしまった
それでも、何とか新ベーシストが加入しようやくバンドは徐々にプロモ活動を始め
何とかアルバムリリースした

勿論僕はその内情は知らないまま
試聴コーナーで聞いていたんだけど
凄え音ってのが第一印象
後、何だか良くわからないリフも入っていて
格好良くて、すごくて、良くわからないというのがこのアルバムの印象だったんだ

でも本来メタリカ持っていた怒りのヴァイブは色濃く感じる事が出来たんだ
なんというか起こってるではなくブチ切れているという表現が適正だろうか?
メタリカで一番キレてるアルバムって
やっぱりファーストのキル・エム・オールで間違いない
荒削りでダーティーで野蛮でファスト
それこそがメタリカの凄みであるし、それこそがメタリカだったんだ
でもLoadを聴いた時にもう所帯染みてしまったんだなと思った
あんなり聴きやすいバラードを歌うバンドだとは思わなかった
下手するとU2なんじゃと思ってしまうほど
メタリカとして聞かなければいいアルバム何だけど…

やっぱりメタリカは怒っていないといけないんだな
それこそ癇癪持ちのジェームズがイライラしている時こそがもはやメタリカ何じゃないかと思う
一曲目のフランティックなんて凄いよ
ラーズのスネアがドラム缶だなんて言われても
あんなマシンガンみたいなドラム叩いて
それにユニゾンするギターなんてメタリカしか出来ないと思うんだ
それに加えて frantic tick tick tick tackと叫ぶジェームズは狂ってる
狂いに狂って声がひっくり返ってるんだもん
でも、僕はそれが聞きたかった

刑務所で演奏する St angerもそう
アナーキーで強面でキレてるメタリカが聞きたかった

完成されてるようで何だか未完成なのは確かに良くわからない
あれが意図的にやったものなのか、そもそも途中でモチベーションがなくなったのか
重厚なサウンドが展開されたかと思えばする急にスカスカの音になったり何度聴き直してもよくわからないんだけどw
多分レコーディングしてた本人達も良くわからなかったんじゃと思うw
後半部分ではもう記憶にすら曖昧な曲も入っていて、要所要所でカッコいいリフがあるのに、何処かおかしいみたいな
でもなんだろう、サウンドからメタリカの人間臭さを感じ取れた気がする
完璧で無敵なメタリカではない
何処か未完成なフラフラした部分もあってこそ
王者メタリカでありメタルアイコンなんだと思う

もうカッコつけるどころか、わけわかんなくなって変なファッションに目覚めちゃった様な感じ

そんな人間メタリカこそがSt angerというアルバム何じゃないかと
どんなに憧れた存在でも、俺たちだって人間なんじゃ
時にはおかしくもなるんじゃと

僕は実はこのアルバムは上位に入るほど好きで
聞き直したアルバムだった
ライブでフランティック聴きたい曲実はナンバーワン
それだけ、このアルバムには思い入れがある
それとCDに付属されたスタジオライブを収めたDVD
あれは超かっこいいよ!
マジでカッコいい!これは断言できる!



でもこのアルバムをリマスターしたやつは駄目ねw

皆が言っていたのはそういうことじゃないんだけどなーってw



ではまたー

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