日本酒を海外に広めるために重要なこと
日本酒業界にとってほぼ最大の希望と言って良い、海外向け販売。5年で2倍と数字では伸びているが、絶対量としてはまだまだだ。
酒蔵自らが海外に売り込むよりも先に、海外のソムリエや、権威者による取り組みが広がりつつあり、まだまだ「お膳立て」に乗っているのが正直なところ。積極的に作り手自らが展示会などに出展し、海外のマーケットを切り開こうとするワイン業界とはそこが異なる。
環境的には大きなチャンスで、海外、特にアジアのマーケットで日本料理店や寿司店が急激に増えている。オーナーが日本人ではないケースも多いことから賛否両論あるが、ドリンクリストにはたいてい日本酒が掲載されている。そうやって日本酒を目にする機会、飲む機会の絶対数が増えるのはとても良いことだと思う。
では、海外に売り込むことはなんだろうか?
日本酒の造り手が思うよりも、飲み手の味覚の感覚は、実は狭いと思っている。ワインほどに味の違い、個性の違いがそれほどないのではないか。飲み慣れていない外国人ならなおさらそうだろう。
だとしたら、提供時や販売時に語れる「固有のストーリー」が最大のポイントになるのではないか。 どういう米を使っているのか、どういう考えで醸しているのか、そもそもどういう歴史のある酒蔵で、どういうこだわりを持って造っているのか、などなど。
自らが持つ様々な要素を、語れるストーリーに落とし込み、固有の物語であると感じさせるように仕上げられるかどうか。
それが、提供者や販売者にきちんと伝わるにはどうしたらよいか。
ここが、輸出戦略において、現地のインポーターやディストリビューターに対して語ること上で最も重要なポイントになるように思う。
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