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エクリチュールとは何?音楽理論のお勉強のお話

皆さまこんにちは。私は大矢千穂と言います。
今日は、私が勉強してきた音楽の専門分野についてお話しようと思います。今日のタイトルのエクリチュールというのを私は勉強して来ました。エクリチュールについてが、今日のお話です。
エクリチュールは、フランス語です。私は東京藝術大学の音楽学部の作曲科を20年前程に卒業していますが、入学試験の第一次試験と第二次試験は、エクリチュールの能力を問われました。一次試験は和声という試験、二次試験はフーガ作曲という試験でした。今現在では、フーガの代わりに対位法という試験がありますが、フーガも対位法もエクリチュールです。フランス語なのですが、フランスのパリ音楽院の伝統的な作曲の基礎勉強なのですが、私が特に習ったのは、和声と、フーガです。対位法も最近になって、習いました。約30年前の受験時代は、対位法は、入試に出なかったのでそれ程頑張りませんでしたが、その代わり今では学部の入試には出ない、昔には出た、フーガを沢山頑張っていました。私が高校時代に習っていた尾高惇忠先生は、フランスで長年お勉強されて、卒業の資格、1等賞を取られて日本に帰って来た先生ですが、その先生に習った事等をお話します。
和声とフーガを習っていたのですが、和声は、中学生の時から、音楽之友社の、和声、理論と実習という、赤、黄色、青の有名な教科書で初めは勉強しました。その問題集を全部解いた記憶があります。中学校時代に3年、かかったと思います。その3年間は、吉本隆行先生に習っていました。その後は、尾高先生からフランスの教材や、藝大の入試の過去問を習いました。フーガは、和声を少し集中的に習ってから少し後から始めました。
そもそも、和声とは何?フーガとは?という事ですが、まず和声から説明すると、学部入試の和声の試験は2種類有りました。バス課題とソプラノ課題です。バス課題は、ベース音が書いてあって、それに合わせてメロディや和音を付ける課題、ソプラノ課題は、メロディが書いてあってそれに伴奏を付ける様な課題です。和声学の、ルールがありそれにのっとって、課題を解きます。バス課題もソプラノ課題も試験時間が3時間ずつあった記憶があります。バス課題は4時間だったかも知れません。
フーガ作曲というのは、フーガという形式の曲を5時間で完成させる事です。形式は決まっているのですが主題、テーマは当日出題されます。
それが、大まかな説明でした。
今日は、尾高先生の和声とフーガのレッスンの内容や様子を、高校生時代の約30年前の記憶を掘り起こしてお話させて下さい。
和声は、中学校3年間で、吉本先生に、音楽之友社の3巻セットの教科書を習っていたので、それよりも高校3年間、プラス浪人1年間は、もっと面白いと言いますか高度なと言いますか、フランスの教科書を使ったりしました。フランスの教科書では、シャラン380の課題集や、シャラン24の課題集、フォーシェの50の課題集、フォーシェの40の課題集等を勉強しました。また、尾高先生の師匠である矢代秋雄先生の教科書も使いました。矢代秋雄和声集成という教科書には、フランスの課題もふくまれています。シャラン380の課題集は、本当に課題が380あるのですが、簡単な方から難しい方まで順番になっています。私が習ったのは教科書の後ろの方の課題でした。フランスの独特の、日本の和声の教科書には珍しい響きも習いました。どういうのが珍しい響きなのかは、説明すると難しいのですが。1つの小論文位になります。シャラン24の課題は、24しか無いので途中から急に難しくなる感じです。どういうのが難しいかを説明するとまたこれも小論文になってしまいます。
フォーシェの50の課題集は、とても難しいです。シャランよりもフォーシェの方が難しいというのが、私の印象です。フォーシェの50の課題集は、全部バス課題です。40の課題集は、ちょっと今だと分からないです。
そもそも、何でフランスなのか?ドイツやイタリアは?という疑問なのですが、私はフランスでお勉強なさった尾高先生に習っていたので、フランスの、長く行われていた和声の勉強の仕方を、ここで説明させて頂いています。どうもエクリチュールとは、フランス語なので、フランスで長く行われていた特に作曲家に必要な、和声等の勉強をエクリチュールと言う様です。インターネットで調べてみると、管弦楽法等もエクリチュールと言う様子です。作曲するのに特に必要な分野の様です。音楽家は、ピアノや、歌や、指揮のお勉強が専門の人がいますが、和声の勉強等は、作曲家だけしていれば良いのではなくてピアニスト等にも有意義なので、エクリチュールは、作曲家を目指す人だけの物ではない様です。
フランスで勉強して来た日本人では、古い時代だと池内友次郎という明治時代の生まれかな、そういう人がいて、高浜虚子の息子だと思うのですが、フランスでフォーシェに習って、2等賞という賞を貰って日本に帰って来てフランスのエクリチュール教育を日本に広めたみたいです。尾高先生の師匠の矢代秋雄先生や、音楽之友社の和声の3巻セットの執筆を中心になってなさった島岡譲先生は、池内友次郎のお弟子です。
さて、フーガの方のお話です。フーガというのは、テーマが決まっていて、試験では当日出ます。それを駆使して作曲するのですが、テーマを第1部では、何調と何調で何回使う、間奏部分ではテーマの一部を使ってモチーフとする、第2部ではどうのこうの、とか、書き方が決まっています。
フーガの中で、曲の盛り上がりを作る様に書く部分があります。尾高先生のレッスン室から歩いて10分で海が見えるのですが、丁度海岸への道が自分で分かった頃、その一番盛り上がる部分を習って書いていたのを思い出します。
そんな所です。ありがとうございました。

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