【大分】新戦術を探る

Jリーグ再開。
やっと会えた(はぁと)

我らの大分トリニータも久々に公式戦です。それもダービー。燃える!

先週のJ2再開、J3開幕では歓声がなく、ある意味閑静な試合になるかな~!とか思ったらそんなワケはなく。選手の、監督の、生の声を聞きつつ、ゴールキックの際にシバかれるボールの音が思ったより軽い事に驚いたりもしました。
数試合みて面白いチームはたくさんあったので何かの機会に文字にしてみます。

はてさて。リーグ再開ってことで選手や監督からもコメントが出てたり面白い記事がたくさん。あ~!日常、帰ってくるんやなぁ~!とか思ってると何やら気になる話が。片さん、新戦術やるってよ。fromサカノワ

この記事はmiyashuさんのこの記事(読んでネ)から知りました。感謝。

と、言うわけで「トリニータの新戦術、勝手に予想してみようぜ!」(デデン!

新戦術!とは聞こえは良いけどそもそもの基本的な立ち位置を知らないと新しいもクソもないので開幕戦のフォーメーション図を。

①スタートの立ち位置(3-4-2-1)

②ビルドアップ→攻撃(4-1-2-3)

③前からの守備(5-2-3)

④自陣での守備(5-4-1)

だいたいの立ち位置の変化はこのような形。
とにもかくにもWBの香川と松本が滅茶苦茶走るのが前提。3バックの宿命ですね。
1トップの知念は自陣での守備から攻撃に転じたら味方の攻め上がりを待たなければならないので、ボールの収まり所にならなきゃいけない。大変。
まぁみんな大変ッスよ。
この①~④は後に使うのでメモったりスクショしてくれたらわかってもらいやすいかも。(わかるように書け!←)テスト出るぞ~

滅茶苦茶雑な振り返りをしたので、「新戦術」が意味するのは何ぞや?って所から。結論から言っちゃうとセレッソの形(4-4-2)が1つの完成形だからまずは長崎みたいなアプローチしてくぞ!って事だと思います(わからん)。とにかくグダグダ書きます。


ぼんやりと片野坂監督のJ1初年度の発言をざっくりとまとめると「J1 18番目のチーム」という立ち位置を明確にしてた。が、嬉しい事に1年を戦って9位という好成績を残す。これによりJ1中位の立ち振舞い、ってのを求めるという意味合いで「新戦術(デデン」という言葉になったのだろう。
つまりは「J1仕様の片野坂トリニータ」見せたろうやないか!って事やと勝手に解釈してます。非常に楽しみ。

その「J1仕様の片野坂トリニータ」の「新戦術」とは。それはすなわち、パッと見で分かりやすいのが(一時的な)4バックの採用ではないかな~と。上の図で言うならば②(4-1-2-3)に近いシチュエーションを増やしていく、と。

昨年のトリニータの守備は5-4-1→5-2-3と構える守備→前からのパスコースの制限という変化があった。
守備の基本はゴール前で各レーンを埋める5バック。ここから1枚減らす。重心を前にする。これが目的ではないか。
将棋の藤井聡太七段にひふみんが「穴熊使えるようになったら天下取るでぇ……!」っていってたやつの逆。「守備的な(5-4-1)穴熊以外の守り形を身につけたら上が見えるでぇ……!」みたいな。

ただ重心を前に!脱穴熊!と言われてバカ正直に攻めダルマにしちゃうとヤンツーや反町サンにしっかり苛められる(J2脳)のでこの4バックは「今の所は」限られたシチュエーションでしかやらないと予想。

じゃあどのタイミングよ?と言われたら、この新戦術が見えるであろうのはおそらく中盤での守備。③~④の間。具体的なシチュエーションで言うと……

また昨年の振り返り。
相手がDFラインでボールをキープ。中盤にいつボールを入れて大分の5-2-3の「3」を剥がしていこうとアクション。大分の1stDF(前3人)が牽制をしながらラインを下げる時。
今までの守り形であれば前3人、特に左右の町田、田中の位置の選手は相手が4バックであればCB-SB間、3バックであればCB-WB間に立っていた。

・対3バックの時

・対4バックの時

このときの町田、田中のポジションの選手は相手CB、CH、WB(SB)の三角形の中。鳥カゴの鳥になる事で「2度追い」が出来る。相手が隣のポジションばかりに各駅でパスを出してるといつまで経ってもパスコースが無いまま。だから「対角線の!」とか「1つ飛ばしたパス!」をしないといけない。が、距離が離れる分、精度が問われるしボールホルダーと各選手のポジショニングが整理されてないとドツボにハマる……

前の5人(上2つの図なら知念、町田、田中、小林、長谷川)が相手のDFラインからのビルドアップを邪魔する(パスコースを切るor前を向かせない)ことをしてる間に、WBの香川と松本が自陣に戻って5バックを作る!みたいなのがこれまでの大分の守備。③(前からの守備)~④(自陣での守備)は相手がCBが大きく蹴り出すか、中盤が大分の守備を掻い潜るか、CBがボールを持って上がり大分のラインを押し下げる事によって移り変わる。

ここからの変化が今年のトリニータの肝であり、「新戦術」の内容になるのかな、と踏んでます。

上記の話を簡単にまとめるなら「ボール非保持時のポジショニングはディレイ先行。スペース、コースを埋めるのが優先」であると言えます。これにより守備に人数を掛けられるので簡単には崩落しない利点と、攻撃に転じたら(ポジティブトランジッション時に)重心が低く、昨年の後期は相手の背後を素早く取って仕留める形が難しくなってしまった。

昨年度々(特に敗戦後に)話題に挙がった「もっと早く攻めろよ!」や「カウンターしないの!?」のアンサーは守備の担保を持たすため。下手に自分のポジションを捨てて前に出て行ってしまった場合、カウンターのカウンターと言ったトランジッション勝負になれば、まさに消耗戦。J2から上がってきたトリニータがJ1クラブと競技レベルより前の段階の「個」の身体能力に屈していただろう。それにスペクタクルな手に汗握る展開でなくともロースコアで90分耐えれば勝ち点が拾える。リーグ戦の戦い形として「カウンターの封印」はとても理に敵っていた。

ここから見るに……新戦術の内訳は

・能動的に!
・カウンターの解禁!

の2点になるだろうと。
死ぬほど長い前置きはここまで。多分鳥栖サポも(そして多くのトリサポも)脱落しただろうからコッソリ予想を書いていきます。

まずは能動的に!って何ぞや?ですが、これこそが一時的な4バック化です。
これまでのトリニータの守備は引き込んでからの圧殺でしたが、相手のビルドアップに対してより強くアプローチに行く事が求められるはず。守備の基準を位置(ポジション)からボール(人)へ変える。ほら、新戦術っぽい!

相手のDFラインが3枚か4枚かで変わるので図に表していきます。☆のマークがボールホルダーって事でよろしく。

・対3バックの時

知念がボールホルダーの片方のコースを消しながらプレッシャーに。このとき田中がボールの受け手側に寄せて、松本がWBの"前に"出る。CBはパスの出し所がないためリスキーなパス回しを無理やりするか、GKに戻してやり直すか、蹴り出すか。
田中、松本、岩田が1つずつポジションを上げて、逆サイドポジション町田と香川が相手の逆サイドへの展開を見据えてポジションを下げる。4-4-2っぽいね。

・対4バックの時

知念がボールホルダーを"サイドに"追い込む様にプレッシャーに行き、町田が対面するSBの前に立つ。ボールホルダーがターンして作り直しができないように田中をボールを持ってないCBにぶつけて松本、岩田が1列ずつスライド。フルコートのマンツーマン気味な形に。モロに4-4-2です。

ボールホルダーに能動的にぶつかりに行く!大事!に尽きるので、最初のアプローチがとてもとても大切。知念がサボったら守備の方向付けができずに死。まぁうちのCFでサボるタイプはそもそも取ってないでしょう。
それに伴い、知念がアプローチに行けたかどうかを判断してパスの受け手に蓋をする町田、田中は頭を使わなければならない。無理に突っ込めば芋づる式に同サイドの2選手(田中なら松本と岩田、町田なら香川と三竿)がスペースを空けて前に行くか我慢するかを一瞬で判断をしなきゃいけなくなる。次工程はお客様。皺寄せが行かないように判断をしないといけないOH。中間管理職だ……
そしてなにより、特に対4バックで見られるように噛み合わせによってはフルコートでマンツーマンに十分なりうるシチュエーション。ぜっっっったいに対面する選手に負けない事が大切。ここで上回る事ができたなら、昨年ぶち当たった「個の力」でバチバチにやれる=J1仕様のトリニータになった、と言えるでしょう。

図だけではイメージできねぇよ!って方は先週の長崎-北九州の試合を見て見ると分かりやすいと思います。長崎の守備がまさにこの形でした。それに対して北九州がどんなリアクションをして、変えていくか。とても面白いので是非に!國分のゴールもあるぞ!(ネタバレ

2つ目のカウンターの解禁ですが、ここが凄く難しい。判断を誤ると一気に崩落してしまいそう。
守備でミスをするだけでガタつくのに、ここ数年で数えるほどだったカウンターをスコーンと何度も喰らうとなると疑心暗鬼に陥って立ち返る場が無くなる。そんなクラブは幾度となく見てきたし、トリニータでも何回も痛い目を見てる……

なので、「再現性のある」カウンターの解禁が為された時、大分はビッグクラブへの大きな足掛かりに、片野坂監督は名将として日本サッカーを背負っていける!くらいの事だと考えます。そのための下地作りだから、カウンターの封印は甘んじて受け入れます。現場がそう判断してるのだから。

ですが、その下地作りはもう始まっている、とポジティブに考えたい。その理由は、上記の能動的に!の項目の図の中に含まれています。
改めて対3バックと4バックの守備を見てみましょう。
・対3バック

・対4バック

2つの立ち位置を見てみると、ハーフラインより上に6人居る事がわかります。
今まで(最初の図③と④)の知念、町田、田中、小林、長谷川の5人に松本(逆サイドからの守備ならば香川)が加わって6人。
もし相手がビルドアップでミスをして高い位置でボールを奪ったら一気にチャンスの場面。その時に1つ選択肢が多い事はカウンターを成功させる(シュートが打てる、相手の背後を取れるシチュエーションができる)可能性が上がる。
カウンターへの筋道はできてるっぽく見える、でしょ?


今回、「新戦術」というワードからそれっぽい妄想をグダグダと書いてみました。そんなそのものズバリで当たらんとは思ってますが、「能動的に」というのは今季の大きなテーマだと考えます。
そして、アグレッシブに!とは簡単に言っちゃうけど、"平面の"ピッチで選手間の位置取りとボールを見て「自分が今、どこの立ち位置で何を求められているか」を判断してプレーをしなければいけない。アグレッシブに動くというのはつまりスライドが増えるから、より体力的にも消耗が激しく、それに頭も使う。プロの選手の凄みは生でなくても絶対に感じられると思うのです。
そして片野坂監督の腕の見せ所。新戦術によってこれまで出場機会に恵まれなかった選手達が再び輝く場面が必ず来る。新ルールにより交代枠が増えた事も、選手の流動性を後押しするはずだ。
2種登録を含めた37人全員で。そしてスタッフ、スポンサー、サポーターも含めた大分トリニータに関わる全ての人たちと大きなうねりを作るシーズンになることを期待してます!勝つぞ!ダービー!

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