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尾高惇忠著 和声課題50選 著者レアリザシオン篇と課題篇 のススメ 続編

2021年に亡くなられた作曲家、尾高惇忠(おたか あつただ)先生の著書、和声課題50選という和声課題集が全音楽譜出版社から出ています。和声課題というのは、メロディライン或いはベースラインに音を書き足して音楽として完成していく練習のことです。この本は、課題篇と、レアリザシオン篇に分かれています。課題篇は問題集、レアリザシオン篇は尾高先生による解答例(範例)集です。課題篇が別冊になっているので、和声を勉強する学生さんは解答例集を先生に預けて、なるべく答えを見ずに問題を解く事も出来ます。課題集の序文に、まず答えを見ないで問題を解く事が尾高先生から推奨されています。なので課題の音楽的技巧のネタバレにならない様に、1番から50番までオススメして行こうと思います。今回のオススメはソプラノ課題の1番より後になります。1番から22番迄は日本語ではバス課題と呼ばれるベースラインの書かれた課題、それ以降は22曲有るソプラノ課題つまりメロディラインが書かれた課題、最後の6曲はアルテルネ、アルテルネの意味はバス課題とソプラノ課題の混じった課題です。22曲ずつのバス課題とソプラノ課題は、尾高先生は難易度順に並べたそうです。又、課題を解答例に近づける(似る様にしようと努力する)のは良い事ですが、似ていなくても音楽的に素晴らしくすることを求められています。尾高先生の在籍していたパリ国立高等音楽院の和声学クラスは作曲科志望の学生だけでは無くピアノ、弦等色々な専攻の学生がいて賑やかだったそうです。1つの課題についてクラスの、何人かの学生がそれぞれ違う解答を持って来て、勉強し合うのはとても楽しく有益なことでしょう。

ソプラノ課題 1番
シンプルに出来ている!と思うと、思われます。だけど私は難しかったです。私は時間は何時間もかかりませんでしたが、矢張り、中間部は、凝り過ぎに注意しながら、不自然にならない様に、再現部につなげましょう。尾高惇忠先生の解答編を、解いた後に見ると、なるほどと思いました。

ソプラノ課題 2番
終止形が沢山あるので、間違えない(不自然にならない)様にしましょう。私には矢張り、シンプルに素直に書ける様になるのが自分的な課題だと思いました。

ソプラノ課題 3番
♭1つで、ラで始まっています。調性や終止形が不自然にならない様にしたいです。

ソプラノ課題 4番
この様なアーティキュレーションが細かく沢山書かれた曲、テンポも割と調子の良い課題を、尾高先生は、「器楽的なスタイル」と仰る事が多かったです。アーティキュレーションを、アルト以下の他のパートにも全部、考えて書きましょう。

ソプラノ課題 5番
課題の中間部に1小節以上の休符があって、こういうの、難しいですよね。最後も、終わり方、イメージ違いだと、難しいです。

ソプラノ課題 6番
調性に、私はまず、気を付けて考えました。私の場合、内部変換に注意して実施しました。

ソプラノ課題 7番
やはり調性に注意。最後の辺りは、ゆっくり時間をかけて解くと、勉強になると思います。

ソプラノ課題 8番
後半から、難しくなります。ちゃんと、最初の調で終わる様に!を考えて、実施しましょう。

ソプラノ課題 9番
この課題も、8番の様に後半から和音の付け方が難しくなります。エレガントな美しい課題。

ソプラノ課題 10番
私は、焦って問題の写し間違いをしてしまいました。これは大変な事です。おかしいなと思ったら、課題を自分で写し間違えてないか、もう一度見ましょう。9番より、ずっと難しくなっている印象です。遠隔調にも行っています。

ソプラノ課題 11番
この辺りになると、かなり難しくなって行きます。和声の理論立った進行でなければいけません。でも、響き(何の和音なのか?)を想像はし易い方だとおもいます。美しい課題。

ソプラノ課題 12番
器楽的な課題。尾高先生は、「シューマンみたいな」と仰っていた記憶が有ります。器楽的で難しいのですが、和音は、素直な、進行をしていると思います。

ソプラノ課題 13番
♭5つ。中間部は♯が沢山!頭の中で響きを鳴らせると良いです。

ソプラノ課題 14番
一番初めの主題が内声に絡むのはよく有る手法です。盛り上がりの部分で出来ないか、メロディを対位法的に重ねてみましょう。

ソプラノ課題15番
先生の実施は内声が特に綺麗です。私も、テンポを考え工夫しました。和音も、掛留を使ったオシャレ和音が多かったです。

ソプラノ課題16番
この辺りになると、和音がかなり複雑な借用和音、転調をしています。理論的に合っている和声を付けましょう。

ソプラノ課題17番
1小節目からどうしようかなと考える、ハイレベルな課題。途中に1小節の休符は有るし、転調も♯系まで行くし、あくまでも理屈立った和音を付けましょう。

ソプラノ課題18番
難しかったです!シャランやフォーシェ等も勉強しないと!と思いました。和声が、尾高先生の範例と一致してれば尚良いのですが、中々、完璧一致は出来ないです。終止形も、一箇所私は明らかに違う終止形を書きました。少し客観的に、調が近い物を選ぶという作業も大事かもと思いました。行き当たりばったりだと失敗、みたいな事も有ります。

ソプラノ課題19番
これも難しいです。他の方、どんな風に解いたか、沢山の方の範例を見たい位です。私は、転調も、様式形式も難しかったので自分の世界で実施してしまいました。

ソプラノ課題20番
私も頑張ってなるべく自然な和声の動きを目指しましたが、作者(尾高先生)のはもっと洗練されていて、もっと自然で美しかったです。

ソプラノ課題21番
私は何となく頑張ってちょっと無理して完成させましたが、尾高先生の実施は素晴らしいです。時間を3時間以内とかで決めて仕上げるのも練習ですが、時間をかけてゆっくり仕上げるのもお勉強になると思いました。

ソプラノ課題22番
調号を見ると、???と思います。私は、自分の思った通りに実施してみました。

結局の所、尾高先生の課題をここまで実施すると、もっともっと勉強して多くの課題を実施するしか無いと思いました。


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