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ヒトが健康を後回しにしてしまう5つの理由

『健康は大切だと思いますか?』という質問に対して、おそらく多くの人が『YES』と答えるでしょう。健康がなければ、全ての有形資産(お金、家、車、宝石など)は無意味と化します。将来有望な著名人や芸術家が、もしかしたら防ぎ得た病によって若くして命を落とすのをニュースで目にしたこともあるでしょう。

しかし、多くの人が健康への投資を後回しにしてしまいます。基本的な生活費(衣食住)で精一杯の人がいるという主張は確かにあると思いますが、金銭的に余裕がある人でさえ、高級レストラン・高級ファッション・高級車に莫大なお金を使っていながら健康投資は最低限あるいは皆無という人が多いのです。これは一体なぜでしょうか?

これには大きく5つの理由があります。

①自分は大丈夫という思い込み

まず1つ目の理由は、「自分は大丈夫」という根拠のない過信を持ってしまうからです。芸能人や近所の住人が病気になったことを聞いて気の毒には思うものの、自分には関係ない対岸の火事とみなしてしまうんですね。血の繋がった(遺伝情報が近い)家族がある病気で亡くなるとなれば多少は意識が変わるかもしれませんが、それでも自分の健康に投資をする根拠になるケースは稀です。

自分にとって不都合なことを他人事と考えるこの思い込みは、心理学の世界では正常性バイアスとよびます。これは人間が予期せぬ事態に出会った時、「あり得ない」「自分には関係ない」と思い込むことによって自分の精神状態を維持しようとする防御反応でもあります。

しかし、人間がこのような思考に陥りやすいということを理解していないと大変危険なことになります。よく問題になるのは『災害』です。津波や山の噴火を目の前で目撃していながら、『自分は大丈夫に決まっている』と思い込んで現場のビデオ撮影を行い、逃げ遅れて命を落としたというケースはよく見受けられます。

そして正常性バイアスは、『病気』においても大きな問題を引き起こします。今や50%の確率でガンに罹患する時代にも関わらず、多くの人は実際に症状が出るまで十分な検査を行おうとはしません。ほとんどの人が癌・心筋梗塞・脳卒中といった生活習慣病で命を落としているにも関わらず、正しい情報を事前に得ようとはしません。食事・運動・睡眠といった基本的な健康行動すら、最適化しようとしません。

これは、『自分はまだ関係ない』という思い込み(潜在意識)が原因になっていると思います。しかし、これは全くもって根拠のないものです。病気というのは確率論に発生するため、あらゆる人が可能な限りの手を打つべきなのです。

②効果を知覚しにくい

2つ目の理由は、「健康に投資しても、効果を知覚しにくい」からです。

運転免許をお持ちの方であれば、『人間が得る情報の8割以上は視覚由来である』というお話を聞いたことがあるでしょう。人は目に見えるものから多くの情報を得るのです。逆にいうと、目に見えない価値というのは情報として入ってこないということになります。

しかし、情報として実感できるかどうかと、それが重要であるかどうかは全くの別問題です。心身の健康や家族・恋人との良好な関係は目に見えないものではありますが、人間の幸福にとって非常に重要なものです。これらは目に見えないがゆえにその有り難さに気づきにくいのですが、失った時には大きなダメージを感じるのです。今までの人生で心当たりはないでしょうか?

この感覚情報の比重も人間の特性であるが故に、意識をしていないと見落としがちな大きな問題です。高級車や高級ファッションといった目に見える有形資産と同じかそれ以上に『健康』という無形資産は重要です。その大切さに気づきにくいものだからこそ資金を投じてでも守る必要があるということを意識する必要があります。

また健康状態を維持してパフォーマンスを向上することは、結果的に有形資産を増やすことにも繋がります。これは最近では『プレゼンティーイズム』とよばれる概念で、主に海外の優良企業で注目を集めています。

人の生産性というのは我々が意識している以上に『健康状態』の影響を受けており、早期治療や健康な生活習慣に投資することは3倍以上の金銭的リターンをもたらすというデータもあります

その因果関係が目に見えないが故に効果を実感しにくいものではありますが、確実に投資対効果は存在するのです。

③そもそも最適解が分からない

3つ目の理由は、「健康という概念が抽象的であり、それを得るための最適解が分からない」からです。

教育の世界は不思議ですが、『健康』『コミュニケーション』『経済』といった人間にとって根本的なテーマについて学習する機会はほとんどありません。大学で専門課程に進んだ人だけが熟知しているという状態にあります。

『健康』と一言で言ってもその概念は非常に抽象的であり、あらゆる予防可能な疾病を予防しパフォーマンスを高めるためには、広範かつ専門的な知識が絶対に必要になります。一部の知識だけを持つ人がサプリメントや自己流のソリューションを提供していることは多々ありますが、根拠がなく安全性も不確かなケースがほとんどです。

しかし健康の最たる専門家である医師はほとんどが病院に身を置いており、殆どの人にとっては、実際に病気になって初めて会える存在です。結果的に食事や運動など各論の専門家、あるいは非専門家がヘルスケアサービスを営んでおり、本当に自分にとって必要なものは分からないというのが実情です。結果的に、広告戦略やマーケティング戦略をうまく行なっている企業(市場の目に触れる商品やサービス)が盲目的に選ばれている現状があります。

あまりに多くのサービスができている現代において、専門家でない人が一人の力で最適解を得ることは非常に難しくなっています。結果的に選ぶのにかかる時間的コスト・心理的コストは大きくなり、健康投資に足が遠のいてしまうのは仕方ないこととも言えます。

④目先の利益を優先してしまう

4つ目の理由は、「ヒトは将来の利益よりも目先の利益を優先してしまう」からです。健康への投資は将来的に大きな利益を生み出しますが、すぐに利益を実感できないのは確かです。

このように本来の目標達成よりも目先の快楽・利益を追求してしまう人間の特性を、心理学用語では現在志向バイアスと呼びます。

本来人間の目標は、『家族・友人との幸せな時間』や『より良い社会の実現』、そして『健康でイキイキした生活』といった根本的なものであり、これを実現するための行動を優先するのが合理的です。

しかし将来的に身体に悪影響を及ぼすと分かっていながら目先の快楽を優先してしまのが人間です。過食や飲み過ぎをやめられないのは糖・脂質やアルコールの中毒性もありますが、『頭では分かっているはずなのに目先の利益を優先してしまう』という心理特性の影響もあるのです。

勿論、人は病気にならないために生きているわけではないですし、今の幸せを重視することも決して間違いではありません。大切なのはこのような心理特性を理解し、目先の利益と将来の利益のバランスを保つことです。

⑤意味がないかもしれない

最後5つ目の理由は、「ヒトは不確実で大きい利益よりも、確実で小さい利益を優先してしまう」からです。どんなに健康投資をしても100%病気を防げるわけではありません。病気のリスク(可能性)を下げることは確実にできても、「健康」というアウトカムは確実にはなり得ません。一方、「車を買う」「ワインを飲む」といった行動はお金や時間を費やした瞬間に、確実に利益を享受することができます。

結果、多くの人が確実な利益を求め、不確実な健康による利益を後回しにしています。このような人間の心理を確実志向バイアスといいます。

健康は遺伝的要因や偶発的要因(運)も大きく影響するため、お金を払って確実に手に入るものではありません。しかし専門的な知識をもとに自分に最適な健康行動をとることで、予防可能な病気による死亡を防ぎ、パフォーマンス向上による利益を得る可能性を限りなく高めることはできます。

例えば年収1000万円の40歳個人事業主の方が、1年間に50万円の健康投資を行ない、これによって健康に働ける期間が65歳から75歳まで伸びたと仮定しましょう(これは現代医学の知見を活かせば十分可能なことです)。

この場合、50万×(75-40)=1750万円の投資によって、1000万×(75-65)=1億円のリターンを得ることになります。つまり、高級車や高級ファッション、飲酒や喫煙にお金を使うよりも明らかな経済的合理性が生じます。

また、健康を保つことによってパフォーマンスが高まることは②で述べた通りです(プレゼンティーイズム)。経営者や個人事業主では特にパフォーマンスの向上が自分自身の収入に直結するため、遠い将来を待たずに利益を享受できる可能性が高くなります。つまり、年収1000万円という前提が覆され、さらなる経済合理性をうむ可能性があるのです。勿論上記職種に限らず、パフォーマンスが高ければ昇進や独立によって年収を高めることは可能でしょう。

健康投資によるリターンは一見不確実ですが、医学的知見に基づいた健康行動を取りさえすればほぼ確実なものになります。少なくとも、日々無駄使いしてしまっている嗜好品以上の価値を生み出すことは確かです。

健康投資は最優先課題 - いますぐ始めよう

世界で最も有名な会社の1つである『Apple』の創業者スティーブ・ジョブスが最後に残した言葉は有名です。

あなたのために、ドライバーを誰か雇うことはできる。お金を作ってもらうことも出来る。けれど、あなたの代わりに病気になってくれる人は見つけることが出来ない。

世界で最も大きな成功をおさめた彼ですら、病で倒れる最期の時まで健康の大切さに気づかなかったのです。健康が失われてしまえば、歴史に名が刻まれることはあっても、自分が作った未来を見るという夢は叶いません。

目に見える有形資産ばかりに力を注いでしまうのは、人間や人間社会の特性上仕方のないことなのです。しかし、折角与えられた人生を楽しみたい全ての人にとって、健康という無形資産は不可欠なものです。

あらゆる病気は見つかるのが1日でも早い方がよく治ります。健康行動を始める年齢が若ければ若いほど、健康投資による経済的メリットも大きくなります。健康の大切さに気づいた時が、健康投資を始めるべきタイミングです。

あらゆるものに先立つ最優先課題といっていいでしょう。

まとめ - Wellnessができること

さて、今回はヒトが健康投資を後回しにしてしまう5つの理由についてお話ししました。『正常性バイアス(心理の特性)』『無形性(感覚情報の特性)』『情報格差(教育構造の特性)』『現在志向バイアス(心理の特性)』『確実志向バイアス(心理の特性)』は個人の努力でどうにかできるものではありません。重要なのはこれらの特性を理解し、各自が健康に投資する大切さに気づくことです。

私たちWellnessは、優秀な医師を身近におき予防・健康行動を最適化するためのパーソナルドクター(顧問ドクター)サービスを提供しています。早期発見のためのサービスから、パフォーマン向上のためのサービスまで様々です。

私たちができるのはあくまで皆さんの「お手伝い」です。結局は、『健康は大切だから、維持したい』という一人一人の思いが不可欠になります。なぜなら、一人で過ごす時間の積み重ねが重要だからです。これはどんなにお金があっても、優秀な家庭教師をつけたとしても、十分な自習時間がなければ絶対に合格できない受験勉強と同じです。

しかし、伴走するパートナーが優秀であるに越したことはありません。本人のやる気がある場合において、広範な専門的知識は限られた『時間』を節約し、確実な効果をもたらしてくれます。だからこそ、Wellnessは優秀な医師を顧問ドクター(かかりつけ医)として持っていただくことにこだわっているのです。

私たちは人生の最高のパートナーとして、あなたの健康と幸せに寄り添い続けます。

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サービスに関するお問い合わせは、

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まで。予算やご希望に応じて、最適なプランを提案させていただきます。(年間4万円〜150万円)

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