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大谷翔平は LAAを去るしかないのか2

 LAAと大谷の現在地

 LAAの現在地は昨年に比べれば、悪くはない。LAAの現在地は西地区3位で首位と6差に位置する。昨年は大型連戦を大幅に負け越しその後も浮上のきっかけを掴めずマドン監督の解任に至った。昨年は散々なシーズンだが今年は優勝争いに絡めている。
 大谷の成績は申し分無い。ホームランはジャッジに3本さをつける24本でトップ、打率は.292、OPSは.993となっている。投手では14試合に登板し6勝3敗、防御率3.13、WHIP1.05となっている。投打でメジャートップクラスの成績を収めており一部では既に今年のMVP争いは決したとの声もある。

LAAの事情

 LAAは昨年、身売り話が飛び出した。オーナーであるアルトゥーロ・モレノが昨年夏頃にLAAの売却を決断したと報道された。背景にあったとされるのは、エンゼルス・スタジアム・オブ・アナハイム周辺の再開発の頓挫である。予定では住宅やショッピングなどの複合施設を建設する予定であった。しかし、アナハイム市所有の土地売却を巡り不透明な売却プロセスが浮かび上がりシドゥー市長(当時)が辞任に至り、更に市議会が土地売却に反対したことから計画は白紙となった。これがモレノ氏がLAAを売却しようとした大きな要因と見られていた。
 ところが一転、年明けに売却中断を発表した。身売りを中止したことにより再びモレノはLAAへの投資を再開したため、勝利やマーケティングの観点から大谷は重要な要素になる。勿論チーム状況によるが、モレノ自らの意思で放出する可能性は低いと考えられる。
 しかし、大谷は劇的な勝利で幕を閉じたWBCで勝つことへの執着を改めて見せている(トラウトもしかり)。今シーズンのプレーオフに出られ無い又は昨シーズンと同じ道を辿るならば、大谷は去る決断をするかもしれない。

各球団の思惑

 メジャートップクラスの成績を残す大谷を取りたいと思う球団は山ほどある。しかし、理想と現実は違う。大谷ほどの選手を取るには「魅力的」な条件を提示しなければいけない。そこで真っ先に挙がるのがNYMである。オーナーのスティーブ・コーエンは全米屈指の富豪であり、その資金力は他球団オーナーを圧倒する。MLBではチーム総年俸が基準以上になると「贅沢税」を支払わなくてはならないが、コーエン氏は「勝つ為なら贅沢税を支払うことを厭わない」と公言するほど、群を抜く資金力を有する。近年もその資金力を背景にリンドーアやシャーザーなど名だたる選手を獲得している。仮に大谷がFA市場に出てば、真っ先に手を挙げるだろう。

 また、LADも候補の一つに挙げられる。同じロサンゼルスに本拠地を構えるLADは毎年、優勝争いの絡むMLB屈指の球団である。同じ都市にあるため大谷への負担は少く、大谷の求める勝利への執念を満たせる球団であることは間違いない。何れにせよ大谷獲得の第一条件は高額年俸を支払える資金力のある球団と言うことになるだろう。

 トレードであるが、報道によると昨年、大谷に持ちかけられたトレードは5件あったもののいずれも実現していない。大谷と釣り合わせるためには多くのトッププロスペクトの放出が予想される。その場合、中長期的な視点でのチーム造りに影響を及ぼす可能性は否定できない。

 例年チームが優勝争いやワイルドカード争いから脱落すると来年のために再建モードに突入する。現状LAAはまだ優勝の可能性がありワイルドカード争いでも次点に位置している。一ファンとしてはどの球団でプレーすると言うよりも長く二刀流を見ていたいと思う。大谷の去就は早ければ7月末、遅くても来シーズン開始までには判明する。


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