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琉球大学・荒川雅志教授より寄稿

wellf.m.の顧問 琉球大学・荒川雅志教授が翻訳, 監修した『TheBlueZones2ndEdition』の発刊記念講演会を12月6日、横浜市内関内エリアにて開催します。

講演会場と開始時間は確定次第、ご案内いたします。

発刊記念講演会に先立ち荒川先生から寄稿頂きました。
12月6日まで連日でお届けしたいと思います。

ポストコロナの世界の旅行テーマは自然・持続可能・ウェルネス


2021年末に発表されたWTTC世界旅行ツーリズム協議会×Trip.com Groupによる旅行、観光業界の最新トレンドおよび消費者動向レポートによると、健康、衛生対策への需要の高まりを背景に、短中期的には密環境の少ない「アウトドア旅行を求める傾向」が強いこと、「自然環境負荷を減らし、社会へより良い影響を与えたいという欲求」が生まれてきており、世界中の旅行者の83%が、今後は持続可能な旅行を優先すると答えている。ウェルネスツーリズム協会(Wellness Tourism Association)は2020年に48カ国を対象に調査を行い、旅行中にウェルネスアクティビティを行った旅行者は78%に達していることを報告している。

2022年以降もしばらくは旅行規制が続くことやウェルネス意識の高まりから、セルフケアやウェルネス、ストレス解消により多くの時間やお金を費やしたいという欲求は今後も高まると予測されている。消費者側ではビジネス旅行とレジャー旅行の境界があいまいになり、健康のためにセルフケアやウェルネス活動を意識したり模索したりするトレンドが強まるにつれ、ウェルネスツーリズムは今後も長期的な成長が見込まれる。

持続可能性(サステナビリティ)は、観光業界でも重要キーワードであったが、新型コロナ流行を経てさらに重視されるようになってきている。自然回帰、より健康的なウェルネス・ライフスタイルへの関心の高まり、持続可能性な旅行への意識が向上したポストコロナの世界には、いずれの需要も満たすウェルネスツーリズムを設計することは大きなビジネスチャンスにもなるといえる。

文責:荒川雅志 琉球大学国際地域創造学部ウェルネス研究分野


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