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ウェレイ流、新ゲーム企画の出し方

ゲーム制作者が自由な記事を作るアドベントカレンダー 12/18の記事です! https://adventar.org/calendars/6783

はじめましてウェレイです!ゲーム作ってます!
PocketPairという会社でOverdungeonというゲームを作りました。
そのあとはハイパーカジュアルと呼ばれるスマートフォン向けのゲームをずっと作ってました。100個のゲームプロジェクトを作りました! …でも全部成功しませんでした。
とても悔しいのですが、その知見を共有できたらいいなと思ってこの記事を書きました!

はじめに

もしあなたの作り方と違くても大丈夫です!
ゲームは懐が広いんです。それはじゃんけんのような手軽なものからLoLFortniteのようなeスポーツまであります。
ゲーム作りも懐が広いんです。それはもう100人いたら100通りの作り方があります。
こういう作り方もあるんだな!と思ってください。

よい企画ってなんだろう

よいゲーム企画は【あなたが作りたいゲーム企画ではありません!
むしろ面白いけどこれはダメだと判断できることが必要です。
よいゲーム企画は【楽しませたいひとを楽しませられるゲーム企画】です!

たけのこはイタリアに生えてるかな?

楽しんでほしい方と楽しんでくれそうな方がかけ離れてるゲーム企画を、本当に何度も見てきました。
例えば竹や筍(たけのこ)をテーマにしたゲームで世界中でたくさん遊ばれてほしい!と言っても… 竹や筍は世界で十分に認知されているのでしょうか? 
このミスは面白いゲームを思いついた後、誰に遊んでもらいたいかを無邪気に期待してしまうことで起こります。
つまり「うおおお、竹が走ったり急にのびたりして敵を倒すゲーム思いついたwww 絵が面白すぎるwww」と思いついた後、ゲーム作りをスタートして「こんなにゲーム作りを頑張ったのだし、世界中で笑ってほしい~~!!」と思ってしまうんですね。
例えば先の竹ゲームなら、次の選択肢はどうでしょうか。

  • 日本中で遊ばれたいと考え直す。

  • 少数人でいいから世界に届いてほしい。

  • すごく頑張って初めて竹を見るひとにも、竹の魅力を伝える。

  • 竹をサブテーマにして、別の世界中で認知されてるテーマを考える。

例えば忍者が竹を武器にして戦うゲームとかね!(竹より忍者のほうが認知されてる!)
ともかくこのミスを発生させない方法として、先に誰を楽しませたいのかを決めることをオススメします!

何が君の幸せ? 誰を楽しませたいの?

誰を楽しませたいのか? ゲーム企画にはそれが最も大切です。
それは自分でもいいんです。ちょっといくつか考えてみましょう。

  • もしあなたが自分だけが楽しめればいいと思っているなら── 
    それは素晴らしいことです! あなたと同じ感性のひとがそのゲームの素晴らしさに共感して楽しんでくれるでしょう。

  • もしあなたがゲームジャムに出て良い順位を取りたいと思ってるなら──
    それは素晴らしいことです! 審査員たちを楽しませて点数を獲得して良い順位を狙いましょう。

  • もしあなたがゲームを売りたいと思ってるなら──
    それは素晴らしいことです! 買ってくれるひとが「このゲームは私を楽しませてくれる」と思ってくれるよう心血を注ぎましょう。

  • もしあなたが全世界のプレイヤーに遊んでもらいたいと思ってるなら──
    それは素晴らしいことです! 世界的に知られている普遍的なモノを使って独創的なゲームを作りましょう。愛とか銃とか車は特に人気ですよ。

誰を楽しませたいかが決まると、ゲーム企画を思いついたときに面白いけどこれはダメだという判断ができます。

ライバルを作ろう

そうはいっても誰を楽しませたいか考えるのって難しいですよね。
でも大丈夫です。あなたの好きなゲームや憧れのゲームをライバルにしちゃいましょう。
Undertaleが好きなプレイヤーに楽しんでもらおう!
ウマ娘が好きなプレイヤーに楽しんでもらおう!
そういうのでいいんです。もっと欲張って、
Undertaleもウマ娘も好きな人に楽しんでもらおう!
と決めてもいいんです! そしたら「銃を出すのはちょっと違うな」とか「キャラの関係性を掘り下げられるシステムがあると楽しんでもらえそうだな」とか分かってくるんです。

誰を楽しませたいのか、を【既存の素晴らしいゲームが好きな人】に設定するとゲーム企画としては外れにくくなるのでおすすめです。(逆に【既存のつまらないゲームが嫌いな人】に設定してしまうと失敗するので注意!)

ダメな企画は2行で分かる。

どんなに長く書いてもダメな企画はダメです。
誰に向けてのゲームなのか。そしてどんなゲームなのか。
まずはこの2つだけで十分です。例えば…

誰に向けてのゲームなの? 【Slay the Spireをもっと楽しみたいひと】
どんなゲームなの? 【1人用クラッシュ・ロワイヤル】

どうでしょうか? これがOverdungeonです。 え?Slay the Spireもクラッシュ・ロワイヤルも聞いたことないって? StSもクラロもどちらかというと海外で人気だからね…。
それと逆の例も挙げますね。

誰に向けてのゲームなの? 【ちょっとした暇つぶししたいひと】
どんなゲームなの? 【車をクラフトして戦う4人用ゲーム】

うーん、ちょっとチグハグでイメージが湧きませんね!だめだこりゃ!
…でも気をつけてください。ここから生まれるゲームは大ヒットするかもしれません! あくまでダメな企画というだけです。
ほら、誰に向けてのゲームなの?が【Minecraftとマリオカートが好きな人】だったら途端に面白そうに思いませんか?

おわりに

もしあなたが今作ってるゲームと作り方が全然違くても大丈夫です!
歩き始めた人と歩き始める前の人の景色が違うのは当然です。
今回は【楽しませるひとを考えよう】ということと、【ダメな企画は2行で分かる】ことをお伝えしました。
特に【楽しませるひとを考えよう】ということは企画の時以外でもいつでも応用が効くことだと思います。
例えば新しく考えたシナリオが面白いかどうかは、製作者のあなたがどう思うかではなくて、あなたのプレイヤーが楽しめるか考えましょう! そのプレイヤーさんはあなたのゲームをそこまで楽しんでるプレイヤーなんですから、普通のプレイヤーとは好みが違いますよ!

あなたのファンが喜ぶゲームになりますように!



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