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恐妻から学ぶ_わかりやすい経営分析(5)

経営者に限らず社会人であれば、誰でも自分の所属する会社が成長してほしいと一度は考えたことがあるかと思います。

企業の成長性に関して日々考え、「成長性」に関して把握していないと、今後も継続的に成長することが難しくなるかもしれません。

成長性を分析することにより、なにが要因になって成長することができたのかが明確になります。また次年度以降、毎年どれくらいの成長が見込めるかを把握することにも貢献できる成長性分析についてお伝えいたします。

【成長性分析とは】

成長性分析とは、企業の売上高や総資産などの規模が、どれくらい変化しているかを分析することにより、企業がどれほど成長しているか、業績が伸びているかを判断するための分析を指します。

成長性分析で大切なことは、前年度に対してどれくらい売上高がアップしたかなど、単一の指標だけで成長性を判断しないことです。

今回は成長性分析として主に用いられる指標をお伝えいたします。

(1)売上高増加率
・成長性分析の基本になるのが、前年に対していくら売上高が伸びたかという指標

・今年の売上高が前年よりもプラスになっていれば「成長」、マイナスになっていれば「衰退」を意味


(2)経常利益増加率
・企業の正常な収益力を示す経常利益

・売上高に加えて経常利益が増加していれば、企業の利益は上昇傾向にある

(当期経常利益-前期経常利益)÷前期経常利益×100


(3)営業利益増加率
・営業利益の増加率を算出することで、企業が本業によってどれくらい稼ぐことができたかを判断

(当期営業利益-前期営業利益)÷前期営業利益×100


(4)総資本増加率
・総資本が前年に比べてどれくらい増加したかを把握するための指標

      (今期総資本-前期総資本)÷前期の総資本×100

(5)純資本増加率
・企業が持つ総資本から負債を差し引いて残った資本がどれだけ増減したかを表す指標

    (当期末純資本残高-前期末純資本残高)÷前期末自己資本残高×100

(6)一株あたりの当期純利益
・企業に一株当たりの当期純利益は成長性の目安になり、この値が高いということは、企業が外部から高い評価を受けているという判断になります。

      当期純利益÷普通株式の期中平均発行済み株式数

(7)新規顧客増加率・顧客単価
企業が成長しているかどうかは売上高や利益、資産が増えているかどうかだけでなく、新規顧客数や顧客単価から判断する指標となります。


成長率は単に高ければいいというわけではありません。

100%成長、200%成長など、急激な成長は、資金調達面、あるいは人材育成面の問題をもたらす可能性があるからです。

よく起きる現象として、急激な売り上げ成長に伴って、借入金の増加による安全性の低下、債権回収や棚卸資産の管理が追いつかないなどの事態が生じる可能性があります。

あるいは、新人や管理職などの教育研修が間に合わず、業務プロセスに混乱が起きたり、顧客の満足度が下がるがあり得ます。

業界全体の成長も見据えた上で、「バランスのとれた成長」であるかどうかを見抜く必要がありますが、まずは自社の成長性を様々な角度から分析されることをおすすめします。

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