【大分】声以外すべてが詰まった等々力で 天皇杯準決勝vs川崎F
とにもかくにも素敵な、とてもとても愛おしい時間。
いろんな人に会い、いろんな感情が巡って、たくさんの表情を見て。同点になってからほとんどゲームが見られませんでした。
等々力では声以外、すべてが詰まっていたんだな、と。
いつものレビュー記事では両チームの立ち位置を見て「こんな狙いだったんじゃないの?」ってのをそれっぽく書いていますが、この試合に関しては野暮かなと。細けぇこたぁいいんです。そこにいた。楽しかった。大泣きした。これでいいんです。
どんな試合だったか、よりはどんな1日だったかみたいな。そんな感じで書いていきます。
12/11~12 川崎市
前日は川崎に宿をとってました。ホテルが繁華街の先にあったため、チェックインまでにキャッチにハイプレスをかけられてましたが、うまいこと往なして就寝。朝の川崎の繁華街は小汚くて静かで拍子抜けしてしまいました。
「あ、これから試合なんやな~」とぼんやりとしながら宿を出発。
川崎駅から武蔵小杉駅に移動して、たまたまバスが目の前に止まっていたから飛び乗って等々力競技場へ。
11:00ごろ
等々力着。
まずはアウェイ側に荷物を置いてサポ仲間にやっぱりばったりあって「どうも~」と他愛のない話を。
そこからふら~っとフロンパークに行ったら横浜在住の高校の同級生から「今年のユニでその背番号つけちょんのはあんま居らんからすぐわかった」と半ばストーカーっぽい理由で声をかけられてプチ同窓会。
そして「文字を書くのが面倒だから」と言って半年くらい前に始めたTwitterのスペース機能をきっかけに知り合った方々と顔合わせをしました。柏サポーターのエストレヤさんからは先週にはじめて自分のブログ以外で執筆した「柏でよりみちアディショナルタイムズ」をいただきました。自分がかかわったモノが形になって手元にあるって素敵やん?って島田紳助っぽい感想。いや、本当に嬉しかったんです。
#柏よりみちAT と共に千葉県銘菓ぴーなっつ最中をいただき、こういう心遣いができないからいつまでもズボラなんだぞ!!と反省。
ボーナス支給後だったのでスタグルは2300円のうな重に。飯でマウントを取る!
美味しそうでしょ?
12:00ごろ
入場。高校の友人とは席が離れてたので解散。
たまたまアウェイ席が完全に隔離されていなかったため、スタジアム内を散策して、メインとバックの差があって等々力って面白いな~なんて感じました。
バックスタンドではトリニータの物販も行われており「ニータンかわいい!!」って声がちらほら聞こえてました。せやろ?かわいいは正義。
川崎の戦術的な視点を持ったブロガー、川崎人さんともお会いして「今日の大分は4枚かもしれない」「川崎は(カウンターで)ひっくり返したときに殴れる3人を選んだ印象」「マンツーでハメてくるならどうなるかな?」とか、移籍のウワサだったりでサッカー談議に花を咲かせました。同じような感性でサッカーを語れるのはとても楽しく、頭の中で盤面を動かしながら話をすると腹が減るな~と。試合が終わってから感想戦をしたら朝まで話しちゃうんだろうな…
試合開始直前~前半
サッカー談議に花を咲かせすぎて、アップもほぼ見らずにキックオフ直前に席に到着。やっちまった。
奇跡的に最前列を取れたは良いが、ピッチとほぼ同じ視座でポジションの把握が難しい。後ろ4枚に三竿、新太、成豪が同じレーンに立っての守備や北斗がやけにプレッシングに行くなぁ…とか考えながら見てたが、息をつかせぬほどの川崎の猛攻を受ける。わかってはいたが心臓に悪く、何とか耐えてどこかで攻撃に注力できるように祈ってました。
この日のG裏の雰囲気はとても良く、飲水タイムでは大きな拍手。「よぅ耐えたな」「やっぱ川崎うまいな」とかドキドキハラハラしつつも充実感が漂っていました。
前半終了間際には左からのクロスを高木、ペレイラと2人が触ったのにも関わらずLダミアンがダイレクトボレーなんかして、乾いた音が1つした後に苦笑い。デタラメすぎる!
後半
攻められっぱなし。ひたすら走って身体張って食らいつく我慢我慢の展開。
苦しかった今季をより強調して見せられてるような展開でも、誰一人として足を止めなかった姿が本当にかっこよかった。
井上健太が今季初めて2トップの一角として出場した後は「けんたGo!裏ァ!」しか言ってなかったかも。
延長前半
90分が終わりスコアレスを告げるホイッスルの後、どよめきが起こる。
このままずっと試合がいいのに。なんて思えるほどの充実感がありました。苦しかった今季。そしてそんな苦しみを感じさせず等々力のピッチで堂々と川崎と勝負をしている選手たちが本当にまぶしかった。
延長前半すぐくらいのエンリケから北斗への何気ない縦パスでなぜか泣いてました。(そこから!?)たぶんまだこのサッカーで川崎相手に勝負しようとしてるってひしひしと感じたからだと思う。まだ試合は見えてましたが正直内容はもう入ってなく、「頑張ってくれぇ~」としか思えませんでした。
延長後半
失点。113分のこと。
反対側から湧き上がる歓声。ブンブン回るタオマフに大型スクリーンに映し出される小林悠のガッツポーズ。まさに等々力劇場でした。
ここで片野坂さんとの6年間が終わる。多くの歓喜をもたらしてくれた監督とのラストゲームは、少しほろ苦いけど胸を張って「ありがとう。楽しかったぜ!」と言えるものだったな…この悔しさはこれからのトリニータで、なんて思ってました。
でも、大分トリニータはやっぱり大分トリニータでした。
失点からの7分間はとても長く、でも一瞬で。でもあの北斗のクロスからのエンリケのヘディングは本当に永遠かと思えるくらいスローモーション。
ゴールに吸い込まれてからは感情が忙しすぎてまったく記憶にないです。
ただ、近くにいた誰もが泣いてて誰もが喜んでて。これのために自分はここにいるんだな、最高だな。って思い、また泣いてました。
120分が終わり、同点。まさかまさかのPK戦へ。
PK戦
泣きに泣いて、異様な光景のG裏。まさに狂喜乱舞でした。
仲間からは「まだ試合終わってねえぞ!」とハッパをかけられましたが感情がついてこない。
PKは運だから!と心の中で念じながら北斗が運よく決め、長沢が案の定外し、高木のセーブでイーブン。レイチェルが決めた時には「案外PKうまいじゃん…」と、少しずつ冷静になれました。エンリケも三竿も也真人も決めて、えっ…リーグ戦でのPK失敗とは???みたいに冷静になりすぎましたが、最後の高木のPKストップでなんか国立が決まってました。
試合後
高木のPKストップ。国立への切符をつかんだその瞬間。誰もが「?」みたいな一瞬の間があったが、選手たちが高木に駆け寄っていくのを見て「あぁ、本当に勝ち上がったんだな」と。良かったな~ってしんみり思ってたらまた泣いてました。後ろの兄ちゃんも号泣で、「よかったな!勝ったな!」と握手をしてまた泣いて。「本当に国立なんやな」と言いながら泣いてて。
今、目の前で起こっていることが何なのかはあまりわかっていなかったけれど、とにかく雰囲気が素晴らしかった。頭を抱え本当に苦しかった1年の終わり際に、そのすべてを忘れ去れるような胸をすくゲーム。なかなか報われなかった1年が、この等々力ですべてがひっくり返ったわけでもないのに本当に本当に報われたような思いになりました。
選手たちがあいさつに来た時、普段なら「次も(は)頑張ろう」とか先に向けた事を言ってるが、この日だけは本当に「ありがとう」の一言だけ。
片野坂監督と歩んだ6年間のピリオドを最高の舞台まで延ばすことができた。その場に立ち会うことができた。本当にサポーター冥利に尽きるとはこの事だな、と。
試合が終わってインタビューを受けてから遅れてあいさつに来た高木とエンリケをみて、良かったな~と改めてしんみりしてから、知り合いの方々や、近くにいた人と「良かったな~」と言い合って、表情を見てまた泣いてしまって。充実した顔、優しい笑顔、ぐじゃぐじゃに泣いてた人もいました。側から見たら、いろんな思いをクラブに勝手に乗っけてるだけ。他人事なはずなのに、こんなにアツくさせてくれる大分トリニータが好きで本当に良かった。最高だった。
みんなで。也真人のサイズ感がかわいい。
そして奥には高木。ポープの反応も全部好き。
整列。からの…
芝刈り機〜!
劇的同点弾のヒーロー
サポーターの色んな表情をみていました。
かっこよ……!
気持ちを落ち着かせて、その場で川崎サポーターからチケットを買い取って。「来週、国立なんやなぁ」と口に出してはみるが実感はなく、いつものように試合を頭の中で振り返りようにも途中からまったく記憶になく。
たまたまバッタリ会ったエストレヤさんと等々力迷宮を抜け(若干迷った)ながら話をしたけどそれもほとんど記憶になく。(ごめんなさい)
魂を等々力に忘れたまま武蔵小杉からボケーッと新横浜まで乗り継いで。新幹線に乗って一息ついてケータイを開いたらツイッターで「天皇杯決勝カード決定!」ってのにトリニータのエンブレムが載ってて。
ちょっと前につぶやいてたツイートに普段はあまり話さない方々からも「おめでとう!」とリプをもらってて。あ、これほんまにドッキリじゃないんかも?ってなり。
LINEでは大学の同期から「このエンディングでまたもらい泣きした。ほんまおめでとう」とNHKにすっぱ抜かれている写真をもらいました。恥ずかしかったけど一生の思い出になったな、ってちょっと誇らしくもあります。
試合のハイライトを見てニヤついて、泣きすぎて腫れた目が痛いのすら幸せで。ふんわりしたまま帰路についたのでした。
声以外すべてが詰まった等々力で
フットボールは時々、理論を越えたことをする。そんな試合に立ち会えたこと。そして自分が心から応援しているチームが心を大きく揺さぶる試合をしてくれた。再度になりますが、サポーター冥利に尽きるとはこのことです。
今回はたまたまコロナ禍で声は出せませんでしたが、それ以外の醍醐味がすべて詰まった試合だったといっても過言ではないと思います。素敵な時間でした。
週末はこの素敵な時間がもう少しだけ続きます。カタノサッカー、ラストダンス。
ここ数日は「優勝するぞ!」って凄みたいけどそこまで言い切っちゃうと何かが零れ落ちてしまいそうで、「決勝を楽しみましょう。全力で後押ししましょう」って心持ちでいました。いましたが、やっぱり試合が近づいてくると、いろんな人のいろんな思いを勝手に背負って、選手と共に戦いたい。この国立で刻む新たな星は片野坂さんたちへの勲章であり、素敵な思い出のしるしにしたいなと感じています。なので、国立へ行かれる皆さんはともに最高の雰囲気で選手たちを迎えましょう!現地に行かれない方々も、それぞれの形で、思いを乗っけてくれるでしょう。
聖地国立で勝つ。優勝する。片野坂さんとの最後は泣いて笑ってサヨナラしましょうね!
素敵だったなぁ〜(クソデカ余韻)
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