見出し画像

森の民「ピグミー」 その1


はじめに

環境問題が蔓延る今、人新世と名付けられ人間活動が地質年代にまで影響を及ぼしている現代に生きる人間としての私。そんな時、「エコシステムにおける人間の役割」って何なんだ?と悩んだ時期がありました。

そんな時に出会ったのが、「ピグミー」。中部アフリカ熱帯雨林に棲む彼らは、狩猟と採集を生活の基盤として生活を営んでいます。その姿から「森の民」とも呼ばれ、着るもの、食べるもの、住むもの、、、そのほとんどが森の資源からの恩恵を受けていて、土に還る。この気候危機の時代に学ぶべきは、彼ら狩猟採集民であるピグミーなのでは!と当時強く感じました。

そんなピグミーについて、皆さんに少しでも知って貰いたい!そして私だけではなく、この記事を読んで下さっている皆さんも彼らからどう生きるかを学ぶ事があるかもしれない、と思い数回にわたってお届けします。


現代の狩猟採集民

今からおよそ一万数千年前の農耕開始以前にはすでに人類は拡散し、世界各地で人々は狩猟採集生活を営んできました。

しかし、農耕・牧畜文明の拡大や、ヨーロッパ列強による大航海時代の世界進出、それに続く植民地化や近代化によって狩猟採集社会の人口は大きく減少しています。 今日では、「狩猟採集民」と呼ばれる人たちの多くは農耕や賃労働などに従事し、恒常的に狩猟採集生活を営む集団は、小規模な例外を除いて存在していません。

実のところ、そのような農耕や賃労働に従事しているそのような多くの狩猟採集民社会は、今でも狩猟採集社会的な特徴を保持しているようです。そのため、研究者の中では狩猟採集社会、ポスト狩猟採集社会と呼ばれています。


ピグミー

現代アフリカにおいて二つの大きな狩猟採集民グループがあります。そのうちの一つが、中部アフリカ・コンゴ盆地の熱帯雨林に棲まう「ピグミー」です。

CongoLualaba watershed topo より

由来であるギリシャ語の「pygmē」というのは、肘から拳までの長さを意味し、鬱蒼とした熱帯雨林を素早く、そして身軽に動き回るために、その名の通りピグミーの身体は小柄だそうです。ピグミーといっても、単一の民族があるわけではなく、コンゴ盆地に散在しているピグミーは10を超え、それぞれ異なる名称を持っています。コンゴ盆地東部に棲まうムブディやエフェ、コンゴ盆地西部のアカやバカ、、、。 そんな、自然に強く依存した生業を営むピグミーについて、連載をお届けします。次回もお楽しみに!

weMORI JAPAN 戸田温


参考文献


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?