【漫才.53】桃太郎

井口　はいどーもー！ウエストランドです！よろしくお願いします！

河本　桃太郎って知ってますか？

井口　もちろん知ってますよ。

河本　どんな話かちょっと話してみてください。

井口　え？だから、昔あるところのおじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に、でしょ？

河本　その先は？

井口　めんどくさいなー。すると川上から大きな桃がどんぶらこどんぶらこと流れてきました。

河本　それから？

井口　もういいだろ！その桃を持って帰って、割ったら子供が出てきて、桃から生まれたから桃太郎って名付けたんだよ！それで大人になって鬼退治に行くんだよ！誰でも知ってるだろ！

河本　そうなんですよ。誰でも知ってますよね。誰でも話せるんですよ。

井口　だからなんだよ。

河本　じゃあ、桃太郎の歌知ってますか？

井口　知ってるよ。

河本　ちょっと歌ってみてください。

井口　また？だから、桃太郎さん桃太郎さん、お越しにつけたきび団子、ひとつ私にくださいな。だろ。

河本　そうなんですよ！

井口　急になんだよ？！

河本　いや、歌にするパートおかしくないですか？

井口　は？

河本　前半全く無かった事にしてるんですよ？おかしいでしょ。

井口　別にいいだろ！

河本　よくないでしょ！桃太郎の名前の由来も、誕生した経緯も何にも入ってないんですよ！

井口　まぁ、そうかもしれないけど。入りきらなかったんじゃない？

河本　いや、桃太郎の歌って６番までるんですよ？それをなぜか鬼との戦いにだけ振り分けてるんですよ！おかしいでしょ！

井口　そこが話のメインなんじゃない？

河本　え？！そこがメインだとしても、名前の由来くらいは描かないと！これじゃあ、ただのきび団子配り太郎ですよ。

井口　なんだそのネーミング！

河本　鬼の悪さも描かれてないし。ただきび団子配り太郎が鬼をボコボコにしたっていうだけの歌なんだよ！

井口　熱量凄いなれ

河本　だって桃が出てこないんですよ？！

井口　桃から生まれたのはみんな知ってるからいいんだよ！

河本　それはおごりですよー。毎回初めてくるお客さんを意識しないとー。

井口　なんの話してんだよ！歌なんだから、そんなもんなんだよ！

河本　じゃあ、浦島太郎は！

井口　え？

河本　浦島太郎の歌は、前半から全部描かれてますよ？

井口　そういうパターンもあるんだよ。

河本　こうなったら、いよいよ桃太郎だけ変ですよ。

井口　もう知らねーよ！そんなにさせてー腹立つなら作詞した人に直接クレームでもいれろ！

河本　作詞者不明なんですよ。

井口　うーん、じゃあどうしたいんだよ？！

河本　僕が前半部分を作ります。

井口　は？

河本　おじいさん、おばあさん、じじいは山へ芝刈りに、ばばあは川へ洗濯に。これが一番。

井口　口悪すぎだろ！もういいよ！