シード〜シリーズC注目資金調達ニュース5選！ Vol.3 （6月上旬①）
今回は6月上旬の資金調達ニュース5選をお届けします。主にシード〜シリーズCの領域で日頃チェックしているので、そこからのPickです！週に2,3回上げていきますので、checkお願いします。
①ヘッドレスのコンテンツマネジメントシステムを提供するスタートアップContentstackが、Insight PartnersリードのシリーズBで5,750万ドル調達
・設立 / 拠点：2018 / サンフランシスコ
・調達額：5,750万ドル（累計調達額は、8,900万ドル）
・投資家：Insight Partners（リードかつ既存）、Illuminate Ventures、GingerBread Capital（既存投資家）、Georgian
・概要： Contentstack™は、最先端のコンテンツ管理システム（CMS）およびデジタル・エクスペリエンス・プラットフォーム（DXP）であり、企業があらゆるデジタルチャネルのコンテンツを管理し、素晴らしいデジタル・エクスペリエンスを生み出すことを可能にする。またContentstackはヘッドレスCMSの先駆者であり、大規模で複雑なミッションクリティカルなデプロイメントを難なくこなし、実際の企業のビジネスプロセスやチームコラボレーションをサポートする。
Contentstackの顧客満足度は業界で最も高く、SAP CloudのAPIファーストCMSとして選ばれている。顧客には、Best Buy、McDonald’s、Chico’s FAS、HP、Express、NBC、Shell、Walmartなどがいる。
同社によると、2019年10月に3,150万ドルのシリーズAラウンドを終了して以来、顧客数が150％以上増加したという。
・参考までに調達情報など
→ https://www.crunchbase.com/organization/contentstack
②YC W20出身のオープンソースの製品分析プラットフォームPostHogが、YC Continuity FundリードのシリーズBで1,500万ドル調達
・設立 / 拠点：2020 / サンフランシスコ
・調達額：1,500万ドル（累計調達額は、2,720万ドル）
・投資家：Y Combinator Continuity Fund（リード）、GV（既存投資家）
・概要： PostHogは、ソフトウェアチームがユーザーの行動を理解するのに役立つオープンソースの製品分析用プラットフォームを提供している。
オープンソースのプラットフォームにより、開発者は製品の使用状況を追跡したり、新機能がユーザーの行動に与える影響を理解したり、製品やユーザーのデータをデータウェアハウスに統合したりすることができるが、これらすべてのデータを第三者に送ることはない。
数千から数百万人のユーザーを抱えるチームが、既存のインフラを利用して無料で製品の使用状況を把握できる新プラン「PostHog Free」の提供を開始した。これにより企業やスケールアップした個人の開発者は、ベンダーロックインすることなく、ユーザーデータをサードパーティに送信することなく、大規模かつ無料でPostHogを自社のインフラストラクチャ上で使用することができる。
現在では、毎週何百人もの人々が無料のプラットフォームをインストールし、PostHogのチームに加えて150人以上の人々がコードに貢献し、何千ものデプロイメントを行っている。その結果、有料製品へのリクエストが殺到するようになった。
・参考までに調達情報など
→ https://www.crunchbase.com/organization/posthog
③社内組織図と人材分析のプラットフォームChartHopが、a16zリードのシリーズBで3500万ドル調達
・設立 / 拠点：2018 / ニューヨーク
・調達額：3,500万ドル（累計調達額は、5,400万ドル）
・投資家：Andreessen Horowitz（リードかつ既存投資家）、Cowboy Ventures、SemperVirens Venture Capital（既存投資家）、Elad Gil氏
・概要： ChartHopは、リアルタイムに更新される組織図、カスタムレポート、人数計画ツールなどを通じて、データに基づいた流動的な企業像を自動的に構築し、チーム全体の効率と透明性を高める。
ChartHopにデータを供給してリッチにするための数多くの統合機能、必要に応じてデータをエクスポートして専用のアプリケーションで使用するための数多くの統合機能、そして誰もが簡単にデータを更新することができるだけでなく、機密データをあるべき姿に保つための簡単で強力な保護機能を備えている。
またChartHopは、リテンション戦略、従業員満足度、離職率の統計、ダイバーシティの統計、ある分野の報酬が異なる場合や、雇用が凍結された場合の財務状況などを予測して可視化することもできる。
現在では130の企業が同社のサービスを利用している。また、ここ12カ月の収益は、月ごとに17％の割合で成長している。
・参考までに調達情報など
→ https://www.crunchbase.com/organization/charthop
④モバイルファーストのワークフロー管理プラットフォームMaintainXが、BessemerリードのシリーズBで3,900万ドル調達
・設立 / 拠点：2018 / サンフランシスコ
・調達額：3,900万ドル（累計調達額は、5,400万ドル）
・投資家：Bessemer Venture Partners（リード）、August Capital、Ridge Ventures、Amity Ventures（既存）、UiPath 共同創業者CEOのDaniel Dines氏とVPのBrandon Deer氏、OldSlip Group
・概要： MaintainXは、現場の透明性と効率性を可能にする、モバイルファーストの作業指示書および手順書のデジタル化ソフトウェアを提供するスタートアップ。
リアクティブ・メンテナンス、予防的メンテナンスの追跡や、安全検査、品質検査、運転チェックリストなどの日常業務の管理を、すべてデジタル監査証跡とともに行うことができる。また、プラント管理者は、現場からのリアルタイムなビジネスインサイトを提供することで、より効率的なオペレーターになることができる。このようにMaintainXは、デジタルフォームの自動化により、作業指示や従業員の生産性を管理することができる。
MaintainXは、パンデミック以降、収益を12倍に伸ばした。また収益の増加に加えて、MaintainXは昨年初めから顧客数を6倍に増やした。
MaintainXは、コンピュータによる保守管理システムの分野を立ち上げたSAPやIBMのソリューションやYC W21出身のUpKeepなどと競合する。
・参考までに調達情報など
→ https://www.crunchbase.com/organization/maintainx
⑤職場の倫理・コンプライアンスプラットフォームVault Platformが、Google系リードのシリーズAで820万ドル調達
・設立 / 拠点：2018 / ロンドン
・調達額：820万ドル（累計調達額は、1,240万ドル）
・投資家：Google's Gradient Ventures（リード）、Kindred Capital、Angular Ventures（既存投資家）、Illuminate Financial
・概要： Vault Platformは、革新的な従業員向けアプリと、コンプライアンス、人事、リスク、法務チーム向けのResolution Hubを備えている。
Vault Platformは、企業がより倫理的で、真に多様性に富み、包括的な事業運営を行うために、安全なコミュニケーション、チーム間のコラボレーション、そしてケースの迅速な解決を促進するエンドツーエンドのソリューションを提供する。
Vault Platformのアプリケーションは、職業的詐欺、贈収賄や汚職、安全上の失敗や不祥事などの課題に取り組むためのAIデータ駆動型のアプローチを組織に提供する。リスクの検知、安心して発言できる企業文化の構築、業務の効率化を目的としたVaultの製品は、従業員や第三者が自分の経験した、あるいは目撃した不正行為の記録を提出するための秘密の場を提供し、繰り返されるパターンを「点と点を結ぶ」独自の機能を備えている。
顧客には、Lemonade、Airbnb、Kavak、G2、OVO Energyなどがいる。
・参考までに調達情報など
→ https://www.crunchbase.com/organization/vault-platform
その他VC関連ニュース
■アメリカ出身の著名ラッパーLil YachtyとBhad Bhabieおよび関係者らが、Scoop Investmentsを立ち上げ、初回投資としてデートアプリLox Clubに投資へ
アメリカの著名ラッパーLil YachtyとBhad Bhabieおよび関係者らが、Scoop Investmentsを立ち上げ、初回投資としてデートアプリLox Clubへの投資を発表した。投資金額は100万ドルを超えると見られている。
Lox Clubとは、ハイクラスなユダヤ人向けのデートアプリであり、2020年末にローンチした。
TinderやBumbleのように主にアルゴリズムに頼るのではなく、実際に人間のマッチメーカーをユーザーに提供する。
今回のScoop Investmentsに関しては、一般的なファンドではなく、Lox Clubに対するグループの関心から特別に誕生した。しかし、Scoop Investmentsは、2021年末までにさらに2〜3社への投資を検討する。
一言: 昨今クリエーター、著名人による投資への参入が盛んになっている。
著名TikTokerによるファンド立ち上げや、去年末にはSnoop Dogが共同設立したCasa Verde Capitalが2号ファンドのために1億ドル調達した。
また、グラミー賞受賞デュオであり、世界的DJであるThe Chainsmokersは元々エンジェル投資していたものの、去年9月にMANTIS Venture Capitalを立ち上げ、1号ファンドを3,500万ドルで組成していた。そんな彼らは主にメディア、エンタメ、フィンテックを投資領域としており、Public.comやBeacons、LoanSnapなどに投資している。
日本においても、人気YouTuberであるJJコンビが昨年3月にiFundを設立し、5億円規模の1号ファンド組成を発表していた。
上記のようなファンドによる投資だけでなく、エンジェル投資として参加している例を挙げると枚挙にいとまが無いほどである。
クリエーター、インフルエンサー、著名人による参入は今後盛んになることが考えられ、今後の動向にも注目していきたい。
■Monday.comが、新規株式公開で5億7,400万ドルを調達し、Nasdaqに上場。
Monday.comは、企業のチーム管理、コミュニケーション、生産性の向上を目的としたプロジェクト管理ツールを開発している。
これにより、Monday.comの市場価値は75億ドルに達している。
Salesforce VenturesとZoomが、それぞれ7500万ドルの同社株式をIPO価格で私募することに合意したと、Monday.comが提出した書類に記載されている。
過去の主な投資家には、Insight Partners、Stripesなどがいる。
■Marqetaが、新規株式公開で12億ドル調達し、Nasdaqに上場。
Marqetaは、企業がペイメントプログラムを構築・管理するためのインフラとツールを提供する、最新のカード発行プラットフォーム。
これにより同社は、昨年の非公開市場での最終評価額である約43億ドルを上回る時価総額160億ドル強となった。
JPMorgan Chase & Co.とGoldman Sachsが、Marqetaの株式公開の主幹事を務めた。
過去の主な投資家には、Greylock、Coatue、Spark Capital、Goldman Sachs、Visaなどがいる。
最後に
読んでいただきありがとうございました。いかがだったでしょうか。引き続き、週に2,3回のペースで、シード〜シリーズCの海外スタートアップ調達情報をnoteにて公開していこうと思いますので、よろしくお願いします。
何かご要望・意見などございましたら、Twitter（@Wesley1978xyk）までお願いします。またフォローもよろしくお願いします。
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