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自分たちでつくった写真展の思い出

まだマスクしなくてよかった頃、写真展を開いたことがある。誰かが主催した写真展に応募するのではなく、自分たちがやりたい写真展を自分たちで開いて自ら写真を展示した。

とってもたのしくて、刺激的で、自分史に残る経験ができた。今日はそんな思い出を振り返ってみる。

写真展のお誘い

カメラをきっかけに仲良くなった友人、小石くんがある日連絡をくれた。「写真展やらない?」

いいねぇ。その誘いを受けたとき、単純に心がワクワクした。

小石くんとは共通の友人がいて、みんなで鎌倉に遊びに行って仲良くなった。彼が撮る写真はもちろん、考え方やSNSへのスタンスにも「ほほう」と感心させられることが多い。

被写体さんを撮影するのがメイン
小石くんのInstagram

その共通の友人というのが、あいこ。持ち前の人懐っこさで、人の良い表情を引き出してパシパシ撮っていく。私とも、小石くんともまた違った写真を撮るので、彼女も誘って3人で写真展を開こう、となった。

かわいい〜!って言いながら撮ってくれる
あいこのnote

写真展のコンセプト

3人で集まって、どんな写真展にしたいか話し合った。おともはカレー。あと、ナン。

カレーとナンは最高の親友

写真を撮るひとも撮らないひとも、みんながたのしめる場にしたいね。その想いはみんな一致していた。

敷居が高くなくて、どんなひとでもたのしめるような。

そのコンセプトから、会場もギャラリーではなくカフェの一部を借りることにした。テーブルが置いてあって、写真を眺めながら食事や飲み物を味わうこともできる。

ちゃぶ台もある

どんな写真を展示しようか

どんな空間にしたいか決めたあとは、じゃあ具体的にどんなテーマの写真展にしようかと考えた。3人の個性が発揮できる、抽象的過ぎない、わかりやすいテーマ…。むずいねと言いながら、カレーを食べながら考えた。

そして決まったテーマがこちら。

まる

◯をテーマにした、まる展に決定した。◯という形は誰もが知っているし、想像もしやすい。いろんな角度から解釈する余白もある。ぴったりなテーマに決めることができた。

当日の入り口

あとは、各々写真を撮ってきて、会場に設置して当日を迎える。

当日、展示した写真

そして迎えた、当日。どんな写真をどんな風に展示するか、全然すんなりとは決まらなかった。悩みに悩んで、いろんな写真を見て、ある時アイデアが降りてきた。こういうとき、喜びよりも「降りてきてよかった…」っていう安堵の気持ちのほうが強い。

私の展示はこちら。

タイトル:アイコン

まるについて考えていたとき、ふと「SNSのアイコンって丸いな」と気がついた。アイコンは丸いけど、元となる写真は四角い。四角の画角の中で、良いなと思った構図で撮影する。

四角から丸になる。アイコンに設定するときは必ずどこかが切り取られる。アイコンになれなかった部分がある。それを想像できるような展示にした。

これ、仕掛けがあって。

元の四角い写真が出てくる

白いフタをめくると、アイコンになる前の四角い写真が出てくる仕掛け。

元々はこんな写真だったんだ、と驚いて楽しんでほしいなと。願ってたとおり、当日はたくさんの人がフタをめくって、アイコンからは想像できない写真の全貌を見てくれた。

我ながらいいアイデアだったな。今見ても、自分でも良いなって思っちゃう。お手本のような手前味噌ですが。

他の2人の展示も、全然また違った解釈で個性がそれぞれ発揮されていた。

小石くんは、まる=ピリオドと捉えた。ピリオドは文章の最後につけるもの、つまり物語の終わり。恋の物語を終えた女の子をテーマに撮影をして展示をしていた。その映画のような写真たちをフォトブックにもしていた。

あいこは、日常の中のまるを集めて、展示とフォトブックを作っていた。フォトブックは見開きの2ページが対になっていて、実は何かしらの共通点が隠れている、という誰もが楽しめるコンテンツをお届けしていた。

まさに、三者三様。

会場にもまるを散りばめた。

それぞれが今まで撮ってきたまるの写真を集めて、壁に飾った。

それぞれ写真の雰囲気や色味も違うのに、
形が揃ってるからか、なんとなく統一感ある

2日間で100人を超えるひとが来てくれて、それぞれが展示を見て、それぞれが胸に抱いた感想を伝えてくれた。

この、直接写真に対しての想いを伝え合えるというのが、写真展の良いところだなと思った。

写真を見たとき、100人いたら100人が違う気持ちを抱く。その十人十色の気持ちがすべて「いいね」に集約されてこちらに届く。いいねのボタンを押すまでの心の機微を知ることはできない。

だから、どんなところを「いいね」と思ったのか教えてもらえる機会を作れて、写真展をやってよかったなあ…とひとりひとりが伝えてくれる言葉を噛み締めた。

もちろん、展示している私たちからもそう。私は文章よりも言葉を発する方が自分の気持ちをしっかり伝えられるタイプ。なので、写真に対する気持ちや説明を話して届けられるのがうれしかった。

自分がいいなと思った表現を、来てくれたひとがいいねと思ってくれて、それを伝え合うことができて。自信につながったし、単純にたのしい空間だった。

来てくれたひと達も、普段写真を撮る撮らない関係なく「たのしかった!」と言ってくれて嬉しかった。

最初に決めたコンセプト、「敷居が高くなくて、どんなひとでもたのしめる」は達成できたのかな、と。

私の人生年表の中で、大事な日になったのは間違いない。展示、またやりたいな。

ちなみに、アイコンをテーマにしたフォトブックも展示用に作った。

この続きに載せるので、もしよかったら見ていってください。
(noteの売上は、今後の写真活動の源にさせていただきます。)

チラッ

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