恐妻から学ぶ_わかりやすい会社法(4)組織再編、合併
合併や株式移転などの組織再編を行う際は、会社法に基づいて手続きを進めていかなければなりませんが、その仕組みは複雑であります。
会社法に基づく組織再編・合併に関してわかりやすく解説します。
【組織再編】
企業の利益拡大や事業運営の効率化などを目的とし、企業内の組織を編成しなおすこと
①合併②会社分割③株式交換④株式移転⑤事業譲渡に分けることができまます。
【組織変更との違い】
組織変更とは、法人格を維持したまま会社の形態を変更すること
持分会社から株式会社に会社形態を変更すること、もしくは株式会社から持分会社に会社形態を変更することを指します。
(1)合併
複数の会社を1つの会社に統合するM&A手法
他の会社を完全に取得する手法として用いられる
グループ企業における組織再編(機能統合など)や、業績不振の企業に対する救済、税務メリット(繰越欠損金の引き継ぎなど)の獲得など、あらゆる目的で活用
①吸収合併
合併の時点で法人格を持っている企業が存続会社となって、消滅する会社を丸ごと取得する合併を指します。
②新設合併
一度すべての企業を解散し、各会社が持っていた権利義務のすべてを新しい会社に移管する手法
③合併のメリット
資金を準備せずにM&Aを実施することが可能
売上・コスト・財務などシナジー効果が発揮しやすくなる
対等な立場でのM&Aという印象を与えやすい
消滅会社から事業用資産や優秀な人材、販売網などを取得することで、事業規模の拡大を図ることが可能
④合併のデメリット
手続きが非常に多い
新しく新株を発行・交付する場合、合併比率次第では買い手株主の持分が希薄化するが恐れがあるため、株価が下落する可能性がある
(2)会社分割
事業の分散に生かせることが可能
M&Aには多額の資金が必要な手法もありますが、会社分割であれば資金は必要ない
①新設分割
新しく作った会社へ切り離す事業を承継させる手法
②吸収分割
新しい会社はできず、対価を受け取り事業を承継会社へ譲り渡し
(3)株式交換
売り手企業の全株式と買い手企業の株式などを交換することによって完全な親会社・子会社の関係を作り出すことが可能
買い手企業の親会社の株式を用いる三角株式交換という方法もあり
(4)株式移転
すでに存在している株式会社を対象として、その会社の発行済み株式の全部を新たに設立する会社(特定親会社)に取得させることが可能
株式移転によって設立される会社を株式移転設立完全親会社、株式移転により完全子会社となる会社を株式移転完全子会社といいます。
(5)事業譲渡
会社がある事業の全部または一部を譲渡すること
企業全体を売買対象とする株式譲渡と違い、譲渡対象の事業を選ぶことが可能
全部譲渡と一部譲渡がある
今回は紹介レベルになりましたが、組織再編・合併は十分ありうる話ですので、まずは知っておくことが大切なため取り上げさせていただきました。
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