【大分】vs甲府(A)地震、コロナ禍、風、頭
やっとこさ開幕。
開幕前は地震。開幕直前でコロナ。そして試合中は強風も最後は吉田の頭から勝ち点を拾う!みたいな試合。
本当に苦しく、準備もままならない中で選手たちがピッチで表現できたこと、できなかったことが透けて見えたような気がしたので、そこら辺を振り返っていきます。
現地観戦をしていたのでそこらへんも最後に書くよ。
お題目
選手の立ち位置
準備ができなかったこと(失点シーン)
準備できたこと
感想とか
甲府行ってきたよって話
並びと噛み合わせ
新シーズンは既報の通り4-1-2-3。そして甲府は3-4-2-1。
噛み合わせはこんな感じです。
シーズン始まったばっかりでネタがないです。GKの吉田が3年ぶりのリーグ戦出場とか坂そこで起用か~!とかはありましたが…
甲府は開幕で岡山に1-4で敗戦。岡山の即同点とかチアゴアウベスの宝くじロングシュートがでたらめに決まったりと、アンラッキー感が強く点差ほどの悲惨さはなかった。まぁ本音はWボランチの一角が元気にアンカーを捕まえに来るのでやりやすい相手かな~!とか思っていたら大分がそんなこと言ってられん状況だった。南無。
失点シーン含め狙われていた事
この日の特に前半。狙われていたのはサイドでした。
キーワードは「ニアゾーン」です。
甲府がサイドを起点にどうやって崩そうとしていたか、というのは大分の構造的な問題点も孕んでいるのでこれからの改善の経過を楽しむためにも書いておきたいなぁ…と。
そもそも「ニアゾーン」とは…
ペナルティエリア内のハーフスペースにあたる箇所を指します。
これを抑えてこの日の盤面で振り返っていきましょう。
そこまでの流れは置いといて…なんだかんだでWBの須貝がボールを持ってます。大分のWG(ここでは成豪)の背後を取った須貝。インテリオールの渡邉新太も前線から頑張って帰陣をしているが、ボールより後ろ。
ボールホルダーの須貝を誰が見るか、が大分の問題点。
このようなシーンの約束事は「SBがボールに寄せる」ことから始まります。
となると、「ニアゾーン」が開店ガラガラ。プレッシャーに行った三竿の背後を飯島が取ってしまいます。
大分は「ニアゾーン」を攻略されるとカバーに入るのはアンカーの北斗。これもチームとしての約束事。するとボックス前のスペースががら空きになるためインテリオールが頑張って埋めないといけない。これが試合後に北斗がコメントしていた「今年はプレーエリアが広い」の真相だろう。
このやり方で失点までしているのだからなぜやるか?ですが、守備でFWとSBをぶつけたくないから。SBはボール回しに長ける選手を起用する意図があるので守備面での高さは優先度が下がる。そこを突かれてミスマッチを生み出したくない。というのを起点にすると、CB-SBの間延びしたスペースはDFラインのスライドではなくアンカーが気合いで埋めるしかない。
これはハマらないと戦術的な欠点になるので「骨格から殴られる」ということになりかねませんが、この日はそうなっちゃいました。
では、ちょっと場面を戻して「なぜ甲府のWBがフリーになったか」を見ていきましょう。
甲府WBがフリーになるまで
大分が攻め込んだ場面をひっくり返されたところからのピンチが多かったためそんなシチュエーションで。
井上健太がボールをもって、大外は小出、内側では也真人もサポート。が、ここでボールロスト!何してんねん健太ァ!
大分の敵陣守備の第一の目標は「即時奪還」です。ボールホルダーにガッと寄せてカウンターをさせない意図。そしてまずは内側の3レーンに人を密集させてボールを外に追いやりたい、というものありました。
ここで前の5人(3トップ+2インテリオール)が人を捕まえるか、スペースを塞ぐのか。ここで意思統一ができなかった。
コンセプトは「即時奪還」も、前線は前からどうやってボールを奪うか?が曖昧で、中盤から下は昨年までの守備のベースが「まずは自陣に構えて相手を引っ張り出す」ことだったことから中盤、特に北斗の監視する範囲が広くなりすぎる。4バックもまずはリトリートをすることが「これまでの」大前提だったため、甲府のWBを誰が監視するのかが曖昧になってしまいました。
そんな状態でDFラインからインテリオールの背後を突かれると、ズレてズレて…WBに渡ってしまうし、ボールホルダーからどーんとサイドに展開されたりとなかなかにしんどくなってしまった。
これに関してはコロナ禍の影響で2日前からの練習再開が大きく響いたのではないかと踏んでいる。「即時奪還」を目指すのであれば、まずは3トップを起点に配置やマーカーを整理して、最終ラインの高さがもっと高くなるはず。しかしそこまでの仕込みはできなかった。
①前から制限をかけられない
②中盤が間延びする
③フリーな選手に時間を与えてしまう
④ニアゾーンを攻略される
みたいな流れです。
シーズンで好不調の波は必ずあります。その際の1つのバロメーターになるかもしれません。まぁコロナのせいなので、とりあえずは楽観視をしておきます。
できた事
できなかったことはこれからのお楽しみとして、何ができたか。
それはもちろんビルドアップの連動性です。
詳細は前回の記事にまとめていますのでそちらをご覧ください(宣伝)
上記の記事で紹介したビルドアップの連動性については
①GK+2CB+アンカーで「4vs2」を作って相手FWを引っ張り出して背後を突く
②プレッシャーに行っても取れねえな…と諦めさせる
の2つのパターンで自陣1/3を前進させていくよ、というお話。
甲府戦では、もう少し広い視点で見た「8vs6」の局面の作り方が見えた。
アンカーと2CBが前を向けないのであればインテリオールが下がって奥行きを作っての前進や、SBはハーフラインを越えてからしかボールに関与しないのを一つの基準にしているとか。
たぶんこれからインテリオールのサポートやSBの受ける位置が効いたな~って試合があると思うので、その時にフォーカスしてお話ができればな、と思います。
「これまで」があるから「これから」が語れる喜び
何はともあれ、限られた時間の中であれだけ練度の高いボール回しを我慢強くできたのは、これまで片野坂さんが積み上げてきた財産に他ならないし、その素地を生かしたチーム作りを下平監督は丁寧に丁寧にやってきたんだなぁと思うと、とっても愛おしいな、と感じました。よかった。
選手たちも試合勘や練習の強度が上げられないことでの制約が多かったであろう中で、難しい試合になったものの賢さとクオリティに逃げない実直さを感じました。これがトリニータの強さだと思う。今年の高い要求に結果で答えてくれるでしょう。今日の片野坂さんとの同窓会に週末の横浜FC戦をはじめ、ここからあと10試合も連戦が続きますがチーム一丸となり戦ってくれるな、という勝手な確信を持った安心感を開幕戦から感じられてとても頼もしかったです。
写真引用元 大分トリニータ公式HP より
甲府行ってきたよって話
ここからはめっちゃ私事。
絵日記的な感じで。
オマケ
深淵を覗くとき…深淵もまたこちらを覗いているのだ…の図(ペレイラ撮ってるトコ撮られてた)
写真はサカダイより
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?